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下心ありの婚活と、正直すぎる婚活

 最終投票は、迷ったが――、ミニラブレターを初めて貰った、ということもあって瓶造さんに入れることにした。そして、成立。

 かつてノノヰとカップリング成立した時ほどの劇的な高揚感には襲われなかった。こんなものか……、という冷静な心と、成立してしまったことへの焦りの入り混じる、何とも微妙な心持ち。

 しかも、フリータイムよりも妙によそよそしくなっていた瓶造さんとは、連絡先を交換しただけでその先お茶に行く話や次の約束はせずに別れた。これっきりかもしれない。でも、進まなくてちょうど良かった。ノノヰを引きずったままなことが申し訳ないし。ノノヰの存在を小さくしていくため、もしかしたら当てつけのためのカップリング。自分の勝手でそんな下心を持って利用するだけなのだから。

 無い、と思っていたのだが、二週間後に瓶造さんから誘いがあり、出かけることにした。お互いの婚活状況なども言い合って、私はノノヰに振られたことを笑い話として出した。瓶造さんの方はというと、実は異世界での結婚相談所の活動がメインであるという。

 一般的に、婚活パーティーよりも結婚相談所の方が本気度が高いらしい、と私は知っていた。――で、あるから瓶造さんも結婚相談所の方でうまく行くのならそちらの方が良いのだろう。結婚へのモチベーションの低い私を相手にするよりは。うん。

 更に瓶造さんは、

「本当は良くないと思うんですけど、相談所で勧められて……」

と、相談所経由で交際している異世界人女性が現在進行形でいることまで告白してきた。――正直なゾンビだな!

 婚活で知り合った相手複数と同時期に交際を進めていくことを、婚活用語で「並行(平行)交際」という。――これは人によって嫌がる女性もいるので、正直にバラす人はそうそういないと思っていたのだけど。とにかくその情報を聞いて私は、ノノヰを未だ思いながら瓶造さんと会う罪悪感が、少し薄まった。

 さすがに、名前をその異世界人女性と間違われて囁かれた時は呆れて突っ込まざるを得なかったが――。

 まあ、そっちの本命女性とうまく行けばいいんだ、瓶造さんは。


 そして私は、ノノヰをどうにかこうにかしてネタにしてやることを決意した。付き合っている頃から、別れたら別れたでネタに出来る、と思っていたし、今はRUITO氏や瓶造さんという、新しい異世界人と知り合うことも出来てある程度の余裕は返ってきた。というか、ネタにしなければやっていけない!

 それが「私だって”普通”の婚活エッセイを幸せいっぱいに投稿したかった!(泣)」としてまとまるのはしばらく後の出来事――。

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