48.臆病者じゃない!!
『金龍の加護』の説明で、内容は変わっていませんが、表現を少しだけ変えました。クールタイムは〜〜の方がわかりやすいかと思いまして。
では、続きをどうぞ!
その後もゴブリン隊を倒し続け、何回かハイオークにも出会ったが、鈍臭い脚で逃げ切ったりと経験値を稼いでいった。
「お、【離脱者】の称号を手に入れたな」
「私もです……、効果はモンスターから逃げる時だけ、俊敏が1.2倍も上がるみたいです」
「ハイオークから逃げまくったからな…………あれ、取得条件が10回以上? 遭遇回数は10回より少なかったと思うが……」
ハイオークから逃げたのは、せいぜい5回ちょっとだと思うがーーーー
「「あ」」
サヨと同時に声が上がった。何か思い当たることがあるようで、あれもカウントされるんだと納得もしていた。
「始めの頃、全力で逃げていた時期があったな……」
「わ、私もです。大体は逃げてもやられていましたが、逃げ切れたのをカウントされていたなら、回数もおかしくないですね」
「つまり、今までモンスターから逃げ切れた回数でカウントされていたわけか」
ケイも凶暴な犬から逃げていたこともあり、木の上に登っていたのもいい思い出である。降りた先に2回も死んでしまったが。
「この称号はそんなに珍しい物ではないな」
「そ、そうですよね、逃げてばかりの臆病者は私達だけではありませんよね!? で、でも……、ここはゲームだから死んでも怖くないと突撃して逃げることを考えてないのが殆どだったりして……、そう考えると、私達はとっても臆病者になって…………、あぁ、私達は…………」
「私達、私達と煩いぞ! ネガティるなら、巻き込むなよ!?」
私達を連呼されて、イラっとしたケイ。あの時はステータスが他の人より劣っていたから逃げ回ったのは仕方がないと言い訳をしたい。
「なら、離脱者であっても、臆病者ではないと証明してやるよ!」
「え、どうやってですか?」
証明をすると言っても、逃げずに戦い続けるかと思っていたが、ケイの口からはそれ以上が飛んできた。
「第2階層に降りるぞ」
「無茶ですよ!?」
第1階層にいるハイオークも倒せないのに、第2階層に降りるのはサヨが言うように無茶である。
「レベルも上がっているし、大丈夫だろう」
これが今のステータスである。
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ステータス
名前 ケイ
種族 人間族
職業 モンスターテイマー
レベル 17→20
HP 105/105
MP 125/125
STR 118
DEF 105
AGI 98
DEX 95
INT 95
MDF 95
LUK 95
所持金 6850ゼニ
〈装備〉
武器 毒棘の鞭 STR+23 (R)
頭防備 蒼布のバンダナ DEF+5 AGI+3
体防備 皮の鎧 DEF+5
腕防備 なし
脚防備 皮の靴
アクセサリー
その一 なし
そのニ なし
その三 なし
称号
【見習い従魔使い】、New!【離脱者】
従魔
・ルビィカーバンクル レベル8 (R)
・スノー レベル16 (HC)
加護
New!・金龍の加護(SR)
スキル
【テイム】・【召喚】・【鞭術】・【魔力の涙】・【ステップ】・【料理】
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レベルは20になっており、自信も付いていた。第2階層に降りても大丈夫だろうと思うぐらいに。
「む?」
ケイは気付いた。何故か、『金龍の加護』のとこにもNew!が付いているのだ。サヨに見られないように、内容を確かめてみると…………
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◆金龍の加護◆(SR)
金龍は金を払うことで短時間だけ力を得る。プレイヤーのレベルが上がることによって、効果が増えていく。
効果1……1万ゼニを払うことで、30秒だけ全ステータスが2倍になる。(クールタイムは1時間)
効果2……2千ゼニを払うことで、10秒だけパーティ仲間である1人をステータス1.5倍にすることが出来る。(クールタイムは10分間)
※この加護を持っている者は初期ステータス半減、経験値取得半減、レベルアップ時のステータスアップ半減する。
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(おおっ、効果時間は短くなったが、安くなっただけでも使いやすくなったな!)
レベルが20になったことで、『金龍の加護』の効果が解放されたようだ。次はレベル30か40なのかなと楽しみになるケイであった。
「ミュ、ミュミュッ」
「シャー」
「おっと、すまない。集中し過ぎていたな」
2体の従魔から呼び戻されるケイ。そろそろ第2階層に向かおうと思ったが、サヨが何故か隅っこで体育座りをしていたのだった。
「さ、サヨ? どうしたんだ?」
「どうせ、私が呼んだって聞こえないんだし……、あははっ、私って存在感がなかったのかな? そうだよね、私なんかが声を掛けても迷惑にしかならないし……、もういいよ、来世は透明人間になればいいんだから。そうすれば、こんな思いはしないんだから……」
「いやいや、透明人間になりたいと言うなよ。こんな時は普通は存在感がある人物になりたいとか言うんじゃないかな? って、声を掛けていたのか。気付かなくてすまない」
「むぅぅぅっ、気付かなかったの? やっぱり、私は存在感がないんーーーー」
「もういいから! さっさと行くぞ! スノー、引っ張ってやれ」
「あううっー! 腕に絡みついて引っ張らないでーーーー!」
手を引っ張るというより、引きずられているような感じになっていた。ケイは助けを求めるサヨを無視して、第2階層に繋がる階段へ向かうのだった。
「うぅっ、汚されてしまった……」
「誤解を招くような言い方は止めろ。ただローブが汚くなっただけだろ」
「酷いよぅ……、無視して助けてくれないし」
グダグダと言うサヨに呆れつつ、ケイは第2階層へ降りる階段に脚を踏み込もうとする。
「え?」
1歩だけ踏み込むと、急に周りが光りだした。ケイは嫌な予感がして、すぐ階段から離れようとしたが…………、遅かった。
光りだしたことからトリガーが引かれており、引き返すことは出来なかった。周りが光に包まれて、パーティ仲間であるサヨを巻き込んで別の部屋に飛ばされてしまう。
「う、む?」
「な、何が起こったの……?」
ここは草原で近くに湖も見える。空は夜で暗くなっているが、強い月の光が辺りを照らすように輝いていた。
「まさか、な? まだ第1階層から降りたばかりだぞ…………ぐぁっ、やっぱりだよ……」
「う、うえっ……、なんでこんなことに……」
サヨは泣きそうになっていた。2人の前に現れたモノを見たからだ。
銀色に輝く毛並みに、鋭い爪と牙を持った化け物。幻想的な姿を持ったボス、『スコル』と言う銀色の狼がいた。そのレベルがーーーー
スコル レベル32 (R)
無理ゲーだとケイは思ったのだった…………




