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破壊神チヨ

 宇宙船の中には、巨大なアンドロイドが1体動いていた。

「こいつは、料理から戦闘まで何でもこなす、相棒だ。」

 金属むき出しの顔には表情が無い。

「チヨいいます。」

 アンドロイドは巨体を折り曲げてコクウに顔を近づけてきた。

「帝国の手先が追ってきます。いかがいたしましょう。」

 チヨは、割烹着のような白い布を外しながら言った。機械には腐食につながる料理の汚れは大敵である。

「重量を利用しての加速が終わるにはまだ時間がかかるからちょいとあしらってきてくれ。」

 すばやく巡航速度に達するには星の重量を利用したスイングバイを使う。

「了解しました。」


 チヨは部屋を出て行った。やがて、彼女はハッチから船外に出た。チヨを見つけた敵は一斉に彼女に向かっていく。チヨは宇宙空間に向けてプラズマを照射し始めた。

「どこに撃ってるんだ?」

 コクウの言葉にジゾウは笑っている。見ていると、やがて敵の船は次々と爆発して動きを止めた。


「デブリにプラズマを当てて、軌道を変えているのさ。無重力の宇宙で、質量のある物質を放出すると、反動で自分も動いてしまう。だから、軽いプラズマを相殺するように放出する。高速で飛び回る宇宙チリはプラズマを帯びることで敵の船にひきつけられる。そして、敵の船を貫通するというわけだ。」

 プラズマデブリ。じつに恐ろしい兵器だ。チヨ・破壊神。怒らせないほうがいいな。

 チヨは加速して戻って来た船にプラズマジェットで追いつくと回収された。


「さあ、勝利の美酒だ。」

 そういって、ジゾウは酒瓶を開けた。千代白海ちよはっかい。瓶のラベルにはそう書かれていた。

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