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16.訓練場

 


 武器も買ったし、防具を買いに行こうと思った時、リンダが頭装備ならあると言って見せてくれた。それがこの性能である。



 〈蒼布のバンダナ〉 DEF+5 AGI+3



「これはCランクだけど、二つの能力値が上がるわよ。これは1500ゼニだけど、1300ゼニでいいわよ。買う?」

「え、いいんですか?良いものを勧めてくれたのですから、買いますよ!」

「毎度ありっ!」


 軽装で戦うケイにとっては兜ではなく、バンダナなのは嬉しいことだ。DEFは兜よりも低いが、AGIも上がるので1500ゼニでも安いだろう。




「ありがとうございます。俺はこれから訓練場を見に行こうと思っていますが、2人は仕事ですか?」

「はい!他の客も来ていますので」

「そういえば、もうすぐで12時を過ぎるわね。廃人共が行動する時だから、稼ぎ時だねっ!」


 廃人と呼ばれる者は、長くやっているので、それだけ稼ぎも多い。だから、沢山の金を落とす廃人達はリンダにとっては金づるに見える。




「ハハッ……、リンダにはお世話になりっぱなしですね」

「いいのよ。ただ、その代わりに……」

「また来いってことでしょう?」

「わかっているなら、いいわよ」


 リンダはバイバイをするように、フォックの頭を撫でようとするが…………






 バシッ!






 リンダの手の甲が赤くなっていた。ケイはリアルに出来ているなーと感心していた。ついでに、フォックの頭を撫でたら、フォックは大人しく、気持ち良く撫でられていた。




「ズルい!」

「そりゃ、俺が飼い主だし。他人には懐かないのは言っていたよな?」

「むむっ……」


 それは知っているが、どうしても触りたいのか、手をワキワキとしていた。




「あ、あの!私も撫でられないっぽいですか?」

「ああ、すまない。フォックに強く命令をすれば、言う通りにしてくれるかもしれないが、俺はそんなことはしたくないからな」

「い、いえ!無理矢理は駄目なのはわかっていますから!」


 アルテミスもフォックを撫でたかったが、拒絶されるリンダの姿を見て諦めてくれたようだ。リンダにもアルテミスを見習って欲しいと思い、目線を向けるが、目を逸らしていた。




「私は諦めないからね!!」

「ミュミュッ!」


 諦めないと騒ぐリンダと威嚇をするフォックを見ながら、買ったバンダナを頭に巻いていた。長い銀髪を結わえるのに、このバンダナはちょうど良かった。

 吠えるリンダを無視して、アルテミスに再び、お礼を言ってから訓練場に向かった。






 ーーーーーーーーーーーーーーー






 しばらく歩くと、訓練場と書かれた看板が見えた。訓練場は他の建物よりも大きく、頑丈に作られていた。中に入ると、受付が見えたので受付嬢に話を聞くことに。




「ここで訓練する場所を借りれるよな?」

「はい、もしかして、ここを使うのは初めてですか?そうでしたら、簡単に説明を致しますが、お聞きになりますか?」

「お願いしよう」


 訓練場ではどんなことができるのか気になっているので、説明を聞くことに。

 受付嬢の話によると、ここで働いている授業員や指導員は全員が運営に関する人物であり、NPCはいない。

 ここでは運営からのサービスもあるので、NPCに任せるよりは確実だという理由で、全員が運営に関する人物なのだ。

 次にここでのサービスのことだが、




「ここでは武器の指導をしてくれる指導員がいます。武器の扱いが上手くなりたいのであれば、指導してもらうのが一番です。無料になっていますが、やりますか?」


 普通なら指導を受ける客が沢山いれば、予約という形になるが、今は夜中といえる時間になっており、訓練を受けている人は少なかった。

 だから、今はすぐに出来るということ。




「そうだな、一度は指導を受けた方がいいな」

「では、受けますのね。他にここでのサービスは、プレイヤー同士で戦いたい時、ここで場所を借りることができます。もちろん、外でも出来ますが、ここで戦えば、負けてもデスペナを受けません。便利なので、覚えておいた方がよろしいかと。あと、ガチャを引くことも出来ますが、ガチャのチケットが必要になります。以上で、説明は終わりです。質問があれば、どうぞ」

「いや、大丈夫だ」


 今は何も質問は思い付かないので、問題はないと答えた。そして、受付嬢が何かを操作をする仕草をすると、ケイの身体に光が包まれる。




「第三訓練場が空いていますので、そこに送ります。ご武運を……」




 この場からシュッ!とケイの身体が消え、広い場所に出た。勿論、肩にいたフォックも一緒だ。

 周りを見ると、様々な武器や藁人形なども置いていた。




「よっ、指導を受けたい坊主か?」


 ケイと同じ方法で現れたのは、兵士風の姿をした男だった。雰囲気に合わせているのか、鉄の兜、鉄の鎧などを着ていた。




「坊主って、そんな歳ではないですが……、貴方が指導員ですか?」

「おう、俺はドムと言う。宜しくな……って、その肩に乗っているのは、フレイムフォックスじゃねぇか?ーーもしかして、坊主はモンスターテイマーを選んだのか?」

「ああ、俺はケイと言う。ドムの言う通りに、モンスターテイマーを選んだよ」


 ドムは珍しいモノを見たような顔になっていた。「……まさか、テイムを成功させるとはな。あの条件を見破ったか?」と呟いていたが、声が小さくてケイには聞こえていなかった。




「え、何か言いましたか?」

「いや、なんでもねぇ。指導を受けに来たんだろ?よし、訓練を始めるぞ!」


 ドムの一声で、訓練が始まった…………






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