45.第1階層
本日二話目です!
ダンジョンで探索するための準備は何もしてないが、探索するのは第1階層だけと決めているので、そこは問題ない。ケイはダンジョンに入るのは初めてではない。他のゲームであるが。
普通なら洞窟のように暗くて光がないと進めないなどで、準備が必要だが、『暴獣の森』にある遺跡は別である。
「昼間みたいに明るいな? 人工的みたいな造りをしているな」
「他の遺跡はわからないが、ここは淡く光る石で作られているから明るいってわけだ」
「火や光がいらないから、助かるよね~。でも、これだけ明るいから奇襲が難しいわね」
奇襲が出来ないのはこっちだけではなく、向こうも同じなの構わないが、変哲も無い道でもし迷路みたいな造りだったら、迷いそうだなと思うケイだった。
壁に傷を付けようとしても、破壊不可能オブジェクトなので別れ道があった時に目印を付けるのは無理だ。物を置くのも無理だとラムドが言い、ここで捨てられた物は5分すれば、消えてしまうと。だから、迷わないためには、マッピングが大切だと教えてくれた。
「いつも持っているから、マッピングは任せとけ」
「準備がいいな……」
経験者であるラムドはもし、遺跡を見つけたらいつでも入れるように準備をしてある。ペンと紙を持って歩いていく。
「ラムドは冒険が好きで、レンジャー系のゲームが好きなんだ。職業は剣士だが、中身はレンジャーさ」
「だったら、盗賊や狩人を選べば良かったんじゃねぇか?」
「あー、それは俺もそう思って、聞いてみたことがあるんだ。そしたら……」
「盗賊に狩人だと? そんなの選んでも、レンジャーに関するスキルを手に入らないからだよ。レンジャー系のスキルはスキル屋で買えるんだったら、剣士みたいな高い攻撃力を持っている職業の方がいいんだよ」
職業の違いはスキルにある。例えば、ケイの職業であるモンスターテイマーは、【テイム】。盗賊なら【スティール】。剣士は【ハードヒット】など、最初に手に入るスキルがある。そのスキルは、選んだ職業にしか取得出来ない制限がある。
剣士であるガイルやラムドは、モンスターテイマーのスキルである【テイム】は必ず取得出来ないのだ。
それを知っていたラムドは、遺跡に潜る際に必要なレンジャー系が付いた職業はないか確かめていたが、無かった。レンジャー系のスキルはスキル屋で買えるようになっているから、攻撃力が高い剣士を選んだのだ。
因みに、職業による恩恵は第一職業では一つの固定スキルだけで、第二職業にならないとステータスに関わる恩恵はない。
「へぇー、第二職業もあんだ? でも、モンスターテイマーの第二職業ってなんだ?」
「さぁ? β版では第二職業はなかったからね。ただ、本版ではwikiで第二職業が実装されると報告してあったから」
「詳しい内容はまだわかってないか。今はまだレベルが低いから気にしなくてもいいがなーー」
「ミュッ、ミュッミュッ!!」
「敵か!?」
「む、別れ道がある。右から気配を感じるな……」
話している間はフォックに警戒を頼んでいた。別れ道の右から二体のモンスターが現れ、その姿が見え始めるとーーーー
ハードゴブリン レベル17(HC)
メイジゴブリン レベル19(HC)
(はぁっ!? いきなり強いの出てきやがった……)
「ケイ! 後ろに下がれ! 先にメイジを狙うぞ!!」
「【猛打の陣】、フォック! 先制攻撃を喰らわせてやれ!!」
ケイは鞭を振るってから、言われた通りに下がりながらフォックに指示を出した。その指示に従い、【獄炎】を放った。
「ギィッ!」
ハードゴブリンが盾で狙われたメイジゴブリンを守ったが、爆発したお陰でバランスを崩す。そこを狙い、ガイルとラムドが飛び出す。2人がハードゴブリンを抑え、自分達はメイジゴブリンを攻めていく。
「ギィッ!」
先行していたディナだったが、辿り着く前に魔法を使われてしまう。杖から【ファイアボール】が放たれ、ディナに向かうが……
「気にしないで、突っ込め!!」
ケイは前持って決めていた合図を出し、その合図を見ていたディナは静かに頷く。このまま、【ファイアボール】に突っ込むと思われたが……赤い盾がディナの前に現れて、【ファイアボール】から守った。
「ギィ!?」
「助かったよ、【三連斬り】!!」
ディナを守った盾はフォックの【緋盾】で、【三連斬り】はメイジゴブリンのHPを一気に半分まで削っていた。
「うらぁっ!」
「ふっ!!」
二人掛かりでハードゴブリンを攻め立て、少しずつ体力を減らしていく。
「準備が出来た~」
「わかった、【爆泡】!」
レーシが準備を終わらせたと、聞いたケイは合図代わりに【爆泡】を飛ばして、ハードゴブリンとメイジゴブリンを吹き飛ばす。
それを見ていた3人は次の攻撃が何なのかわかり、すぐ射程範囲から離れていく。
「行くよ~、燃え尽きちゃえ! 【ファイアストーム】!」
最後のトドメとして、バランスを崩した二体のゴブリンを炎の竜巻が飲み込んでいく。防御が出来なかったゴブリン達は残ったHPを散らして、光の粒になって消え去った。
「やったね、ブイッ!」
「やっぱり、凄い威力だな」
「へへんっ」
「よし、次に行くぞ。二体だけなら問題なくやれるな」
「三体でもやれると思うけど、五体以上も現れたら、ガー坊を囮にして逃げるぞ!」
「ミュッ!!」
フォックもケイの言葉に反応して、二本の尻尾を振り上げて鳴いていた。
「おいっ!? フォックまでも賛成するなよ!?」
「ミュッ?」
「「「ぷっ」」」
笑いが起きる。ガイルだけはギャーギャーと騒いでいるが……
その後も探検を続け、階段を見つけたが無視をして第1階層を歩いていく。
「なんだこれ?」
「初めて見るね。β版にはこんな物は無かったよ」
見つけたのは、変な模様が描かれた2つの扉だった。
ーーーー扉の向こうは何があるのか?




