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卑身呼とコクウ

 争いの耐えない、宇宙の中心部をよそに、遥か離れた帝国も存在すら知らない惑星チクウ。ここに、一組の貧しい母子家庭があった。母、卑身呼ひみこは盲目の身分の低い下級労働者だった。父は不明だった。ただ、その星の住人ではない。それは、彼が何年経ってもまったく年を取らなかったからである。そのせいか、彼女の子も異様に成長が遅かった。普通なら成人してもおかしくない年になっても、物心がつく程度にしかならなかった。


「遥か太古にチクウにやってきた神々がいた。不老不死の彼らは、チクウに人類を造り去っていった。彼らの残した人類はやがてこの星を支配する側と支配される側に分かれた。やがて、反乱により身の危険を感じた支配する者たちは、神に助けをもとめた。しかし、神は現れなかった。支配する者がいなくなり、世の中は平和になるかと思われた。しかし、人々のなかから言葉巧みな連中が新たな支配層となり、新たな身分格差が生まれた。」

 星の歴史書に刻まれた内容は、真偽のほどは確かではないが、人々が信じるに十分な説得力を持っていた。


「コクウ、あなたが大きくなったころ、父はこの星に戻って来るといいました。父は何かの実験のミスで宇宙の中心から遥か離れたこの星へ飛ばされたと言っていました。母にはその内容は理解できせん。まもなくその時がきます。そしたら、迷わず父ジゾウと共に旅立ちなさい。」

 そういい残して、母も亡くなった。コクウは一人で、大地を耕し、獲物を追って暮らした。歳をとらない子。誰もが気味悪がって、雇うことがなかったからである。


 やがて、彼と同じごろに生まれた者たちも老人になったころ、青い空に一筋の赤い光が走った。光は徐々に強まったが、地上に到達する前に消えた。

 やがて、見知らぬ男が街を徘徊しているという噂がたった。

「禿げで銀色のつなぎを来たやつが、誰かを探しているらしい。」

 人々は誘拐犯だとか、変質者だとか騒いだが、男の後を追おうと店を出ると、やつはどこにも見えなくなっていた。

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