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駆け引き

「これはこれは、はるばるようこそ、ジゾウ様。」

 カイラクは低姿勢で、媚を売るような丁寧さで挨拶をした。彼の後ろには、切れ切れの衣装に青や赤などのメイクをした異形な連中がずらりと並んでいる。

「隙を見せるんじゃないぞ。」

 ヨボがジゾウに耳打ちをする。

「わかっております。後ろのやつらがかってに襲ったことにでもするつもりでしょう。」


「まもなく議会も終わります。長旅でお疲れでしょう。部屋で少し休んでからにされてはどうですかな。」

 カイラクの言葉は親切心からなのか、それとも裏があるのか、計り知れないものがあった。

「いやいや、兄として弟を待たせるなどできんよ。」

 ジゾウは笑顔で言葉を返した。

 細長い通路を色とりどりの大小さまざまな異形のものたちが進むさまは、百鬼夜行のそれのようであった。

「腹減った。はやく食事がしたいよ。」

「これ、客人を前にはしたない。まだ、下ごしらえもすんでおらん。またとない食材が手に入ったんだ。」

 後ろのほうで、ささやいている声が聞こえる。


「さて、旅の汚れなどを落とされてはいかがですかな。代えの衣も用意してあります。会談の間に洗っておきますぞ。」

 随分と親切だ。

「おいおい、本気で信用していまいな。洗って、新しい衣をまとわせてって、どこかにそんな話があっただろ。」

 ヨボはジゾウを突っついた。

「解ってますって。話をあわせてるだけです。」


「お忙しいでしょうから、話が終わってからでも結構ですよ。さて、部屋に着きましたので、しばらく、中でお待ちください。用がありましたら、扉の向こうにおります警備のものに言ってください。」

 そういうと広間の中へと二人を導いた。部屋は50畳ほどはあろうか、天井の高さも10メートルほどある。これなら大型の宇宙人の使節団でも楽に入れるだろう。

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