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16話

 テストまでの間、放課後は貴正、彩香、五十嵐の三人一緒に勉強をした。

 そして、テスト当日がやってきた。

 貴正は、少し早めに行って勉強した。最初のテストは国語であった。

 現代文は、教科書から出題される。ぶっちゃけ、国語は、ノートを丸暗記すればそこそこ点数を取ることができる科目である。

 恐らくは赤点を回避させるための救済措置だろう。実質、現代文は暗記ゲームであり、古文は、実践的な問題が出題される。高得点を取るためには、古文を攻略する必要が有る。


「おはよう。貴正くん。」

 美賀子が挨拶をしてきた。

「おはよう。」

 貴正も挨拶を返した。貴正は、徹夜をしたわけではないが、あんまり睡眠時間をとってないため結構眠かった。

「美賀子はテスト自信ある?」

「うーん、分からないけどとりあえず赤点は取らないと思う。」

 美賀子の授業の様子を見ていると確かに美賀子は赤点を取ることはないと思った。

「そうか。まぁ美賀子は頭良さそうだしな。お互いテスト頑張ろうな。」

「うん、頑張ろうね!」


 テストは、数日間にわたって行われる。例えば英語にしても、リーディングと文法問題見たく細かく分けられるので、結構テストの数が多い。また、保健体育のテストが行なわれる。テスト勉強中、彩香から保健の性のところの問題について聞かれたが、貴性は、他のやつに聞けと言っておいた。

 国語のテストは、思ったよりスラスラ解くことができたと感じた。その後も、順調にテストをこなしていった。


 昼休み、磨衣子と彩香が昼休みにやってきたので、いつも通り四人で昼ご飯をとった。

「みんなテスト手応えある?」

 それとなく、貴正は三人にテストの感触を聞いてみた。

「ええ。普通に解けたと思うわ。」

 磨衣子が答えた。三人の中では磨衣子が一番頭がいいと聞いている。具体的に何位くらいの成績なのか気になった。ちなみに貴正は、いつもテストでは二十位くらいの成績を取っている。

 今は七月の上旬くらいなのだが、生徒たちは、半袖を着用している。そのせいか磨衣子の胸のラインが強調されていて、目のやり場に貴正は困った。

(まぁ、ちょっとだけ見るくらいいいだろ……)

