第21話 土地神怒る
はい、ど~もお久しぶりでございます。現在、虚像の神界に来ているマコトです。
陽光さんの妹、建速スサノさんの遊び相手をしております。
口調がおかしい? 気のせいですよ。大きな……そう、大きな蛇の人形が直撃しただけですので問題ありません。なにやら身体が痛く感じる……のも気のせいでしょう、うんうん。
???『……ぃ、……を……ッ! 』
ん~誰かが呼びかけていますね、いつの間にか寝ていたようです。
でも近くに誰かいたかな? 男の人……あぁ、陽光さんか。一緒にスサノさんと遊んでいたんだっけ。
陽光『……ませ! 起きろってんだよッ、この能天気土地神!! 』
酷い事を言う天照大神ですね、まだ夢の中なら文句の1つくらいは言っても良いですよね?
「だ、れ、が……誰が能天気なんですか?! ―――ってアイタタタ……なんで体が、夢じゃない? 」
陽光『ったくよぉ、あんな一撃喰らったのに無傷なわけねぇだろこの馬鹿っ! 』
「あ~! 馬鹿って言いましたね?! 怪我人相手ならもうちょっと―――イタタタ」
陽光『おうおう、吠える元気があるなら大丈夫だな。頭が混乱してるようだから説明してやる、有難く聞け』
むぅ、大人しく聞いてあげましょう。その前に現状確認を……どうやら私は瓦礫の山の中にいるようです。
崩れてきたモノが組み合って、運良くドーム状になってくれたんですね。隙間もあるみたいですし、空気の心配はあまりないかな。次に身体、所々傷はありますが手足はちゃんと繋がっています。痛みが引けば動けるようになるでしょう。
さてと、私の身に何があったのかというと……どうやら八岐大蛇の頭突きを直撃したようです。神器の鏡や勾玉、廃墟等を利用して防御・回避行動に専念してたらいつの間にか逃げ場が無くなって、ズドンと。
直前にスサノさんと何か話したような気もするのですが思い出せません。
陽光『まぁ後々思い出すだろ』
「もう一つ、私を包んでるこの光は何です? 日輪も消えちゃってますし」
陽光『力のほとんどを回復に回してるからだ、そろそろ終わる』
言葉と同時に温かい光は消えてしまいました。完全回復まではいきませんが痛みもだいぶ楽になった、これなら大丈夫でしょう。さてと大幣の杖は……手元にありますね、瓦礫をどうやって退かしましょうか?
陽光『んなもん天叢雲剣でスパスパっとやれば良いだろ』
「んしょ……っと、意外に立っても余裕ありますね。で、無造作に切って瓦礫崩れませんか? 」
陽光『切ると同時に飛び上がる、以上』
頭にたんこぶ出来たらどうするんですか。
まぁ言われたとおりにやってみましょう、剣に変化させて―――
「たぁっ! 」
振るうと同時に飛び立つ!
ピシッ……ドゴゴゴゴッ
う~ん予想通りですね、亀裂が入り一気に崩れてきました。
「あだ、あだだだだッ?! 」
陽光『痛くない! 』
「そんな無茶―――」
陽光『外に出る、そのまま前方を警戒しろ!!』
警戒しようにも岩が雪崩のように……いや、まぁ突き破ってるのは私ですけど。
数秒後、陽光さんの言うように視界が開けました、そして目の前には大口の開いた蛇の頭が……
陽光『鏡! 』
「ま、間に合いません! このまま―――」
ゴォッ!
スサノ「おおっ?! マコトちゃんすごーいッ!! 」
熱線は放たれ、私の身体は光に……呑まれていません。
駄目元だったのですが、手に持っていた剣を振り下ろすと熱線を切り裂く事が出来ました。
アニメでしか見た事ないですよ、こんな無茶苦茶な方法は。もちろん剣は真っ赤に赤熱してるので―――
「アツっ?! 熱い熱い!! 」
陽光『無茶しやがって、だが上出来だ。そのまま蛇を斬っちまいな! 』
今この天照とんでもない事言いましたよね? 八頭さんを斬れって、そんな事をしたら彼女が怪我を……最悪死んでしまいますよ。絶対にダメでしょう。
陽光『スサノの乗ってる所以外は大丈夫だ、アイツの髪が短くなるだけだからな』
「……そういう問題じゃないような気もするんですが」
陽光『呑気に話している暇はない、ホレ来たぞ。もう一発喰らいたいのか? 』
会話に集中していると、別の蛇の頭が突撃してきました。
むぅ、髪は女性の命とも言いますが今回ばかりは仕方がない。あとでしっかりと謝りましょう。まずは回避してから……首、いや胴体なのかな? その中頃で―――
「えいっ! 」
ズバッ!
