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15.新しい武器

金龍の加護のことで、沢山の感想を貰ったので、ここで答えます。

デメリットが厳しいのは承知で書いています。まだ発動もしていないので、ただの足枷に見えないのですが、発動する時になれば、皆はデメリットがあっても納得すると…………しか言えません。(これ以上はネタバレになってしまいますから)


では、小説をどうぞ!!

 


 ケイは今、フォックを肩に乗せて街の中を歩いていた。




『喰虫の森』でモンスターと戦ったのだが、ケイのレベルはまだ上がらず、フォックは1レベルしか上がっていなかった。

 適性レベルを超えたので、フォックはあまり上がらなくなって来たので、今度は『暴獣の森』へ行こうと思ったが、ケイのステータスではモンスターの攻撃を2、3発を受けたら少ない体力は消し飛んでしまう。




 だから、ケイの装備を買ってから『暴獣の森』に挑もうと決めて、街に戻ったのだ。




(まず、素材を売らないとな)


 売りに行く所は、前に行ったことがあるリンダがいる雑貨屋だ。しばらく周りの視線を感じながらも、無視して歩いていくと露店の外に出ていたリンダの姿を捉えた。




「お、いた。リンダ、また買い取ってくれるか?」

「あ、ケイとフォックだったわね。少し待ってくれるかしら?」


 リンダが露店の外に出ていたのは、お店の外見を変えているのを見ながらやっていたからだ。

 さっきまではお祭りみたいな小さな露店だったが、リンダが何かを設定するとーーーー






「お、店の外見を変えられたんだ?」

「そうよ!運営が設定していた売り上げの上限を超えたから、この外見を貰えたの!」


 運営が設定していた売り上げとは、簡単に言えば、100000ゼニを超えたら運営からプレゼントを貰えるみたいなのがあるのだ。

 これは店を持っている人しかやれないイベントであり、店は不動産で買えるが、最初からは高すぎて買えない額なので、しばらく稼いでから商売ということになる。


 ちなみに、今の外見は木製で出来た自然を感じられるような露店になっている。看板もアートっぽく、飾られていてオシャレだった。




「細かいのは後にして、今回も買取だったわね?」

「うん、宜しく」


 クイーンホーネットから手に入れたドロップ品だけ残して、手に入ったドロップ品全てを売り払った。




「あら、〈ピンクの虫羽〉まであるわね。リカバリーホーネットを倒したのかしら?」

「ええ、それは……」


 強制イベントに巻き込まれ、アーク達と一緒にクリアをしたことを話した。




「そんなイベントがあったんだね。その装備で生き残れたわね……」

「ははっ、お金を貰ったら武器と防具を買いに行く予定なんですよ」

「そうなの?なら、β時代からの知り合いを紹介してあげるけど、どうする?」

「え、いいの?」

「あの子もモンスターテイマーやフォックを見てみたいと言っていたから門前払いされることはないと思うわ」

「門前払いされることもあるんだ……」


 β時代からやってきた生産者のベテランに頼って、店に押し掛ける者が多いため、知り合いの紹介がないと売ってくれない生産者もいる。




「はい、お金も渡したし、行こうか?」

「え、お店の方は……」

「今は自動になっているから大丈夫よ」


 今は自動に設定していて、欲しいものをタッチして、お金を払えば物が現れる形になっている。

 リンダから3850ゼニを貰い、武器屋と鍛冶屋を両方とも経営している知り合いまで案内してくれることになった。






 ーーーーーーーーーーーーーーー






「ここよ。おーい!!アルテミスはいるー!?」


 一つのお店まで案内された。店は露店ではなくて、建物の中だった。リンダのより大きくて、右は武器屋で左は鍛冶屋になっていた。




「その声は、リンダちゃん?」

「そう。貴女が見たいと言っていたあのモンスターテイマーを連れてきたわ!」

「えっ、本当に!?」


 店の奥から1人の女性が現れた。ケイより身長が低くて140しかないように見えた。可愛らしい容姿をしていて、鍛冶をやっているようには見えなかった。




「あ、貴方が噂のモンスターテイマー……あ、フレイムフォックスだ!!」


 キラキラと目が輝いているように見えた。小動物が好きなのかな?と思った。




