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17話

 その甲斐あってか、残りのテストは、手応えを感じた。

 長かった、テスト期間も終わり、部活動が再開した。練習を始める前に、監督が部員のみんなを集合させた。

「みんな、とりあえずテスト勉強ご苦労だったな。

 大会で忙しくて、勉強する時間がなかなか取れなかったかもしれんが、テストはどうだ?」

 そう監督が聞くと、一部の部員がバツの悪そうな顔をした。その生徒達は、どうやらあんまり手応えが良くないらしい。

 貴正は、清々しい顔をしている。彩香はというと、何故か無表情である。磨衣子、美賀子、佐江はいつも通りである。

「それじゃ、今日から本格的に新チーム始動ということで、新キャプテンから一言!」

「えぇー!?」


監督からの突然のご指名に驚きのあまり、マスオさんのような声を貴正は出してしまった。

(やべぇ……何話せばいいか、何もわからない。)

 少し考えた結果、貴正は、話す内容を頭の中でまとめて、話し出した。

「えー、皆さん。キャプテンに任命されました、二葉貴正です。

 僕の目標としましては、自分の代で先輩の成し得なかった、全国大会出場を目指していきたいと考えています。

 練習は、去年と同じかそれ以上にきついと思うけど、頑張ってついてきてください。僕は、みんなを引っ張っていけるように頑張りたいと思います!」

 拙いながらも、キャプテンとしての意気込みを貴正は、しっかりと述べた。

 美賀子が、拍手を始めた。その次に、佐江も拍手をし、どんどん周りが拍手をしていった。

「よーし、俺もビシビシ指導していくから、お前ら覚悟しておけよ!」

 監督もやる気満々である。

「オス!」

 こうして、本格的に、新チームでの練習がスタートした。

 果たして、貴正たちの学園生活には、どんな出来事が待ち受けているのか……

 貴正は、真新しい風を感じながら、部活に励んだ。


 貴正は待ち合わせをしていた。今日は部活の休みの日であった。

 彩香と五十嵐を秋葉原駅で待っていた。二人とた秋葉原の店を巡った後、打ち上げで行こうと約束していたメイド喫茶に向かうためである。

「おまた〜。」

 五十嵐がやってきた。チェック柄の服を着ている。手にはタオルを持っている。まさにオタクの服装という感じであった。

「おお、五十嵐! おはよう。」

 貴正は、五十嵐に挨拶をした。貴正は、まさに秋葉原にいそうな感じの人だなぁと思った。貴正は、黒のパーカーと、ジーパンというユニクロで売ってそうな服装を着ている。

 貴正は、そこそこ良い容姿を兼ね備えているため、中々似合っていたが、はっきり言って、そこまでお洒落な服ではない。


 五十嵐が、到着してから五分後に、彩香も到着した。

「お待たせ! 二人とも、待った?」

「あ、彩香さん! おはよう。」

 緊張気味に五十嵐は、彩香に挨拶をした。緊張している理由は、彩香が美少女というのもあるのだが、彩香の服装に五十嵐は、ドギマギしていた。


「彩香、おはよう。お前、なんだその服は」

 彩香は、黒いゴスロリの服を着ていた。金髪の髪型と相まって、二次元からこちらの世界に転生してきた少女と思い込んでしまいそうである。

「え? 普通、メイド喫茶に行くときは、こういう格好するんじゃないのか?」

「いや……みんな普段着で行くと思うぞ。」

「そういえば店員さんで、こういう格好しているメイド喫茶もあるんだけどね。」

 五十嵐がメイド喫茶の豆知識を披露した。貴正は初耳であった。いろんなタイプのメイド喫茶があるんだなと思った。

 三人は、手始めに、アニメイトへと赴いた。歩いている途中、ちょくちょく声が聞こえてきた。

「な、なんだ。あの美少女は!」「外人の人かな?」「異世界からの転生者だ!」

 周りの人からたくさんの彩香への絶賛の声が、聞こえてきた。


 アニメイトは、いわゆるオタク向けの専門店としては、他の追随を許さない店舗網を持ち、関東以外の地方でも、とらのあなもまんだらけもないけど、アニメイトだけはあるという地域は多い。アニメイトの特徴としては、比較的女性向けの作品に強いという特徴を持っている。