おぉ、赤熱していても切れ味は抜群ですね。
しかし血は出ておらず代わりに光が溢れています。落とした頭も時間差で消えてしまいました。
八頭『あ゛あ゛あ゛あ゛~ッ?! き、斬りましたね?! 』
「ゴメンナサイゴメンナサイ! さすがに鬱陶し―――いや、攻撃が激しすぎたのでつい……」
八頭『酷い、酷いですヨ……マコトさん』
陽光『意識があるのに身体の自由を奪われるお前が悪い、俺らは悪くない! さぁスパスパ斬るぞ、マコト』
……本当にゴメンナサイ、陽光さんももう乗り気になってます。逆らうと後が怖いので、心を鬼にして斬らせていただきます。
※※※
さて、しばらくスサノさんと攻防を繰り広げていて一つ思い出したことがあります。それは……
「スサノさん、謝っていないんですよね? 」
陽光『……唐突にどうした、何を謝ってないって? それよりも集中しろ、またやられるぞ』
む……話を逸らそうとしてますね、でも思い出しましたよ。
彼女が言ったあの一言、「同じくらいの子はすぐに壊れちゃう」……と。
私が気を失う前の話した内容です。どうやらスサノさんは同じくらいの子供……神見習いって言ってたかな? その子に大怪我をさせてしまったらしいのです。事件後呆然としている間に他の神様たちに連れられ、次の日から他の子達と遊べなくなった。その後は八頭さんが毎日彼女の相手をしていたそうです。
「なんで他の子と遊べないの? 」、まぁ当然気になる事でしょう。スサノさんの質問に他の神様達は口を揃えてこう言ったそうです。「貴方は特別、他の子とは別の勉強が必要」……と。ごり押しにも程があると思います。陽光さんとミコトさんは他の案件で手が回らなかったらしいけど、誰もスサノさんを怒らなかったのかな、その後怪我をした子はどうなったの? 気になる点は沢山あります。
「……で、陽光さん。話を聞かせてもらいましょうか? 」
陽光『思い出したのか、断る……理由もねぇな。別の子を怪我させちまったのは憶えてるか? 』
「ええ、大丈夫です」
陽光『スサノはな、他の神見習いよりも遥かに力が強い。まだまだワンパクで加減が全く効かず、加減方法を教えてやらなきゃいけなかった。座学で道具使ったり、実際に遊び相手になったりしてな』
「……叱らなかったんですか、怪我させた事を」
陽光『知ったのは大分後だったんだが叱ったさ、でもその時には手遅れ……全く話を聞かない暴君が出来上がっていた。いくら俺やミコトが叱っても無駄無駄……んでもって交代であの遊び相手さ』
あの遊びって……もう戦闘ですよね。
1つやらなきゃいけない事があるんだけど……嫌だなぁ、昔私も爺ちゃんからやられた事があるんだけど他の子にやるのは気が引けます。言葉で何度も注意されても無駄ならば、うぅ……思い出すだけでも頭が痛くなる。アレをやらなきゃいけないのかぁ
「陽光さん、先に謝っておきますね。ゴメンナサイ」
陽光『あぁ? なんで謝るんだよ』
「まぁまぁ、今から天照の力を速度と防御に回してもらえますか? 攻撃には……ちょっとだけで良いので」
陽光『お、おう……分かった』
「マコトちゃん! よそ見は駄目だよ!! 」
ドドド……ッ
さてと、会話もそこそこに蛇の攻撃も激しくなってきましたね。残り3本……いや斬り落とせるのは2本ですね。半分以上失ってから突撃しかしてこない、その軌道も読みやすくなっています。正直これ以上斬り落とすのも辛いので一気に終わらせます。
突撃してきた蛇頭を避け、八尺瓊勾玉を展開。そういえばほとんど使っていない気もしますが、コレは捕縛用の神器の様です。展開すると朱色の勾玉が8つ出現し、私の意思で動かすことが可能となります。ファ〇ネル! ……と言いたいですがここは我慢。1つ1つの力は弱いですが、4つ束ねて1つの頭を押さえれば―――
シュババッ! ビタッ!
「またそれ? 何度やっても……あれ、重いッ?! 何で何で?! 」
2つともしっかりと抑える事も可能ですね。さぁ行きますかね。
「スサノさん……ごめんなさいね」
「わっ?! 」
最後の一手の前にフェイント。目の前に来て一言ポツリ、スサノさんも手に持っている剣で攻撃をしてきました。コレはすぐに回避しましょう。さすがに斬られるのは痛いので。
スサノ「マコトちゃんが消えたッ?! 」
私の居る所はスサノさんの丁度真後ろ。右手で拳を作って振りかぶっています、もう分かりますね?
大体の人は一度経験されているでしょう。今の子はあまり無いかな?
そう、ゲンコツです。天照の力で光っていますが、彼が威力を調整してくれるでしょう。
「スゥ―――」
「ど、何処?! 」
「コラァァァァァァァッ!! 」
ゴツンッ
陽光『なっ……』
「ッ~?!?!?!??!!」
「アイタタタ……手が痛いや」
結果は痛み分けでした、スサノさん結構頭固い。
必殺爺ちゃん直伝のゲンコツを使ってみましたが、此処からが本番ですかね。
力だけじゃなくて言葉で何とかしないといけません。……苦手分野ですよ。
八月……八月になりましたね。
暑い日が続き、体調が下降し続けているKUMAです。
夏バテってやつなのでしょうか? 気怠かったり、お腹痛かったり……色々と大変ですね。
さてさて今回のお話は前回の続きで、少し短めのお話でしたが内容を簡潔にまとめるとですね……マコトが怒りました。うん、怒ってるんです。頭にゲンコツは痛いよ、する側もされる側もね。
悪い事をしたらちゃんと謝る、それをどのようにスサノに教えるのか……ふぅ、どうしようかな(;´・ω・)
小さい子に対しての説明というかなんと言うか、難しいですね。
さて今回はここまで、続きはまた次の機会にでも……ではでは~




