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残され人

 それぞれの銀河がまだ近かったころ、人々は今よりも活発に交流を行っていた。近いと言っても何万光年という距離。実際に移動できるものではない。彼らは、星々にヒューマノイドを送りこみ、意識だけを転送していた。体だけは母星に永久凍結し、肉体より解放された意識は、行きたい星で空いている人造の体に転送される。情報のみである意識は、物理法則の破れを利用して、光より速い速度で移動できた。


 そんな、転送旅行時代も、銀河の間隔が広がっていくにつれ難しくなってくる。やがて、星に取り残された者が、独自の進化を遂げ始めた。

 その惑星に暮らす者にとって、およそ理解しがたい巨大なモニュメントが砂漠のなかに建っていた。だれが何のためにために造った物なのか。建物と呼ぶべきか、それとも装置と呼ぶべきものなのか。少なくとも、今の人々には再現することのできないほどの高度なテクノロジーが使われていることだけは確かだった。


 伝説によれば、それは王の再生装置と呼ばれ、かつてこの世界を統治した王が生まれ変わるために使われたと伝えられていた。数千年、いや数万年かもしれない。長い時が彼らの記憶をあいまいなものにしてしまった。


「入り口は狭いですから、気を付けてください。」

 ドーム状の外壁が崩れ、四角錐の内部が見えている。その中も一部だが、いまでは観光ルートとして定着していた。

 建物の内部にの狭い通路を中腰で進むと、やがて天井が高い空間にでた。

「ここは王の間へと続く回廊です。この空間についてもその役目がまったくわかっておりません。」


 空っぽの部屋の数々を見て、一行は外へとでてきた。

「まったく、理解しがたいですな。昔の人は本当にこんなもので生まれ変われると信じていたとは、おろかだと思いませんか。」

 客の一人が声高に、ガイドに語りかける。

「どうなんでしょうね。この世界のことはいまだにわからないことだけです。われわれは目に見える物意外信じようとしませんからね。この地の伝説では、この世界は二人の女神によって治められていたが、互いの距離が離れるに従って、仲違いをするようになった。そして、闇の女神エナイとともに多くの者がこの地に追いやられたといいます。」

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