17.指導員とのバトル
今日はいつもより短いです。
テイムの条件はあと少しすれば、わかります。あと、金龍の加護は…………金が溜まったらね!!笑
はい、どうぞー。
ドムはナックルを付け始めた。ドムの武器は拳のようだ。だが、何故指導員が武器を付けるのか?
「まず、お前の戦い方をみたい。だから、俺とバトルだ!!」
「戦い方を見たいということは、フォックも?」
「ああ、いいぞ。ここで体力が0になっても復活するから、こっちがいいと言うまで続けるぞ」
「はい!」
ケイは新しい武器、〈毒棘の鞭〉を装備して、フォックに軽く指示を出す。
「お、鞭使いか。それに、紫色の棘が付いてんな……。こっちのレベルは15にしてあるから、そんなに差はないはずだ」
「やはり、向こうの方が上か……まぁ、負けてもデスペナはないみたいだし、やれるだけやるか!!」
「ミュッ!」
今のまでの戦い方で攻めることに。まず、【猛打の陣】で強化してからケイはドムから鞭の距離まで近付く。
「はぁっ!」
「まず、様子見か?」
ドムは軽くナックルで鞭を弾く。ナックルで弾いたため、ダメージは入らない。ケイはそれでいいと思っている。ケイでは余りダメージを期待出来ないので、陽動に徹する。フォックが動きやすいように……
「そんなに離れていたら、鞭を活かせていないぞ?」
鞭の先がギリギリ届く範囲までしか近付いていないから、鞭という武器を活かしているとは言い難い。鞭とは、打撃の種類に入り、動きが予測出来ない動きも見せる武器なので、一番力を伝えやすい距離というのがある。鞭の長さによって距離が変わるが、〈毒棘の鞭〉は大体8メートルはあるので、5メートルの距離がベストである。
今のケイの様に敵から離れすぎると、距離があって避けやすいのもあるが、先っぽしか当たらないから掠っても大きなダメージにはなりにくい。
何故、距離をそんなに取っているのかは、ドムのレベルが15と言っていたことから、ステータスの能力値が最低でも150はあるということなのだ。もし近付かれ、一発でも食らったらHPは一瞬で全て消し飛ぶ可能性が高い。だから、距離を保って、いつでも【ステップ】を発動出来る様に注意深く警戒している。
ドムは向こうが近付いてこないことに痺れを切らしたのか、自分から攻めることにしたのだ。だが、ケイはそれを待っていたのだ。
「フォック!」
ケイはフォックに【鬼火】を使わせた。それも前まで一つしか出していなかったが、今は三つの青い玉が浮かんでいた。
フォックはレベルが上がって、【鬼火】を沢山使ってきたことから、三つまでなら出せる様になったのだ。ただ、消費は15×3発になるが……
スキルの説明には、【鬼火】は一発しか使えないとは明記されていなかった。だから、一度に放てる火の玉数が増える可能性を考えていたら、当たりだった。消費量の多さとタメ時間が長くなることで、そうそうと使えないが。
「ぬぅ!」
ドムは三発の【鬼火】を防ぐことはせずに避けようとする。ナックルで弾くことは不可能ではないが、高い威力が秘められていると見破ったため、避けることにしたのだ。弾くことが出来ても、少しはダメージを受ける可能性はあったからドムの判断は正しいと言えるだろう。だがーー
「なっ!?」
「うらっ!」
避けている間に、ケイは距離を詰めて鞭を左足に狙って絡みついた。鞭についている紫色の棘が少しだけダメージを与えた。残念ながら、毒にならなかったが、ケイにとってはチャンスである。
「フォック!」
フォックは先程のように三発の【鬼火】ではないが、すぐに一発を発動してぶつけた。
「熱っ!?」
「続けて攻撃だ!!」
「ミュッ!」
炎に怯んだドムに向かって突進をしようとするフォックだったが、
「甘いぞ!うらぁっ!」
「なっ……がっ!?」「ミュッ!?」
巻きついている足の方を振り上げて、ケイごと引っ張り出した。ドムに比べるとケイのSTRが低いから踏ん張ることも出来ず、突進していたフォックにぶつかった。
「力に自信がないなら、絡みつきの攻撃はやめた方がいいぞ」
ドムはそのままフォックへ向かい、【拳闘術】のスキル、【重撃破】で拳の高い威力でフォックはぶっ飛ばされ、体力が0になって消えた。
「フォック!?」
「安心しろ。お前もやられたら、一緒に復活するぞ」
「そう言われて、安心出来ると思うかよ……」
フォックが先に退場してしまい、ケイだけになってしまった。ケイだけで格上のドムに勝てないのはわかりきっているが、せいぜい悪足掻きだけはさせてもらおうと、動くーーーー
20秒後に倒された。
「まだまだ鞭の扱いになってねぇ!!藁人形を使って教えてやる!!」
すぐに復活したケイは鞭の扱いがまだ素人であり、〈毒棘の鞭〉を上手く使えてないと言われた。
そして、一時間ほどドムによる指導によって、倒れるまで鞭を振るわせられたのだった…………




