ホースの導き
旅先から急いで戻るとコクウはホースの練習をした。修行は厳しい。毎日、ホースを回し、腕はホースを掴もうと伸ばしただけで震えてくる。
師匠とは連絡は取れるが、修行自体は自身の体で行なう他はない。鉱山の星ヘムを目指しながら、画面越しの修行は困難を極めた。アンドロイドのチヨに聞こえないように遮音した部屋で練習をする。
「腕を鍛えるには逆立ちが一番じゃ。」
師匠にいわれるまま逆立ちをし、ホースの先を小型艇にくくりつけ持ち上げる。
「こんな重いもの持ち上がるわけが・・・。ホースがちぎれてしまいます。」
「信じるのじゃ。ホースの力を。呼吸法を学ぶのじゃ。細い麺をすするように。」
呼吸法をマスターするために、長い麺をすすっていると、師匠が怒鳴ってきた。
「何をしておる!すぐにやめろ。」
「何って、毎日同じ食事では飽きるので、たまには違う味と思ってイカスミパスタというものを作ってみました。うまいですよ。」
コクウは真っ黒になった口でニヤリと笑った。
「暗黒麺に引き込まれおって。若いヤツはすぐにうまいものへと逃げようとする。」
「ジゾウ、あの子はダメじゃ。自制心というものがない。」
師匠はジゾウと通話してる。どうやら二人は機知の仲のようだ。
「そういわずに。マスターヨボよ。かつて、多くのアンドロイドを一瞬で行動不能にした、あなたの技だけが頼りだ。」
「だれが、ヨボヨボじゃ。まだまだ、若いもんには負けんぞ。しかたがない、わしが到着するまでおとなしくするんだぞ。」
「コクウ、香木を集めてきた。ヘムへは香木売りとして潜入する。われわれの姿は知られていない。看守たちは簡単に買収できる。あとは、どうなるか金と運しだいだ。」
ジゾウはよれよれの薄汚れた衣装に着替えると枝の束を前に、その種類と効能を説明をした。




