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きんもくせいの季節に思うこと

私は植物にめっぽう疎い。

花を見ればもちろん綺麗だなとは思うけれども、植物の名前を知らないのだ。

そんな私だが、9月の終わり頃から10月にかけて、ある植物の香りにハッとする。

それは、金木犀だ。


植物というと、まず花をみつけて綺麗だなぁと近づいて、そこで初めてその香りに気づくというのが一般的だと思うが、金木犀の場合は違う。

まずあの圧倒的に特徴的な香りに気づく。

そして、(え、金木犀どこどこ?)となるのだ。

これは他の植物にはない特徴だと思う。


例えば桜なら、ただの茶色い木の枝にあのピンク色の花がチラホラ咲き始めると、(あ、これ桜の木だったんだ)となる。

これは植物に疎い私だけかもしれないが・・・。


でも金木犀の場合には、見渡せる範囲にその木がなくても、香りによってこの近くに金木犀の木があるんだなとわかるのだ。

何しろ花自体地味なオレンジ色で、木の枝とほぼ同化していてあまり目立たない。

変な話、この忙しい世の中、私のように下ばかり見て過ごしていたら気づかれない、そんな存在かもしれない。

でもあの香りのおかげで、つい顔を上げてその存在を探してしまう。

その特徴的な香りと、香りが遠くまで届く理由はその成分によるようだが、一つ一つの成分は他の植物にも含まれているもので、金木犀特有の成分という訳ではないようだから不思議だ。


どんな植物でもその香りを嗅ぐ事によって、落ち着いたりリラックスした気持ちになる事はよくあると思うが、金木犀の場合には、『リナロール』という成分が含まれていることにより、そのリラックス効果が痛みを和らげる作用に働きかける可能性もあるそうだ。

それに、それにである!

金木犀の香りには、食欲を促進するオルキシンというホルモンのレベルを低下させる働きもあるので、ダイエット効果も期待できるそうだ。

もっとも金木犀の咲く時期は、『食欲の秋』真っ盛り。

いってこいかもしれないが。


もちろん、植物は人間の為に咲いたり香ったりする訳ではない。

自分の種を絶やさないために、害虫の嫌がる匂いを放ったり、逆に種を増やす交配に必要な虫を呼び寄せるために香ったりするのだろう。

ましてや、中年女のダイエットの役に立とうなどとは1ミリも考えていないはずだ。

でも、それで人間も癒されるのであれば願ったり叶ったりだろう。


金木犀というと、昔はトイレの芳香剤くらいしか思いつかなかったが、今は金木犀の香りを模した香水も各種あるらしいから、一度試してみたい。


余談だが、金木犀の花言葉は、「謙虚」、「気高い人」、「真実」などだそうだ。

もし、金木犀の香りの香水を身につけるなら、それ相応の覚悟が要りそうだ。



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