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侍女と次女

「どころで、議会に出す数字がでたらめだと批判があるようじゃないか。」

「統計なんてやり方しだい。母数をどこにするかで大きくも小さくもできる。だいたい、自分で算出しているわけじゃない。もっと大きくとか小さくとかいうだけで官僚の連中が出してくるんだ。そんなものに責任なんて感じないね。政治は数で決まるが、数値で決めるもんじゃない。必要か不要かも立場の違いだ。要は、自分がやりたいかどうか。責任なんか感じてたら、長期にはやってられんよ。何にも感じないから、いつまでもやってられるんだ。」

 シンゾウは悪びれる様子もなく、ジゾウの問いに言葉を返した。


 シンゾウにとって、政治は暇つぶしなのかもしれない。溜め込んで裕福にするよりも、散財してすっからかんになって終わる。そんなスリルを求めているようだ。


「お呼びでしょうか。」

 一人の若い女性が部屋に入ってきた。みるからに、メイドのようだ。

「ついでといっちゃ何だが、この侍女も養子縁組する。身元の不明な二人だけでは怪しまれる。実は、この子の親を事故死させてしまってな。当初、侍女ということで面倒を見ることで示談にしたんだが、いつまでも雇い続けることもできん。そこで、今回一緒に養子縁組して地盤を引き継がせようということになった。年齢的にも三人の末っ子になるじゃろう。」

「好きにしてくれ。わしは関わらんぞ。」

 ジゾウは呆れながらも、政治とはなんとドロドロしたものかと感じた。


「個人的な行動だから、いっさい公費がつかえん。全て私費でまかなわねばならん。移動も服装も時間もすべて個人のものでせねばならんからな。まあ、貧乏な兄さんに請求しようとは思わないから安心してくれ。」

「政治家でなくてよかったわい。芸人はほとんど経費でまかなえるかなら。」

 シンゾウの言葉にヨボは笑って答えた。


 このときはまだこの侍女がシンゾウの進退に大きく関わるってくるなどとは誰も想像していなかった。

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