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1話

 『ニャーン』という鳴き声で。三匹の猫達が今日もとある家にやってきた。

 玄関で、童顔の青年が、猫たちにキャットフードを与えている。


 彼の名前は二葉貴正、猫をこよなく愛している私立桃草津高等学校に通う二年生である。一応、説明しておくと、この猫達は、彼の飼い猫ではない。


 近所に住んでいる野良猫で、よくこの辺りうろついている。ある時、家の玄関の前で、貴正はこの猫達を見かけたので、家にあったミルクを与えたところ、ちょくちょく家にやってくるようになったので、こうして餌を与えている。


 彼の家はペットを飼うのを許してはくれない。なので、こうして隠れてこの猫達に餌を与えている。餌代は彼のポケットマネーからだが、俺は猫が大好きなので、餌代なんてちっとも惜しくはなかった。

 ご飯を猫達が食べ終えた後、貴正に猫達が擦り寄ってきた。貴正はこの可愛い猫達を撫でてやった。

 この猫達は不定期に朝の五時にやってくる。三匹とも、白と茶色の混ざった毛色をしてった色の雑種の猫である。

(へへへ、しかし、猫は本当に可愛いなぁ……)


 自分の手足に体を擦りつけてくる猫を眺めながら貴正は、そう思った。


 貴正は、自分のスマホの待ち受けを猫の画像にしている。彼は、モ○スターハンターを、猫型のマスコットキャラが出るという『だけ』で購入した。

 去年、発売された世界で二番目に有名なネズミがマスコットのゲームの最初の御三家ポ○モンは、猫のモチーフにしたのを真っ先にパートナーに選んだ。

 また、貴正は、某念能力を操り戦う、腰痛が原因と噂の休みがちの作者の漫画に登場する、猫型のキャラクターを一番漫画のなかで気に入っていたが、主人公がそのキャラクターを殺害したとき、その単行本を床に思いっきり叩きつけた。それくらい、貴正は猫を溺愛していたのである。


 猫を撫でたり、猫じゃらしで猫達と戯れた後、貴正は、学校へと向かった。貴正は、バスケットボール部に所属しており、朝早くから朝練がある。

「おはよう、采香。」

「おはよう、貴正くん。今日も早いね。」


 貴正は、体育館に到着し、真っ先に来ていたマネージャーの大谷木佐江に挨拶をした。佐江は、小柄な体型で、八重歯とぱっちりした目が特徴の可愛らしい感じの女性である。実は、何人かの部員が彼女に告白したのだが、全て断っていた。噂によると、他に好きな人がいるらしい。


 部活の朝練では、貴正は他の部員よりも早く来ているのだが、佐江は毎日、貴正より早く来ていた。


 早速、貴正は、朝練習であるシュート練習を始めた。朝練習は、チーム練習ではなく、自主練習という体制をとっており、朝練習も、学校から遠いところから通っているものもいるため、強制ではない。

 しかし、貴正は、朝練習をほぼ毎日欠かさずに行っている。バスケットボール部は、六月に三年生にとって、最後の大会を控えており、二年生の中で唯一試合に出ていた。彼の身長は百七十センチメートルくらいであり、あまり背が高いというわけではない。それゆえ、遠くからのシュートをたくさん決まるように試合で努めていた。


 ロングシュートがうまいやつといえば、某バスケ漫画のメガネをかけたあれだったり、某バヌケ漫画の緑の髪の少年を思い浮かべる人も多いかもしれないが、あいにく貴正は、裸眼である。

 だが、それでもより遠くからシュートを決められるようになりたいと思っていた。

 貴正は、先輩たちの足を引っ張ることなどできないと思い、気合を入れていた。

「貴正くん、パス出ししようか?」

「ああ、助かるよ。」 

 貴正は、佐江からパスを受け取り、スリーポイントラインから、シュートを放つ。高いアーチを描き、ボールがリングへと吸い込まれていく。

「ナイッシュ!」

 佐江は、そういい、リングに吸い込まれたボールを拾って、また貴正にパスを出した。今度は九十度の角度からシュートを放った。またも、ボールは綺麗なアーチを描きリングに吸い込まれていった。

