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土地神ライフ  作者: KUMA
24/68

第23話 ヒノモト村観光案内

挿絵(By みてみん)


~ヒノモト村 神社~


ヒノモト村に戻って2日が経ちました。

陽光さんの話ではそろそろあの二人が来るはずなんですが……まだみたいですね。

ど~も、土地神のマコトです。

八頭さんとスサノさんの移住の件をクロとシロを説得するのは大変で……私が責任を持って様子を見ると言う事で何とかなりました。よほどスサノさんに対してトラウマがあるようですが、少しずつでも慣れていってほしいなぁ。


今回は彼女たちにこの村を案内する予定なんですよ。

……おや? 説明をしている間に彼女たちが到着したようです、普通に階段を上って来るのかと思っていましたが、上空から降りてきました。服装も神界の時とは違って町娘のような格好になっていますね。



「ヒノモト村の土地神、マコト様。しばらくの間お世話になりますね」

「ようこそヒノモト村へ、これから―――」


「お姉ちゃんだ、わぁ~いッ!! 」

「案ないをぅッ?! 」


スサノさんの突進を正面から直撃……彼女の頭がいい位置にめり込みました。

だ、大丈夫。ちょっと呼吸が苦しくなっただけだから、あの遊びと比べれば可愛いモノですよ。


「す、スサノさん、ダメですよ? 土地神様にいきなり体当たりをするのは」


「きょ、今日は、ゴホッゴホッ……! あ、案内をさせてもらいますね」

「お、お姉ちゃん大丈夫? もしかして痛かったの? 」

「コホッ……だ、大丈夫ですよ。じゃあ行きましょうか」


まずは此処の説明を簡単にしましょう。

今私たちのいる場所はこの村唯一の神社……そう言えば名前が決まっていませんでしたね。

とりあえず村の名前を取って【ヒノモト神社】と名付けましょう。主に管理を行っているのはこの私、マコトです。朝早い時間に此処に来て村の方角を見ると、天気が良ければ綺麗な日の出が見れますよ。

コレは私の日課にもなっています。


後はそうですね、お守りやお札……くじ引きのも最近始めました。

……とは言っても物の怪退治や村のお手伝いもあるので、出張販売の様な形になっているんですけどね。村内で声をかけて頂ければいつでもお売りしますよ。


「お姉ちゃん物の怪とも戦ってるの? すご~いっ! 」


「お守りですか……旅の方々にはありがたいかもしれませんね」

「はい、よく宿に泊まられた方が買われます。あとは霊気治療も行っていますので瘴気に侵された際はお任せください」


そうなんです、璃狐さんの件もあってパワーアップしたんですよ!

肉体的な怪我や薬の調合などは玄内さん、瘴気等の霊的なモノに関しては私が担当する事になっています。


さてここでの説明も終わりましたし、次は村の案内です。

鳥居をくぐって下に降りましょうか。


~宿~


「さてと……降りた先には私の神使2人が営んでいる宿があります。ちょっと呼んできますね」


太陽が昇って来る方向ですから、この宿は神社の東に位置する事になりますね。

道は北と南の2方向に広がり、北に行けば村の田畑に必要な水を供給しているスサノオ川やクロが畑怨霊と戦ったと言われる場所に着きます、武家屋敷の廃墟が多くあるらしいですよ。

……ちゃんと出てきてくれれば良いのですが、まぁ大丈夫でしょう。


しかし、中に2人の姿は見えません。2階や空き部屋、各自の部屋も確認しましたがどこにもいません。

仕事は式神さん達が行っているようです、筆談をしながらですがお客さんも当たり前のように接していますね。慣れ……なのかな?

あとは1階奥にある扉に張り紙がある位、【立入厳禁】と達筆で書かれています。トンテンカンと良いリズムの音が聞こえてくることから何か作っているようですね。


とりあえず一旦外に出て事情を説明しないと。


「すみません、紹介しようと思ったのですが今は席を外しているようです」

「シロとクロ……いないの? 」

「スサノさん、彼らに謝るのはまた次にしましょう? 案内をしてもらっている内に会えるかもしれませんし」

「うん、わかったぁ……」


少し耳を疑ったんですが、スサノさん……自分から謝ろうと思っていたみたいですね。

神界で怒った甲斐があったのかな? 2人もコレを聞いたらちゃんと会ってくれるかもしれません。

先ほどの奥の部屋で何か作業をしているのかもしれませんし、時間をおいてまた来ましょう。



             ※※※


~甘味処 あまてる~


宿を出て南に少し歩いていると2方向に伸びる分岐点があり、その角には1件の店があります。

そこの分岐点を東に行くと村人たちの住む掘立小屋が連なる場所と田畑が広がり、南の道は他の集落へと続く道との事です。


「村の見回りの途中、必ずと言っていいほど立ち寄る場所……甘いモノには勝てません。村唯一の甘味処、その名もあまてるです」

「おぉ……この甘い匂い、小豆を煮ているのですか? 」

「お姉ちゃん、アタシちょっと疲れちゃった……」

「おやおや……それならここで休憩していきましょうか。おばちゃ~ん! お団子とお汁粉3つずつお願いします! 」

『はいはい、少々お待ちくださいね。璃狐、枯狸、仕事だよ~! 』

『面倒k『は~いッ! 』』


何やら奥でスカーンッといい音が鳴りましたが、きっと気のせいでしょう。

スサノさんは神界と違って色々と身体に負荷がかかっているのかな?

