表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/33

体の部位考察シリーズ ~背中~

これは私の勝手な持論だが、人の体で唯一自分自身で意思を持って触れられない場所、

私はそれが「背中」だと思う。


この場合、この「意思を持って」というところがポイントである。

体の柔らかい人、はたまた関節をはずせる特技を持ち合わせている人などは、

簡単に自分の背中に手が届くだろう。

そうでなくても、よいしょっと後ろに手をまわせば、誰だって「触れる」という行為は可能かもしれない。

でも、「意思を持って」という事は、文字通りそこには何らかの「思い」がなくてはならない。 

例えば、冬の寒い日にかじかむ両手を擦り合わせたり、痛む腰や足をさすったりするとき、

そこには、温めたいとか痛みを軽くしたいという「思い」が存在する。


では、人が背中に触れる時、そこにどんな「思い」が存在するのだろう。

自分の背中だったら、「痒い時に痒みをとりたい」くらいしか思いつかないが、他人の背中だったら?


「支えたい」、「守りたい」、「元気づけたい」、「慰めたい」、


「愛しい」


こんな思いを想像するのは私だけだろうか。

つまり、「背中」とは他人に触れられるべき部位であると同時に、

触れることで相手に自分の思いを伝える事が出来る部位だと思うのだ。


かく言う私は、脇腹から背中にかけてが唯一の弱点であり、

何かの拍子に物が触れただけでも、ぞくっとして身をよじってしまう。

という訳で自分自身は背中で人様の「思い」を受け取った事はないのだが、

隙あらば、こちらから「思い」を届けたいといつも狙っている。


そして、いつかこの弱点を克服できる日が訪れたら、

いや、克服させてくれる人が現れたら、全力でその「思い」を受け取りたいと思うのだ。


ただ、このままだと克服させてくれる人の最有力候補は介護福祉士さんだ。

「さ、香月さん、こっちですよ~」



ま、それもありかな・・・。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