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13話

「な、なんだ彩香か驚いた。」

「え、あ、う……」


 彩香が助けてくれといわんばかりに、貴正の方を向いていた。一方で、五十嵐は三次元の美少女を目の前にしてしどろもどろになっていた。


「テスト勉強がやばいんだ! もし赤点を取ったら、親父がお小遣いを減らすってさ。」


 彩香は猫又のことを親父と呼んでいた。これは猫又が磨衣子、美賀子、彩香を自分が父親という設定で学校に通わせているためである。それゆえに、猫又は三人に学校には、親父と四人暮らしという設定になっているため、クラスメートに話を合わせておけと伝えてるのである。


 磨衣子と美賀子が猫又を学校でお父さんと呼んでいるのに対し、彩香は親父と呼んでいる。三人のなかで群を抜いて、彩香の成績が悪いため、もし赤点を取ったら猫又がお小遣いを減らしてやると発破をかけてきたのであった。

 登校初日こそ、三人に千円ずつ(猫又のポケットマネーである)渡した猫又であったが、それ以降は、一月五千円を三人におこづかいとして与えることにした。補足しておくと、朝ごはんと夜ご飯はちゃんと三人にキャットフードを猫又は与えている。


「なるほどな。でも、別に俺じゃなくても磨衣子や美賀子に勉強教えてくれるよう頼んでらいいじゃないか。」

 貴正は、圧倒的正論を彩香に言ってみた。

「もう頼んだよ。」

「なら、大丈夫じゃないのか。」

「いや、あいつら『理解力が無さすぎる。』だの、『赤ペン先生でも匙を投げるレベルだの。』だの『運動神経に努力値を全振りしたせいで、学力がやばい。』だのひどいことばっかり言ってくるんだ。」

 美賀子か磨衣子も努力値とか分かるんだなぁと変なところに貴正は感心した。


「まじか。それじゃ、俺もうまく教える自信ないなぁ。ちなみに何の科目教えて欲しいんだ?」


「ほぼ全てを。」

「さすがに無理だ!」


 全科目を彩香に教えるなんて、さすがに自分の勉強もあるためそこまで構ってやれる時間などないと貴正は思った。

「あの……よかったら、僕が教えようか?」

 それまでずっと黙っていた五十嵐が口を開いた。

「ほ、本当か? 私言っておくけど本当に理解力ないぞ? いいのか。」

 嬉しそうな顔をして、彩香は五十嵐に確認した。

「う。うん。彩香さんがよければだけど。」

「勿論だ! よろしく頼む。えーと……」

「五十嵐修っていいます。よろしくお願いします。」

 なぜか五十嵐は彩香に対して敬語で話した。

「それじゃ、明日から教えてくれ。」

 明日野郎は馬鹿野郎だぞと貴正は思ったが、もう夜七時前だし仕方ないかと思った。

「分かったよ。それじゃ、明日五限目が終わったらうちのクラスに来てもらっていい?」

「おう! 分かった。」

「五十嵐、俺も明日世界史教えてもらっていいか?」

「うん、いいよ。」

 全く五十嵐は頼りになるやつであると貴正は思った。

 五十嵐はあのファッ○ンクソ教師にいびられたように、数学だけはあんまり得意ではないみたいだが、基本的に成績はいいほうである。

 ドラゴンボールでたとえると、孫悟空くらい頼りになった。見た目はヤジロベーのようであるが。


 貴正は自宅に帰ると、疲労を感じながらも気合を入れて、生物や数学など、まだ学習が不十分な科目の勉強を深夜までした。


 彼の高校の学校理念は文武両道である。別に貴正はそんなこと全く意識しているわけではないのだが、今のところは部活も勉強も両立させていた。

 次の日、睡眠時間六時間ほど取ったあと、いつも通り登校した。

「おはよう。貴正くん。」

「おはよう。」

 隣の席の美香子が挨拶をしてきた。勉強の疲れで眠そうな貴正とは対照的に美香子はいつもと変わらず、肌の血色がよかった。

「もうすぐテストだけど、美香子はテスト勉強順調か?」


貴正は、美香子にテスト勉強の進捗状況を訊いてみた。彩香よりかは頭が良いのは確かであるが。彼女の成績はどれくらいなのか貴正は分からなかった。


「まぁまぁかな。分からないところは磨衣子に教えてもらってるよ。」

「そうか。三人の中では、磨衣子が一番頭がいいのか?」

「多分そうかな。」


 意外だなと正直なところ貴正は思った。美香子は授業を見ていてもスラスラと問題を解いているし、かなりの学力を持っていると感じていた。あの天然そうな磨衣子がそこまで頭がいいとは人は見かけによらないと感じた。まさかあのおっぱいに学力が蓄積されているのだろうかと貴正は考えた。


「彩香から聞いたんだけど、あいつ赤点取ったらお小遣い減らされるんだって?」

「うん、私も磨衣子もできるだけ分かりやすく説明しようとしたんだけど、やっぱり理解できないみたいで……」

 どうやら二人とも手を尽くしたようだが、ダメみたいなようだ。


「そうか、まぁ今日から五十嵐があいつに勉強教えてくれるから大丈夫だと思うぞ。あいつ、結構教えるのうまいからな。俺も昨日、五十嵐から勉強教わったんだ。」


 現に、全く世界史ちんぷんかんぷんだった貴正も一日で大分理解が進んだのだ。

「そうなんだ。五十嵐くんとあんまり話したことないけど彼、そんなに頭がいいのね。」

「ああ。数学以外は、結構成績いいからあいつ彩香の勉強任せても大丈夫だと思うぞ。」

「うん、分かった! お互いテスト勉強がんばろうね。」


 貴正は授業中に、教師の話など全く聞かず、内職をすることでテスト勉強を進めた。

 内職とは、授業中に授業とは全く関係ない勉強をすることである。例えば国語の時間に数学の勉強をするみたいなことである。

 できるだけ学生の人は、授業の話を聞くようにしましょう。

 放課後になり、貴正は今日も五十嵐から世界史を教わることにした。




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