50.ヤケ酒?
ちょいと短いですが、続きをどうぞ!
あと、『竜魂の適合者〜竜王と盟約を交わす少年〜』も投稿しています。良かったら読みに来て下さいね!
ここは居酒屋みたいな屋台。目の前にはおでんが置いてあり、香ばしい匂いが辺りを包む。
そこには、スコルにやられたばかりのケイ、サヨと……リンダがいた。
本当ならガー坊も呼ぼうとしたが、ログアウト中だった。
チッ、使えねぇ
と呟きたくなるケイだった。喉をゴクゴクと潤していき、ジョッキを机に叩きつけた。
「ビールもう一杯!!」
「何回目ですか、お客様。ここは酒を扱っておりませんよ。炭酸水で宜しいですか?」
「あぁ、苦いのが欲しい気分だよ……」
ケイが飲んでいるのは、ただの炭酸水である。今はまだビールなど発酵した飲み物はない。
だから、仕方がなく苦みがある炭酸水で我慢していた。何故、そうなったのかは数十分前に負けたスコルのことにある。
「なんだよ、あの強さ!! レベルも技もふざけてる!!」
「まぁまぁ、確かに最初のステージにある割には強すぎるわね。ボスが1階層ずつに配置されているのも、初めて聞いたわね」
「私なんか、早々と退場したんですよ~、虫ケラらしく一撃ですよ? うぅっ、自分よりレベルが高いゴブリン隊に勝って、自信も付いたのに…………一撃で消し飛ばされちゃいましたよ~~~~~~!! 店主、私もビールです~~!」
「はいはい、炭酸水ですね」
店主は諦めたように、炭酸水を注いでいく。リンダは話を聞いたスコルのことを考えてみる。そして、その見解はーーーー
「もしかしたら、そのボスはイベント扱いじゃないの?」
「は?」
「だって、第1階層のボスにしては、レベル32で(R)でしょ? ちょっとパワーバランスがおかしいと思うわ」
「…………」
ケイは冷静に考えてみる。スコルが使ってきた技や動きを思い出してみると、どれも最初のステージで出してくるような技や動きではない。むしろ、バク扱いされてもおかしくはない。
「現れたのは、第2階層に向かう階段だったよね? β版でダンジョンボスは、5階の広場で現れたわよ」
「あれ、確かにおかしいな? 1階層ずつに配置されているなら、広場があっても良い筈のに……」
「あふあふ、それはそうですね……」
熱いゆで卵を齧りながらサヨも同意する。
「気になったけど、第1階層で何か見つけなかった?」
「えっと……ケイさんはありますか?」
「…………あるな。昨日、ガー坊と一緒に行った時だ」
思い出したのは、2つの扉のこと。太陽と月の模様があり、嵌め込むような跡があったあの2つの扉だ。
「まさか、アレに関係が?」
「あ、あるみたいだね。それに関係していると思うの。また調べるなら、階段に向かわないで、第1階層を調べるのをオススメするわ」
「む~、また行くの?」
「え、来てくれるの?」
酷い扱いされて、更にボスの無慈悲なる攻撃をされたらトラウマになっていそうだが、サヨはケロッとしていた。
「もう慣れているからね……」
「あぁ、慣れたからなのか……」
いつもどんだけ酷い扱いだったのか気になるが、ケイは黙って店主に炭酸水を注文して奢ってやるのだった。
「苦いです~」
「それでも飲むのね……。奢るならジュースにしてあげなさいよ」
「へいへい。でも、来てくれるのは助かるよ。今はフォックとスノーを召喚出来ないから、明日でいいか?」
「はい~、夜ならログイン出来ますよ」
約束して、暖かいおでんを食べてからサヨはログアウトした。残ったケイとリンダは屋台から出て、リンダの店に向かう。
「今は従魔を召喚出来ないよね? これからどうするの?」
「そうだな……、【料理】の熟練度でも上げとくか」
「なら、これでも買わない?」
リンダが差し出してきたのは、金色の腕輪だった。
金の腕輪 DEX+10
器用さが上がる腕輪のようで、生産の成功率が少し上げられる。
「これはいいな。今はまだ簡単のしか作れないが、無いよりはマシか」
「じゃ、2500ゼニね」
「買う」
死んで、所持金が半分に減ったが素材を売ることで5000ゼニぐらいは残った。買える金額だったので、買う事にする。
(料理は自由に作れるが、難易度で成功率が低くなるしな。今はリストで決まった材料で作ってみるか)
まだ熟練度は2で、リストにある料理は2つだけ。1つ目は飲み物で、作ってもすぐに食べなくても大丈夫だ。おでんでお腹一杯になっていたから、これは助かる。
「ん~、炭酸水と果実か」
「果実ジュースを作るのね。果実は何でもいいのは熟練度を上げるのに助かるよね」
「あぁ、炭酸水は買ったばかりだし、果実はーーーー持ってないな……売っているか?」
「あら、持ってないの? ピエニなら1個で15ゼニよ」
「助かる。10個買う」
ケイはログアウトするまでリンダと一緒に果実ジュースを作り続けるのだった…………
あ、いつの間に日間ランキングで4位になっていて驚きました!
ありがとうございます。
これからも面白い話を書けるように頑張りたいと思います。




