時には立ち止まって
つらい人への子守唄
またやっちゃった。
僕は手首の傷を見て深さを探る。出血量は少なく、大したことなさそうだ。
極度にイライラした時に出ちゃう悪い癖。
でもこんなの僕だけじゃないよね、と呟きながら、複雑な気持ちになる。
つらいんだ、でも逃げ道は無いんだ、これは助けて欲しいというサインなのかもしれない。
しかし当然の事ながら、助けてくれる人などいない。
この世は華やかな地獄である。誰かの言葉が脳裏をよぎる。
こんな時は立ち止まって、悲しい歌を聴いて落ち着こう。寂しいな、と思いながら。
長い長い道のり。たまにはこんな事もあるよね、と自嘲気味に言いながら。