 そう思ったら、なんかどす黒いオーラを美賀子から感じたのでやっぱりやめることにした。

 最近、貴正には気づいたことがある。磨衣子の胸の方を見ようとすると美賀子が殺気のようなものを放つということ。

 貴正だけにするのかは分からないが、おそらく姉のことが好きだからだろうと貴正は考えた。

「彩香はどうだ? テストいけそうか?」

「ああ、問題ない。」

 顔を見ると、目が充血していて、どう見ても問題ありそうにしか見えなかった。徹夜でもしたのいだろうかと貴正は考えた。

「お前、徹夜したのか?」

「ああ。一科目でも六十点以上取れたら、親父がゲームを買ってくれるって言ったからな。死ぬもの狂いで勉強した。」

「そ、そうか。」

「彩香、すごい頑張って勉強したよね。ゲームのためとはいえ、思わず感心しちゃった。」

 美賀子が彩香を褒めた。ゲームの力はすごいんだなと貴正は思った。

「で? どうだ。なんかの科目で六十点取れるはあるのか。」

 彩香に、テストの自身のほどを訊いてみた。

「正直、自信がない。」

 死ぬもの狂いで勉強してもやはり厳しいか。貴正は、テストが終わったら、彩香にいくつかゲームを貸してやろうと思った。


 午後のテストを終え、次の日のテスト勉強に向けて、早めに帰宅した。

 帰ると、貴正の妹が先に帰宅していた。

「おにぃ。おかえり。今日早いね。」

 貴正の妹の名前は二葉葵。

 今年で、十五歳になる貴正の妹である。容姿端麗、成績優秀という高スペックの持ち主なのだが、アニメ好き、ゲーム好きのオタクという一面を持っている。


「ただいま。今テスト中で、早く学校が終わったんだ。」

 貴正は、普段は部活で遅くに帰宅するため、あまり妹と家で話すことは少ない。

「そいうや、今テスト期間だったんだね。なぁ、おにぃ久々にゲームしようぜ。」

「ちゃんと聞いてたか? 今テスト期間中なんだぞ。」

「いいじゃん、ちょっとくらい。息抜きも重要だと思うよ。」

「仕方ないな……分かったよ。」

 渋々、貴正は、承諾し、妹とゲームをすることにした。

「何のゲームする?」

「マリオカートやろう。」


 そう言われ、貴正は、自分の部屋に置いてあるマリオカートをプレイすることにした。『マリオカート8』をwii uにセットした。

「おにぃとゲームすると、本当久々だな。」

「そうだな。」


 ゲーム画面が映り、コースを選択した。コースは、王道のレインボーロードを選択した。操作するキャラクターは、貴正はマリオを選択し、葵はルイージを選択した。

 まさに兄弟(貴正と葵は兄妹であるのだが)にぴったりの選択肢である。


 ロードが終わると、コースの画面へと移動した。

 三、二、一、ゴー! 貴正と葵は、スタートダッシュを成功させた。

 スタート早々、葵と貴正がトップを占領している。

 貴正は、アイテムの赤コウラをゲットして葵のカートに投げつけた。

「おい! ずるいぞ! 貴正!」

 全く反則でもなんでもないのだが、葵はブー垂れた。

「はっはっは! 勝負の世界は厳しいのだ。」

負けじと、葵もアイテムを手にし、トゲゾーコウラを貴正のコートに投げつけ、追い越した。

「おい! ずるいぞ! お前人間じゃねぇ!」 

「うるさい! おにぃの方こそ人間じゃねぇ!」

 程度の低い口論をしつつ、葵と貴正は、デッドヒートを繰り広げた。

 貴正はアイテムを使いこなせるのに長けているのに大して、葵の方は、プレイングが神がかっていた。ドリフト技術など、運転操作は貴正より葵の方が一枚上手である。

 レースも終盤に差し迫ったところで、貴正は、起死回生の一撃を狙った。

 二つのアイテムをゲットした。逆転のチャンスである。

「よっしゃー! このままゴールしてやる!」

 葵は、意気揚々とゴールを目指していた。このまま一位を取れるだろうと慢心していた。

(油断している……今だ!)

 貴正は、葵のコースを予測し、緑コウラを投げつけ見事に命中させた。

「ダニィ!?」

 驚いたすきに、アイテムのキノコを使って、マシンを加速させて、葵を追い越した。

「やった!」

 葵も逆転を狙って、アイテムをゲットした。

「こい! 雷でも! キラーでもいいから逆転できる奴!」

「無駄無駄無駄無駄無駄! そんな都合の良いアイテムなんて出ないよ!」

 貴正は、葵のことを煽ったがとんでもないアイテムを葵は引き当てた。

「やった! スターだ!」

「オイ、スター!」

 葵は、貴正のカートに体当たりをした。無敵状態になるとカートのスピードも少し上昇するのである。

 そのまま、葵はゴールした。

 一位は葵で、貴正は三位になった。

 スターで転倒した時、コンピュータのカートに追い越された。そのため、三位まで貴正は転落した。


「クソ! スーパースターがなかったら、勝てたのに……」

「言い訳乙。」

「ぐ……」

 貴正は、妹にバカにされてとても悔しかったが、気にせずに勉強に戻ろうと考えた。

「それじゃ、勉強するからまたな。」

「ええ! もう? もう少しゲームしようよ。」

 葵は、貴正に対して悲しそうな顔をした。貴正は、もう少し遊んでやりたい気持ちがあったのだがそうも行かなかった。

「悪いな。俺、テスト結構やばいから勉強しないといけないんだ。テスト終わったら、またやろうな。」

「うん、おにぃ。約束だぞ。」

 貴正は部屋に戻り、猛勉強した。絶対に良い成績を取ってやろうと息込み勉強に励んだ。


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