2.始まりの街
本日三話目です。
始まりの街の広場へ送られたケイは周りを見ると殆どがプレイヤーで、パーティの勧誘やリアルで友達である者が集まったりしていた。
こんなに多かったんだなと感心していたが、製品版は一万個は出されているのを思い出して、ここにいるのが一万人だと思えなかった。
「もしかして、もうフィールドに向かったか?」
なら、俺も必需品を買いに行ってからフィールドに向かおうと動く。
(あ、ステータスを確認しておかないとな。ステータスっと)
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ステータス
名前 ケイ
種族 人間族
職業 モンスターテイマー
レベル 1
HP 15/15
MP 35/35
STR 10
DEF 10
AGI 5
DEX 5
INT 5
MDF 5
LUK 5
所持金 1000ゼニ
〈装備〉
武器 皮の鞭 STR+5
頭防備 なし
体防備 皮の鎧 DEF+5
腕防備 なし
脚防備 皮の靴
アクセサリー
その一 なし
そのニ なし
その三 なし
称号
加護
・金龍の加護(SR)
スキル
【テイム】・【鞭術】・【魔力の涙】・【ステップ】
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職業を見ればわかると思うが、モンスターテイマーにすることにした。理由は自分で戦おうと思っても、あのデメリットがある限りはステータスの差を埋めるのは難しい。スキルの映像をスクロールしながら考えたらこの職業に目が付いたのだ。
これなら自分が戦えなくても、戦いはテイムしたモンスターに任せればいい。そう思っても、モンスターテイマーに決めたのだ。
スキルの方だが、【テイム】はモンスターテイマーになったことで、自動的に入手した物である。【テイム】は一回だけでMP5も使う。初めのMP15ぽっちだけでは三回しか使えないので、MPを増やすために【魔力の涙】を取った。
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【魔力の涙】
MPに+20される。
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自分のMPに+20されるだけのスキルだが、このゲームはスキルが進化する。ケイはこのスキルが進化してくれば、もっと増えてくれるだろうと期待している。
【鞭術】はモンスターテイマーらしく鞭で面白いかなと思って取った物だ。【ステップ】は万が一に近付かれた時に避けられるように保険である。
ケイがやれることはやったので、これで成功すると信じたい。早速、回復する薬を買いに行こうと動く。
と動いたら前から影が出来る。何だろうと思い、顔を上げて見ると、
筋肉質のコワモテ丸坊主がいた。
周りの人がガヤガヤと騒ぎ始める。周りから見たら、コワモテの男が150センチしかない男を睨みつけているように見えるだろう。もし、コワモテの男が何かしたらGMに連絡出来るようにする人もいたーーーーーーだが、結果は
「おっ!ガー坊じゃないか!!やっているなら、連絡ぐらいはくれよ!」
「ハハッ!!この面にこの呼び方はあのケイで間違いないな」
お互いが笑って話していたことにポカーンとする周りの人々だった。
ケイが言うガー坊はあだ名で、キャラ名はガイルである。前にやったゲームで出会った人物でもあり、たまにパーティを組んだこともある。
お互いはまさかこのゲームをやっていると思わなくて驚いたのだ。
「相変わらずだな。ガー坊は」
「ケイこそ。いつまでガー坊と呼んでいるんだ?ガイルという名がある」
「ああ、ここはあのゲームとは違うしな。呼び慣れてしまったんだよ」
あのゲームとは、前にやったゲームでケイの方が強く、ガイルは負けてばかりだった。その時に、ケイが偉そうに「ガー坊よ、力ばかりに頼っては強くはなれんよ」と言った辺りからガー坊と定着してしまったのだ。
「このゲームでは負けないぜ」
「あー、多分勝負にならないと思うぞ。主に俺が」
「俺は前と違…………待て、なんと言った?」
ここでは人が多すぎるので、人があまり居ない場所に向かうことに。
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「うわっ、これは酷いな……」
「な?」
勝負にならないことを説明のためにあまり客がいない喫茶店に入って、一番安いコーヒーを頼んだ。
そして、あの加護の内容を見せたのだ。
「確かに勝負にならないな。加護を見せてくれたんだから、俺も見せてやろう」
「何々……」
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◆剛鬼の加護◆(HR)
力自慢の鬼から短時間だけ力を得る。保持者は1分だけSTRが三倍に上がる。(一時間に一度しか使えない)
※発動終了後、発動中に使った武器が全て壊れる。(素手の場合は加護が発動しない)
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効果は凄いが、武器が壊れるのは嫌なデメリットだと思う。使い捨てに武器を沢山買っておくのもいいが、使い慣れた武器で無いと最高のパーフォーマンスは出来ないだろう。
「お前の加護も厳しいな」
「だったら、キャラを作り直したらどうだ?二回目は加護無しになるが、あるよりはマシだろ?」
「いや、作り直さない。もう対策は考えてある」
「お、そうなのか。さすが、ケイだな!!ーーで、どうやったんだ?」
「難しいことではないさ、職業をモンスターテイマーにしただけだ。モンスターテイマーなら自分のステータスが低くても、戦闘はテイムしたモンスターに任せ………おい、何、驚いた顔をしているんだ?」
ガイルは口を大きく開けて驚いていた。その理由とは…………
「職業をモンスターテイマーにしちゃったのかよ!?」
「……はい?」
意味がわからなかった。モンスターテイマーに何が問題があるのか?と聞いたら溜息を吐いて呆れていた。
「そういいや、ケイは掲示板を見ない奴だったんだな……」
「掲示板?見ないが?」
「この情報はβテスタが掲示板で書いた物で、確かな情報だ。ここまではいいな?気を強く持てよ」
「あ、ああ」
なんか聞くのが怖くなったが、大切なことなので、覚悟を決めて耳を傾ける。ガイルもケイの様子を見て、言った。この時、ケイは時が止まったように感じられた。
「モンスターテイマーという職業は全ての職業の中で不人気職業、使えない職業だとNO.1で飾られているぞ」
ケイは固まった。だが、無意識なのか、一言だけ発された。
「は?」
今日はここまでです。
どうでしたか?感想と評価を待っています!
※修正
【魔力の涙】にて、この効果を消しました。
自分のMPが【魔力の涙】抜きで50を超えた場合は+10%に切り替わる。
少し書き加えた所があるので、確認して下さいね。