「ナイッシュ! さすがだな、貴正。」


 体育館に人が入ってきた。この人は、キャプテンの三澤拓郎である。


「三澤先輩、おはようございます。」

「おはよう、貴正。今日も気合が入ってるな。」


 キャプテンは、チームの中で一番背が高く、チームの精神的支柱である。ポジションはセンターで、力強いプレーを得意としている。

「貴正、お前はうちのチームのエースだから、俺たちの最後の大会でもよろしく頼むぞ。」

「そんな、エースだなんて。でも俺、頑張ります!」

 貴正は意気揚々とキャプテンに宣言した。もっと先輩たちと長くバスケをしたいと心から思っていた。

「キャプテンも最後の大会頑張って下さい!」

 佐江が、拓郎に激励の言葉を送った。

「あ、ああ。」

 気恥ずかしそうに、ぶっきらぼうに拓郎が返答した。


次の日。いつものように朝練習を終えると、貴正は教室へと向かった。まだ、ホームルームが始まる前で、少し時間があるのだが、なんだが、クラスの様子が騒がしい。


「聞いたかよ? うちのクラスに転校生がやってくるらしいぜ。」

「ああ、しかもめっちゃ可愛いらしいぜ。」

「三姉妹らしいな。」

「三人とも超可愛いって聞いたぞ。楽しみだな。」


 クラスの男子達がワクワクした様子で話しをしている。貴正はヤレヤレだぜ、という気分になった。

 所詮、美人の転校生がやってきたところで、大して絡むこともなく、スクールカーストの上位に位置するイケメン高校生と付き合うのが関の山であると思った。

 貴正は、バスケ部のエース的存在ではあるものの、容姿に関しては、童顏で可愛いと一部の女子からはやや人気であるものの、そこまでもてはやされるということはなく、スクールカーストの順位は中の上という位置づけであった。


 そもそも、貴正は、あまり同学年の女性に興味はなかった。彼が心にキュンとくるものは猫をモチーフにした美少女である。猫科をモチーフにした美少女のキャラクターも気に入っている。『すごーい!』が口癖のキャラクターも貴正は大好きであった。ぜひとも、かばんを背負い、ドッタンバッタン大騒ぎしてやりたいと、そのアニメを見ていて思った。

「はーい! みんな静かに。今日は、転校生が来たので、紹介したいと思います。」

 クラスの先生が教室に入ってきた。果たしてどんな転校生なのだろうか。なんだかんだいいつつ、期待を膨らませながら、転校生が教室に入ってくるのを待ちわびた。

「失礼します。」

 そういい、転校生が教室へと入ってきた。

教室がざわ…ざわ…し始めた。男子が緊張で縮こまった。女子は、転校生の容姿

端麗さに目を奪われた。サラサラとしたストレートの銀髪、ハーフのような整った顔立ち、紛れもなく美少女と言われる容貌であった。

「初めまして。関水美賀子といいます。皆さんよろしくお願いします。」

 教室が騒がしくなった。『美少女がやってきた!』、『超かわいー!』という声がちらほら聞こえてくる。すると、担任の先生がパァンと手を叩き、話した。

「はい、みんな静かに! 美香子さんは、どこから引っ越して来たんだっけ?」

「ええと、ロシアからです。母は、ロシア人で、父親は日本人です。」


 ハーフっぽいと思ったが、どうやら本当にハーフのようだ。あんまり同年代の雰囲気ではなく大人びた印象を受けた。貴正も、美香子に目を奪われていた。美少女というのもそうであるが、よく見ると、彼女は、アーモンド形のぱっちりした釣り目。いわゆる『猫目』であった。どこか猫を彷彿させるような容姿をしていたのであった。その可愛らしく美しい容姿に貴正は、ドギドギした。


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