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64.視線を感じる…………

はい、続きです!

最初は現実の話になりますー。

 



「はぁ~~~~~~~~~~」




 現実に戻った圭吾はベッドに寝転がりながら、深い溜息を吐いていた。


「はぁっ~~、借金がキツイ……」


 借金は現実のではなく、ゲームでのマネーのことだ。アルテミスからは払える時でいいから、無理はしないでねと言ってくれるが、自分は出来れば早めに返しておきたい。優しさに甘えていたら、ズルズルと長引きそうな気がするからだ。


(もう、借金がある時は賭決闘をしねぇぞ……)


 地道にコツコツと払おうと心に決め、ベッドから起き上がる。この後はイラストレータとして働いている圭吾の担当と打ち合わせがあるのだ。色々な仕事が来ており、数が多すぎる場合は直接に話し合って、どの仕事を選ぶのか打ち合わせをする。


(あ~、遅刻すると煩いから少し早いけど出るか……)











 準備を終わらせ、待ち合わせ場所に余裕を持って向かっていく。電車も使わずに20分程で着くから、慌てずにどう話を進めていくのがいいか考えながら歩いていく。


 しばらく住宅街の道を歩いていると、1人で座りながら自転車をウンウンと弄っている女子高生がいた。


(盗み……? いや、道の真ん中に自転車が置いてあるのもおかしいな。あの女子高生のモノで間違いないそうだが、何をしているんだ?)


 自転車が置いてある場所は道路の真ん中で危なそうだが、十字路はここから離れているので、突破的な事故にはならないだろう。一本の道だから、車が通ってもすぐ止まってくれるが…………


「やれやれ、このまま放って置くのも危ないな」


 真ん中から端に寄せた方がいいと言うぐらいはして置こうと思い、圭吾は座っている女子高生に近付く。


「おい? ここに座っていたら、危ないぞ。端に寄せるぐらいはしたらどうだ?」

「えっ?」


 女子高生は近付いていたこっちに気付いてなかったのか、惚けたような声が出ていた。垂れ目が印象的な女子高生だなと思いつつ、ちゃんと聞こえるようにもう一回注意してやる。


「えっ? じゃなくて、ここに自転車を置いて座っていたら危ないと言っているんだよ」

「あ、すいません」


 夏になる頃なのに、女子高生はだぶだぶなセーターを着ていた。しかし、女子高生は暑そうな気配はなく、汗もかいてなかった。女子高生は言われた通りに自転車を端に寄せようとしていたが、持ち上げようとしても少ししか動かせていなかった。


「なんか、暑そうな格好をしているな……。持ち上げずに、自転車を引いてやればいいんじゃないか」

「でも、チェーンが……」


 そう言って、困った表情で自転車の中心にある部分へ指を指していた。そこに目を向けてみれば、チェーンが外れているのが見えた。


「あー、外れているな」

「はい、外れてるんです」

「わかったよ。俺が持ち上げてやるよ」


 女子高生は持ち上げるには力が足りないので、代わりに圭吾が持ち上げて端に寄せてやった。


「ありがとうございます」

「うーん、切れてなくて、外れただけなら直してやれるけど?」

「あ、いいんですか? チカもやってみたけど、難しいです」


 圭吾は前に自転車屋でバイトをしたこともあり、これぐらいなら直してやれる。時間もまだ大丈夫そうだから、困っている女子高生を放って置くのもなんだかと思いつつ、直してやることに決めた。


(って、この子はチカと言うのか)


 私の代わりに自分の名前を言う人が現実にいたんだなと思う圭吾であった。









「っし、これで動くはずだ」

「あ、ありがとうございます」


 思ったより時間が掛かったけど、ちゃんと直すことが出来た。

 女子高生はだぶだぶなセーターが大きく揺らし、喜びを表しているように見えて、圭吾は微笑ましいなと思った。


「しかし、今日は暑いな……、君は暑くないのか?」

「君じゃなくて、チカと呼んでくれますか~? それから、チカは冷え性なんで、これぐらいが丁度いいんです~」

「これで……?」


 余程の冷え性があったんだなと無理矢理納得しつつ、腕時計を見ると…………




「ヤベッ、あと少しじゃないか」

「どうしました~? その後にお礼をしたいのですが……」

「ごめん。これから、約束があるので!!」

「あ、名前だけは教えて!!」


 早く約束の場所に向かおうと、走り出すと後ろからチカの言葉が聞こえたので、簡潔に「圭吾だよー!」とだけ答えるのだった。

 この場に残った、女子高生のチカは自転車をチラッと見て…………






「ーーーー圭吾様。占い通りの運命の方…………、ようやく会えた……」





 そう呟き、垂れ目から熱い視線で圭吾が去っていった方向を見つめるのだった。























「なんか、視線を感じる……」


 ゲームにログインして、街に繰り出していたケイは視線を感じていた。肩に乗っているフォックも視線を感じており、ちょろちょろとしていた。

 しかし、周りを警戒してもこっちを熱心に見ているような人はいなかった。


(気のせいなのかな……? む、メールか)


 メールが着信したことに気付き、確認してみるとーーーー




「は? 送信元がサクラ?」




 なんで、メールを送れるんだ? と一瞬だけ思ったが、来たのがターゲットメールだとわかり、納得した。

 ターゲットメールとは、近くに視認できる相手へメール出来る仕様である。普段はオフにするのが普通だが、ケイは設定するのを忘れていたため、近くにいたサクラがケイへメールを送れたわけだ。


「しかし、サクラって。あのサクラだよな?」


 ケイやシキと同じ、中ボスを単独で倒したプレイヤー。それがサクラである。しかし、面識もないのにいきなりメールをしてくるとは思ってなかった。

 とにかく、内容を見て判断すればいいかと思い、メールを開く…………



 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 送信元:サクラ

 添付:60000ゼニ

 本文:お金に困っていると聞きました。良ければ、使ってください❤︎


 ケイ様の愛する奴隷より❤︎


 ーーーーーーーーーーーーーーーー










「ーーーーどういうことぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」


 ツッコミ所が多く無茶苦茶なメールにケイは叫ぶしか出来ないのだった…………








意味がわからないメールが来て、ケイはどうなるのか……?

続きをお楽しみに!

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