 早速、アニメイトには入ると、三人は店内を徘徊した。


「おわー! 初めて来たけど、たくさんアニメのグッズがあるな!」

 初めての光景に彩香は感動していた。彩香は、漫画を見たり、ゲームをしたりすることが多いのだが、節約のために、漫画は立ち読みや友人から借りたり、ゲームも借りることが多かったため、意外にもこういう店に入ったことがなかったのである。


「しかし、たくさんグッズがあるなぁ。何を見たらいいかわからねぇや。」

「円盤(アニメのDVDのこと)を見に行こう!」

 五十嵐がそう提案したので、円盤を見に行った。ネット上でも、比較的人気の高い円盤が置いてあった。貴正は、『アクセルワールド』や、『魔法科高校の劣等生』に目が止まった。

 気になってはいたのだが、まだ視聴したことがなかった。欲しいとは、思ったものの、一枚あたりどれも五千円前後したので、正直買うのは厳しいかなと思った。


「ダメだ! どれもこれも高い。」

 彩香が文句を言った。三人とも高校生で、そうそう手を出せるような代物ではない。

「そういえば、彩香は六十点以上取れたのか? 達成できたら、ゲーム買ってもらえるとか言ってたよな。」

「テストの出来をテストが終わってから最初の練習で監督が訊いたときは、無表情だった。果たして結果はいかほどだったのだろうか。」

「最高得点は五十八点だった。」

「そ、そうか。それは惜しかったな。」

 目標の点数まであと二点足りないというのは、非常に残念だろうなと貴正は思った。二点足りないくらいなら、いっそ十点くらい足りない方が諦めがつくだろう。


「ああ、だけど、親父のやつ、頑張ったご褒美だってので四千円渡してくれた。」

「おお! それは良かったな! それじゃ、ゲームも買えるんじゃないのか?」

「いいか? 今日の全財産は、六千円だ。これでメイド喫茶に行くことを考慮すれば、確実に間に合わなくなる。」

 なかなかどうして計算に強くなったじゃないかと貴正は感心した。

「そうか。なら何も買わない気か?」

「千円から二千円の間で買えるものを買うつもりだ。」

「それだと、ゲームは厳しいだろうな……」


 ゲームの定価価格は、携帯ゲーム機だと五千円前後で、高いものだと、一万円前後するものもある。

 そうなると、中古ゲームくらいしかないであろう。中古ゲームを買うのであれば、ブックオフの方がいいかもしれないと思った。


「そんなことは、私にも分かっている。だから、ゲームではなくて漫画かなんかを買おうと思っている。」

 彩香はハナからゲームは諦めているようであった。貴正は、何かおすすめのゲームを紹介しようと思ったが、彩香が好きそうなものは、やはりバトル系かもしれないと思った。


「なら......バトルもののライトノベルとかはどうだ?」

「いや! ライトノベルは無理だ!」

「え? どうして?」

 貴正は、どうして彩香がライトノベルを彩香が毛嫌いするのか、理解不能であった。


「活字が多すぎる。私は、絵で楽しみたいタイプの人間なんだ!」

 それじゃ、漫画しかないかと思った。しかし、即興でおすすめの漫画は貴正は、思いつかなかった。

 ここは、やはり天下の五十嵐さんに助言してもらうのがいいだろうな。貴正はそう考えた。

「五十嵐。なにか、彩香におすすめの漫画とかはあるか?」

「それじゃ……同人誌なんてのはどうだろう。」

「同人誌? なんだそれは?」


 同人誌を彩香は聞いたことがないようである。同じ趣味を持つ人が集まって作られる本のことである。

 有名漫画のキャラクターを用いた二次創作が盛んに有志たちによってくれらている。過激なエロ展開が繰り広げられる。通称『薄い本』と揶揄されている。


 彩香はそういう本を好むのだろうかと貴正は少し心配になった。

「最高の漫画本だよ。」

 お前、もう少しちゃんとした説明をしろや! と貴正は五十嵐に対してツッコミたくなった。

「おいおいおい、待て待て五十嵐。もう少しちゃんと説明しようぜ。」

「いや、最高の漫画だよ! 貴正もそう思うだろ?」

 それは、お前にとっては確かにそうなのかもしれないが、人によってはドン引きする内容もたくさん含んでいるだろうが! と貴正は思った。

「よし、それを見に行こう!」

 彩香が即賛同した。貴正は、大丈夫だろうかと不安になった。




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