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敵は、侵略者は駆けつけた上級保衛官を圧倒していた。俺と惟夏はⅩ区役所前で合流した。今回ばかりは気を抜けない戦いになりそうだ。
「師匠、敵のボスは恐らく50m前方にいる隻眼の魔獣のような奴でしょう」
惟夏はその右目にターゲットレーダーのようなものを映している。
「あれか?俺空飛べないぜ?」
「では、私が仕留めてきます」
俺の返答を待たず、惟夏は即地を蹴飛ばし上空の敵に向けて上昇して行った。
「さて、モブ退治と行きますか。」
すると、俺の背後に強大な気配を感じた。さらに俺の前にムキムキのタキシードが現れる。タキシードの胸の部分には、保衛官章が付いている。恐らく、保衛官であろう。
「何故一般人が此処にいる?すぐさま避難しろ!」
タキシードは腰に差していたロングソードを抜く。
「俺は中3の弟子とヒーローごっこをやっている。」
「黒シャツから先に始末する」
背後の宇宙人は、俺に向けてパンチを放ってきた。しかし、タキシードの剣閃に、パンチを弾かれた。
「お前の相手はこの僕だ!」
だが、秒でタキシードは吹き飛ばされた。
「次は貴様だ」
「はいはい」
宇宙人は、連続でパンチを繰り出す。俺は軽く躱すと、
「あのな、パンチってのはこうするんだよ」
と、宇宙人の腹をぶち壊した。エレメントが四散する。
「三人の精鋭が交戦中、うち一人はサイボーグ、か。」
惟夏は高層ビルの屋上にしゃがみこみつつ、敵勢を把握していた。すると、惟夏の隣に一人の女性が現れた。20代前半くらいに見える。
「親御さんとは、はぐれたのかい?」
「いえ、今日は師匠ときています。あちらが敵の大将でしょうか?」
女性は動揺せず、微笑んだ。
「お姉さんに任せて!」
そして、とてつもないスピードで上空へ飛び立つ。まさに瞬間移動だ。しかし、いつの間にか保衛官側は女性単騎になっていた。
「…かなりの強敵です。師匠」
俺は先程の宇宙人の下っぱと見られる人間程度の大きさの敵を秒であしらう。しかし、携帯電話の着信音には完全に気づかなかった。
「コーラ飲みてぇ」
一方、女性保衛官である、金髪お下げの身長160やや上良いおっぱいのお姉さんはその巧みなスピードで敵のボスと交戦していた。敵は其奴一人だとも気づかずに。
「オレの攻撃に着いてこれるとは、貴様中々の戦闘員だ」
ボスは、上方に手を翳す。
「…はぁ、はぁ、はぁ」
「だったら終わらせてやる!喰らえ、大空神威滅裂斬」
すると、ボスの手元に、謎の光源体が現れそれは隕石のように金髪お下げに襲いかかる。しかし、落下が止まった。
「あ?」
「爆裂光線」
惟夏は、その強度をさらに増して大空神威滅裂斬を破壊した。
「保衛官ってのは、この程度か?」