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「…お嬢さん、大丈夫かい?」
惟夏の耳には、緩い感じのテノールボイスが響いた。
「もう少しすれば保衛官総括の現場処理が到着する。僕は戻って君の活躍も報告しておくよ」
しかし惟夏は頭痛が痛かったので、その場で眠る。
一方、俺はというと、いきなり落ちてきた金髪おさげに対して対応に困っている。
「あのぅ、敵は強いんですかぁ?」
「…」
すると、俺の頭上を黒っぽい人影が通り過ぎ、目の前に着地した。全身黒いコーディネートの彼は、その細身の体を綺麗に立たせ、言った。
「プラチナヒーローが全滅したと聞いたが、まだ一人元気そうな奴がいるとはな。」
俺は状況が掴めず、首を傾げた。
「あんた誰?」
すると、黒い青年は答える。
「個人でヒーローをやっている、シェイムだ。」
「あーそう」
シェイムとやらは、空を見上げる。
「終わったようだな。ホワイトヘブンがトドメをさしたようだ」
ホワイトヘブン?そもそも隻眼の魔獣はどうなったんだ?惟夏?と頭のハードディスクがエラーを起こす。
「ごめん友達あ、いや弟子探してくるわ。じゃーな!」
俺は言い放ち、去る。
「あっ金髪おさげ!大丈夫か?おい!」