「有名人に会ったような顔になっている所に悪いけど、客として紹介をしたの。武器を売ってあげられる?」

「あ、はい!リンダちゃんの紹介なら問題ないです!!私はアルテミスと言います。どんな武器を望みですか!?」

「俺はケイで、従魔はフォックだよ。武器は鞭を使うんだけど……」

「え、鞭を使うのですか?珍しいですね……。少し待ってくれますか?」


 武器屋の方へ向かったアルテミス。しばらく待つと、手に一つの鞭があった。




「すいません、鞭はこれしかありません……」


 鞭を見せて貰うとーーーー




 〈硬皮の鞭〉 STR+12




 と出ていた。思ったよりSTRが低いことに少し考え込んでしまう。




「やっぱり、少し弱いかな……」

「そうですよね……」

「だったら、鍛冶で作って貰えば?」

「あ、だったらこの〈硬皮の鞭〉にこれらを使って強化出来ないか?」


 アイテムボックスからクイーンホーネットから手に入れた〈クイーンホーネットの針〉と〈クイーンホーネットの毒素〉を出して見せた。




「え、これって!クイーンホーネットのドロップ品ではないですか!?」


 クイーンホーネットのことを知っているということは、あの強制イベントはβ時代でも見つけていたようだ。




「これなら、作れます!!」

「お、お願い出来るかな……あ、いくら掛かる?まだ5000ゼニぐらいしか無いんだよな」

「大丈夫です。素材は持ち込みなので、鞭代と鍛冶代だけで2200ゼニになります!」


 何とか払える金額で安心した。早速、アルテミスは鍛冶を始めた。すぐに終わるから外で待って欲しいと言うので、リンダと外で待つことに。




「もしかして、鍛冶は他の人に見せないモノなの?」

「いや、やり方は皆と変わらないけど、アルテミスは誰かに見られながらやるのが苦手だから」

「ああ、成る程……「出来ました!!」早っ!?」


 もう出来たと言われて、驚愕した。待ってから30秒も経っていないのだ。




「はい、どうぞ!!」


 驚きながらも、アルテミスから新作の鞭を受け取った。鞭の性能は…………




 〈毒棘の鞭〉 STR+23 (R)


 効果……10%の確率で【毒】を与える。




「おおっ……」


 鞭はイバラのような棘が付いており、ランクはR。さらに効果も付いている。




「効果持ちになったんだ?効果になって、2200ゼニは安いね……」

「そうなのか?」

「そうね、効果持ちになった場合は金額が上がるの。効果によるけど、この鞭なら6000ゼニはしてもおかしくはないわ」

「ええっ!?」「ミュッ!?」


 ケイが驚いたことに合わせて、フォックも驚いた。

 フォックはさっきの話がわかったのか?と思ったが、今は金額のことだ。




「えぇと……」

「安心して下さい!そのまま売っていたのを買うのではないから、2200ゼニでいいのですから!!〈クイーンホーネットの毒素〉があっても、確実に効果が着くわけでもないのです」

「え、つまり、運が良かったと……?」

「そうなりますね。〈クイーンホーネットの毒素〉だけだったら、効果が着く成功確率は10%、今回は〈クイーンホーネットの針〉もあったので、20%に上がっていますが……」

「それでも低い方だったわけか。ケイは、運が良かったから成功したというわけね!!」


 確率を上げるなら、系統が同じ素材を使うのが一番いい。今回は針もクイーンホーネット製だったから、10%も跳ね上がったのだ。

 もし素材を沢山使えば、100%もあり得るのでは?と思うかもしれないが、使う素材が増えると、本体の成功確率が減ってしまう。つまり、効果は100%付くが、武器自体が失敗して使えなくなる可能性が高いのだ。

 だから、バランスを考えて素材を使っていくのがいいと言われている。




「そうなんだ。ありがとう!」

「い、いえ!ケイちゃんならまた作って上げてもいいですよ。もし耐久性が少なくなったら、壊れる前に持って来て下さいね」

「け、ケイちゃん?……まぁいいか。良かったらフレンドになってくれるか?」

「はい、歓迎です!」


 ケイはアルテミスともフレンドになり、フレンド数も増えていったのだった。





あ、あと、ステータスに所持金を追加しました。

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