3.初の戦闘
本日一話目
「……はぁ」
街の中で溜息を吐きながら歩く男がいた。そう、さっきまでガイルと一緒にいたケイのことである。
何故、溜息を吐くのかはガイルが説明した内容にある。
ケイが選んだ職業が不人気職業に使えない職業であったことをガイルの話から知ったのだ。何故、そう呼ばれるようになったと一番の理由は、テイムの成功率にある。βテストの時、モンスターテイマーを選んだ人は何人かいた。
話が変わるが、βテスタの人達は三つ目のフィールドまで進めており、大ボスを二回倒したことになる。
そこで、フィールドとは大ボスを倒さなければ、先に進めないシステムになっている。つまり、自分が大ボスに挑み、勝たなければ次のフィールドに進めない。
話を戻すが、モンスターテイマーはテイムしたモンスターがいなければ、他の職業よりステータスが低くてパーティに誘われることは稀なことである。それでもパーティに頼り、モンスターテイマーは三つ目のフィールドまで進めた者もいた。
この時、モンスターテイマーがテイム出来たモンスターはランクがCで、初めのフィールドに出ている魔物を一体しかテイム出来なかったらしい。二つ目のフィールドにいるCのモンスターでもテイム出来なくて、様々な方法を試したがテイムは失敗ばかりだったらしい。
だから、成功率が物凄く低いとわかったのだ。
それで終わらず、使えない職業である理由はテイムしたモンスターを召喚しようとすると、パーティの一枠が食われる。つまり、モンスターもパーティの一員として扱われるので、弱い魔物を使うよりプレイヤーを入れた方がマシである。
と言った理由でモンスターテイマーは不人気職業で使えない職業と呼ばれるようになったのだ。
(どうするか……、やり直さないと職業を変えられない。うーん、いやでもなぁ…………)
ケイは迷っていた。成功率が低すぎてモンスターをテイム出来ないのでは、モンスターテイマーを選んだ意味がなくなる。
テイムしたモンスターがいないと自分自身の低いステータスだけで戦わなければならなくなる………
(このゲームが俺に恨みでもあんのか!?と叫びたいがやっても何かが変わるでもないし。ーーやっぱり、何もしてない内に諦めるのは駄目だな)
話を聞いただけで、諦めるのは早計だと判断した。
「よし、回復する薬を買ってからフィールドに出てみるか!」
ここから一番近い南の門に向かう。近くにいたNPCに話を聞いたら、南の門はレベル1~5のモンスターが生息していると。
ここの街から北に向かうと強いモンスターが生息しているからレベルが低いなら行かない方がいいと警告を貰った。東と西は北と南の中盤だと考えれば、南→東、西→北の強さになっているようだ。
「おっ、広い。チラホラとプレイヤーが見えるな」
思ったより草原フィールドが広くて、少し驚いた。今回は自分自身の強さを知りたいのでテイムはしないで戦って見ることに。
しばらく歩いてモンスターを探してみたら、早速ウサギ型のモンスターを一体見つけた。
モンスターの上には名前、体力バー、レベル、ランクが見えた。
ツノウサギ レベル1 (C)
ここで一番弱いモンスターかなと考えながら武器を構える。ケイの武器は皮の鞭で、リーチも長いから余り近付かなくてもいいのは防御が低いケイにとっては助かる。
「えいっ!」
まず一発をウサギに打ち込む。パシッ!とウサギに当たって、体力バーの八分の一は減った。
(あと七発は必要か。もし他の人が剣を使って攻撃したら四発で充分ってとこか?)
他の人の二倍は攻撃をしなければならないようだ。雑魚ならいいけど、ボスとなると体力バーが多すぎて削り切る前にこっちがやられると推測出来た。
攻撃されたウサギは突進をしてきたが、距離はあるので【ステップ】は使わずに避けることが出来た。これくらいななんとかやっていけるか?と希望を持ち始めたが…………
ヤバイ、ヤバイっ!?ここは逃げの一手だ!!
ウサギは一発だけ攻撃を掠って、体力が2は減ったけど倒せたので続けて次のモンスターを探したのだったが、見つけたのはこのモンスター。
バッファラー レベル5 (C)
いきなりレベル5でランクはCだが、大きな牛のモンスターで突進してきたら避けられないような迫力を持っていた。二体目に出会ったのがこのモンスターで、見つけた瞬間に近くにあった大岩に隠れていた。まだ向こうはこっちに気付いていないので、静かに逃げ出そうと反対側に向いたら…………
「ブモオォォォォォォォォ!!」
(ヤバッ、気付かれたか!?)
大きな咆哮で鳴いたから、こっちに気付かれたと思ったが、どうやら違ったようだ。
「やれ!」「魔法と弓矢で足を狙って!!」「おう!」「任せとけ!!」
と声が聞こえて、他のパーティがバッファローと戦っているのが見えた。ケイは大岩に隠れたまま、戦闘を見ていた。
(む、体力がグングンと減っているな。四人組といえ、レベルはまだ始まったばかりで低いはずだ。なのに、あいつらはやれている)
自分だったら間違いなくやられていると判断出来ていた。つまり、ステータスの差が違うということになる。
「はぁっ……」
戦闘を最後まで見ずに反対側ん歩いていった。後ろから歓声が聞こえたから倒せたのだろう。
「……相手は相手、自分は自分だ。諦めないと決めたなら最後までやろう。いや、このままでも負けないと証明してやろうじゃないか!!」
戦闘を見て落ち込んでいたかと思ったが、どうやら覚悟を決める決心になったようだ。まず、強くなるためにモンスターをテイムするのが一番いいのだが、このままモンスターをテイムしようとしても確率が低い。もし、幸運にテイム出来てもモンスターがプレイヤーより弱かったら意味がない。
だから、Cランクはテイムせずに、HC以上のランクを狙った方がいい。どちらも確率が悪いのもわかっているし、プレイヤーと同じぐらいはありそうなHCクラスを狙った方がマシ。
(HC以上のランクを狙うなら…………)
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ケイは今、北の門にいた。北の方ならHC以上のランクはいるだろうと考え、ここに移動したのだ。
(北は森か……、隠れる場所があまりない草原よりはマシか)
ここは適性レベル1~5の『初心の草原』よりも強いモンスターが生息する適性レベル15~18の『暴獣の森』である。凶暴な獣のモンスターがいることから名付けられている。
ここでテイムをしようと、ケイは森の中へ入っていくーーーー
昼頃にまた出します。