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21話

「それじゃ、最初は、映画についてだけど、何か案のあるひと?」

 イケメン委員長は、クラスの人たちから映画の意見を募った。

 すると、演技基部のエース渡辺が手を挙げて、意見を出した。


「何か、ジャンルを決めてくれれば、俺が脚本を書くよ。」

 こいつ、高スペックすぎるだろうと貴正は、思った。演じることができるだけでなく、脚本までかけるなんてまさに才能の塊だと思った。

「分かりました。それじゃ、ジャンル決めをしましょう。何か意見のある人。」

 すると、はいと五十嵐が手を挙げた。

「ハーレムものがいいと思います!」

 意気揚々と五十嵐が意見を出したが、さすがに文化祭でそのジャンルは厳しいだろうと貴正は思った。クラスの女性陣は、ものすごく嫌そうな顔をしている。自分が主演をしたいのだろうか。


 続いて、岡留斗が挙手をした。

「ホラーと、SFとかは、どうでしょう?」

「アリですね。」

 ホラーは、あまり文化祭向きではないが、確かにSFは、ありだなと感じた。貴正も意見を出したくなったので、挙手した。

「はい、貴正くん。」

「ファンタジーなんてのはどうでしょう。」

「ファンタジーですか、良さそうですね。」

 そのあとも、ジャンル決めは白熱した。

 バトルものだの、ラブコメものだの、刑事物だの様々な意見が飛び交った。

 議論の結果、貴正が提案したファンタジーものに決定した。


「それでは、映画の内容は、ファンタジーということで。渡辺くん、すみませんが、脚本作りの方お願いしていいですか?」

「もちろん! 任せておいてくれ。」

 自信満々に渡辺が宣言した。これは、面白い脚本を作ってきそうだなと貴正は思った。

「それでは、次にメイド喫茶について決めましょう。」

 話し合いで、レイアウトについてや、誰がメイド服を着て接客するのかを決めた。メイドを着る人の中には、美賀子も含まれた。

 貴正は、心の中でガッツポーズをした。

 美賀子のメイド姿を拝めるぞ! 彩香のゴスロリ姿もなかなか良かったが、美賀子のメイド姿もとても楽しみであった。


 あっという間に時間が過ぎ、今日の文化祭の話し合いは終了した。

 その日の部活中の休憩中、貴正は、佐江に文化祭について聞いてみた。

「佐江のクラスは、文化祭の出し物何にするんだ?」

「私たちのクラスは、お化け屋敷をやる予定だよ。

お化け屋敷か。お化け屋敷は、文化祭の鉄板である。それゆえ、敷居の高そうなものであると、貴正は感じた。

「なるほど、どんな感じのやつにするんだ?」

「洋館をモチーフにしたお化け屋敷にする予定。貴正くんたちのクラスは何をするの?」

「うちのクラスは、映画とメイド喫茶をする予定だよ。」

「えぇ! 二つやるの! 大変そうね。」

 全くもってその通りであると他人事のように貴正は思った。

「貴正くんと美賀子のクラスは、二つ出し物やるのね。本当、忙しくなりそうね。」


 近くにいた、磨衣子が話しかけてきた。

「磨衣子のクラスは、何するんだ?」

「私たちのクラスは、中華レストランをやる予定よ。女子はチャイナ服を着て、接客をしなくてはならないの。」

 おお。きっとこれは、盛大に盛り上がる。そう貴正は思った。美人で巨乳のチャイナ姿なんぞ、きっと男子生徒のみならず、成人男性も注目するだろう。

 うちのクラスで一番の美人の美賀子のメイド服と同じくらい注目を浴びることだろう。

「磨衣子のクラスは、中華レストランかー。」

 くったくない口調で、彩香が反応した。

「お前のクラスは、何をするんだ。」

 貴正は、彩香にも訊いてみた。

「ウチのクラスは、猫耳カフェをやる予定。ウチのクラスも女子がメイド服を着て、猫耳をつけるんだとさ。」

 まるで、人ごとのように彩香が答えた。貴正は、自分のメイド喫茶とだいぶ被っているなと思った。


「そうなのか。お前もメイド服を着るのか?」

「ああ、そうみたいだ。」

 ふむ。これは、美少女三姉妹の三つ巴の戦いになりそうだなと思った。

「ああー。めんどくさいなぁ。文化祭さぼろうかなぁ。」

 彩香が、気だるげにそう言った。貴正も準備その他もろもろめんどくさいから気があうなと思った。貴正は、リア充が好きそうなイベントはあまり好きではなかった。

「こら彩香! 文化祭はちゃんと手伝わないとだめよ!」

「へいへーい。」

 彩香は、姉のお叱りを受け、しぶしぶ返事をした。


 次の日、引き続き、文化祭の出し物について話あった。メイド喫茶は、接客は基本、女子生徒がやるとして、問題があるのは映画の方であった。


「それじゃ、昨日の続きから始めようか。渡辺くん、昨日の今日であれだけど、脚本は考えてきた。」

「もちろんさ。すでに完成まで仕上げてある。」


 クラスがざわざわしだした。たった一日で脚本ができるもんなのだろうか。すごすぎて、貴正は、何とも言えない気分になった。

「まず、タイトルは、『勇者の剣と囚われの姫』だ!」

 ドヤ顔で渡辺は、タイトルを高らかに宣言した。なんか、ありきたりなタイトルだなぁと貴正はそんな感想を持った。

「簡単に説明すると、この話は、とある王国に住む王女が、ある日、魔王に連れ攫われた。そこで、勇者が立ち上がり、伝説の剣を手にしつつ、王女を助けに行くというストーリーだ!」


 貴正は心の中でツッコミを入れた。なんだ、そのゼルダの伝説とマリオを掛け合わせたようなありきたりなストーリーは。俺でも考えられそうじゃないかと。

 まぁ、演出や演技次第では、面白くなりそうな感じでもあるとは思ったのだが。

「なるほど……みんな、どう思う?」

 すると、周りから「うーん……」だの、「いいんじゃね?」みたいな言葉が聞こえてきた。

「一応、多数決を取ろうか。」

 そういい、イケメン委員長が多数決を取り始めた。

 貴正は、賛成の方に挙手をした。ありきたりなストーリーとは思ったものの、文化祭レベルには、これくらいで十分だろうと判断したためである。他の人の様子を見たところ、結構賛成の方に挙手をしていた。


それじゃ、映画は『勇者の剣と囚われの姫』で行くという感じで。それじゃ、つぎに役決めをしようか。」

「それについては、俺に考えがあるんだ。」

 渡辺が突然、啖呵をきった。

「まず、主演の勇者は、クラスで一番演技力の高い俺がやる方がいいと思う。」

 まぁ、妥当かもしれないと貴正は考えた。主演は、当然のごとく演技力が求められる。主演の演技が下手では、お話にならないだろう。

「つぎに姫の役だが、ファンタジーが舞台なので、日本人とロシア人のハーフの美賀子さんがぴったりだと思う。みんなどうだろう?」

 貴正も確かにそう思ったがこいつ、もしかして映画をダシに美賀子とお近づきになりたいのではだろうかと貴正は、勘ぐった。

「異議あり!」

 突然、美賀子が手を挙げた。




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