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伸びしろ

最近ハッとさせられる事があった。


認知症の母は、私が出勤していて留守の時は一人でいる事が多い。

そんな時、する事がなく手持ち無沙汰になると、決まってする事がある。

ティッシュペーパーを半分の幅に追って、端からクルクル巻いて巻き終わりに唾液を少しつけて留めるのだ。作業工程は、つい最近偶然見掛けて知ったのだが、少し前からベッドの周りに、そんな筒状の物が沢山ため込んであった。

片づけると知らないうちに追加されて、「ティッシュがないから持ってきてよ」と言われるので、最近は放置しているしかなかった。

そんな時、妹が手伝いに来てくれた時にそのことを話すと彼女がこう言ったのだ。


『暇を持て余してるんだね。でも口に入れたりしなくて良かったね』


確かに妹の言う通りだ。

もし、口に入れてしまって喉に詰まらせでもしたら、命に関わることになる。

それを考えたら、ティッシュペーパー代など安いものだ。

それなのに私は、そんな事を思いもしなかった。

ただただ、ティッシュペーパーを無駄にして勿体ないとしか思わなかったのだ。


妹はそんな時、「私は時々ちょっと来てやり取りするだけだからある程度気持ちの余裕があるんだよね」と言ってくれる。

確かに、毎日母と二人だけで過ごしている私と、時々しか会わない妹では感じ方や対応が違うのは確かだろう。

でも、本当にそれだけだろうか。

自分の生まれ持った性格に難があり、周りの人に対する思いやりの気持ちが欠けているのではないか。

それに、妹は結婚して3人の子供を育て上げた「母」である。子供を含め、家族が自分の思い通りにならない事は嫌というほど思い知らされてきた事だろう。

それにひきかえ、私はこれまで独身で、子供を産み育てることもなく、言ってみれば自分中心で生きてきた。一概には言えないが、「母」となった女性はやはり違うのかもしれない。


今後、私が「母」になることは無理にしても、人として少しでも成長することはできるだろうか。

残りの人生、その「伸びしろ」が少しでも多くあることを願って・・・。

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