匂い棒と金と運
「コクウとかいったな。あまえは何の芸を習いたい。」
いきなりの問いに、コクウは言葉につまった。
「お主は非力じゃ。まずは戦闘に使えそうな武術がいいじゃろ。」
「話術なら得意なんじゃが。立ち回りなら、チンピラ通り。流行のアクション芸を習うなら、ダッチョウワイフ。ゴムタイとかいうやつならグダングダンでも使っとるな。宇宙の果てまでいってこい!って修行企画もあるがまだ誰も戻ってきてはおらん。技など簡単に身につくものではない。そうだ、種族によって嫌う匂いというものがある。香木を探すというのはどうじゃ。運がよければ金も手に入るぞ。」
「演芸ホールならいろんな芸が見られる。ただし、出演料が安いから、一流の芸人は出ない。金は堂本に吸取られ、ほとんど芸人には払われない。通称ブラックホール。」
コショウが解説をくわえる。
「だんな、裏事情をばらさないでくださいよ。事務所が儲かれば、芸人にも回るんですから。」
「それは、可能性の話だろ。9割もピンはねしてるって噂だが?」
コショウはニュースを見ながら言葉を返した。
「やだなあ。経費と事務所の上がりを抜いて残ったものが、たまたま一割ってだけですよ。」
「派遣法違反じゃないのか?」
「かれらは請負。子会社だから随意契約。」
「それなら、公取委の問題だな。」
「そもそも契約書すら作ってないから。単なる窓口。仲介の口利きだから取引関係にないんで問題ないです。」
こいつら法律の隙間を抜けて、やりたい放題のようだ。
「今、ホース使いが出てるよ。」
ホースを振るまわしながら音楽を演奏している。
「ホースの力を使えば。アンドロイドなら特定の音で機能停止させることもできるぞ。」