ついでに色々聞いちゃいましょう、2人とも私への呼び方も変わっていますし。



お、来ました来ました。甘味と一緒に少し濃い目で熱いお茶が……コレが良いんですよ。

運んできた璃狐さんの耳が倒れていますが、きっと深く追求してはいけないのでしょう。そっとしておきましょう、遠くから見ている枯狸さんも苦笑いしてますし。


「さてと……先ほどから気になっていたんですが、神界に居た時と呼び方が変わっていませんか? 」

「お姉ちゃんの事を名前で呼んでたら天兄ぃに頭叩かれたの、『今までの分とアイツへの無礼はコレで勘弁してやる』って」


んん? 陽光さんが叩いた? おそらくあの件に係わった事だと思うのですが……名前で呼ばれるのは特に不快と感じていなかったんだけどなぁ。


「あ、あぁそれはですね……あの後スサノさんと一緒に陽光様からしっかりと教育して頂きまして、これから世話になるのならその土地の神には敬意を払えと」

「え、え~……別に大丈夫ですよ? 神界に居た時と同じように呼んでいただいても、私なんてまだまだ新米神様ですし」


「いえ、そこはしっかりさせて頂きます。スサノ様の教育係としても私が手本に―――」

「わ~……すっごい甘くて美味しいよ、このお団子! ねえねえッ、どうやって色を塗ってるの? 」


スサノさんはすっかりお団子に夢中の様ですね、枯狸さんに質問攻めです。

気に入ってくれて何より……八頭さんもその様子を見て微笑んでいます、何とかなるでしょう。


食べ終わったら掘立小屋の並ぶ場所に行って、2人を村の人達に紹介しないといけませんね。




            ※※※




会合などで使う広場にて二人を紹介していたらすっかり日が暮れてしまいました。

皆さん新しい住人を受け入れる事に抵抗は無いようです、ただ玄内さんは少し渋顔をされていましたがね。

しかし、まだ住む場所も決まっていないので私の住まいに泊める予定です。


……ん? 宿の前に誰かいますね。


「式神達の話ではそろそろ……あッ! 」


あぁ、仕事着姿のクロでしたか。今までどこ行ってたんでしょうか、聞き出してみますか。


「お昼頃に宿へ向かったんですが、何処に居たんですか? 八頭さんとスサノさんを紹介しようと―――」

「申し訳ありません、顔を出したかったのはやまやまだったのですがその二人に関係していましたので……とりあえず、お二人を連れて宿に来てもらえますか? 見て頂いた方が早いので」



クロは先に入ってしまいます。

そう言えば外にも聞こえていた金槌の音、鎮まっていますね。宿自体も若干大きくなっている気がしますが、彼の言う通り着いていきましょう。





中に入ると懐かしい匂いがしてきます。内装も綺麗になり、受付を通り進んでいくとその匂いは徐々に強くなっていく……これはお湯? いや温泉かな、番台もありその左右には赤と青の暖簾……【湯】と書かれているのがまた良いですね。


そしてその前には私の神使、シロとクロが立っています。


「よくぞ来られた主殿、顔を出せなくて申し訳なかった。クロから聞いているとは思うが、アチキ達はコレを造っていたのだ」

「うん、見れば分るよ。温泉だね、でもその源泉なんてあったかな? 」


シロは顔を横に振ると、懐から1つの石を取り出しました。

淡く水色の光を放つ綺麗な石……なんでしょうか、コレは?

考えていた事が顔に出ていたらしく、彼女は説明を始めてくれました。


「この石は【湯の霊石】、霊脈から霊力を受け取り湯を生み出すモノだ。此処に降りてから大分【徳】を稼いだからな、神界から取り寄せたんだ」

「村の方や旅人から意見の出ていた温泉もやっと完成させることが出来ました……もちろんマコト様もご利用いただけますよ」


なんと言う事でしょう……まさか温泉に入れる時が来るとは思いませんでした。

え、今までですか? 神様の力を使って綺麗にしたり、井戸水を手ぬぐいに染み込ませて拭いたりしていました。やっぱり温かいお湯に浸かってゆっくりしたいですよね……でもスサノさん達といったい何が関係あるのでしょうか


「そして……お二人にはこの宿に我々と共に住み込みで働いていただきたいと考えているんです」

「働かざる者食うべからず、スサノとて例外ではない。八頭殿と一緒に頑張ってもらえるか? 」


シロは補足するように、村に住むからには成人として扱う事を伝えてきます。

おそらく神界から通知があったのでしょう、でもね、尻尾が垂れて股の間に入っていますよ。

トラウマは簡単に治りませんからね……少しづつ頑張りましょう。


「神使からこのような提案が来ていますが、どうします? 」


問いかけに悩む八頭さんと、対照的に目を輝かせているスサノさん……八頭さんはやはり来たばかりなのに住み込みというのは抵抗があるのでしょうか?


「せっかk―――」

「アタシやってみたいッ! 」


八頭さんの言葉を遮るスサノさん。

シロの用意した書類へすぐに名前を書いてしまいました、あぁ……拇印も押してしまったようです。契約書類はちゃんと読まないと危ないですよ? まぁうん、シロ達が用意したものなら大丈夫かな。新しい仲間が増えた事を喜びますか。

これから私もスサノさんの事を見守っていきましょう。この地の神として……ね



早い……時間が過ぎるのが早すぎる!!((( ;゜Д゜)))


ど~もKUMAです。

最近また寒暖差にやられて体調を崩し気味……何なんでしょうかこの天気(´・д・`)


今回は八頭オロチ(短髪ver)と建速スサノがヒノモト村の一員となり、マコトが案内するお話でした。分かりにくかったかもしれませんが、おおよその店の位置や掘建小屋等々を書いたつもりです。もちろん、山を越えれば海もありますよ?


チョイとバタバタしていますが、今回はここまで。また次の機会にお会いしましょう……ではでは~

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