14.小ボスの報酬
また台風が来ているね。通勤や通学にお気を付けて…………
はい、どうぞ!
クイーンホーネットを倒した自分達は、さっきまで巣の中にいたのに、今は強制イベントで場所が変わる前からいた場所だった。周りを見るが、大きな巣はなかった。
「何も知らせはないまま、戻されるのかよ!?」
「強制イベントって、いつもこうなのかな……?」
「まぁ、皆が無事でクイーンホーネットを倒せたんだからいいじゃないか?」
「そうだな……あ、ドロップ品は?」
ケイが気付いて、皆はアイテムボックスの中を調べるとーーーー
〈スキル原石〉×2
〈クイーンホーネットの針〉(R)
〈クイーンホーネットの毒素〉(HC)
(ほう、いいアイテムを手に入れたな。他のモンスターが落としたドロップ品もあるが、全てのランクがCか)
素材も武器や防具と同様にCランクはランクが表示されないようだ。
「皆は〈スキル原石〉を2個手に入れたのか?」
「おう、俺達も〈スキル原石〉を2個ずつ手に入れてあるぜ」
「これで何と交換するか、迷っちゃうわね……」
「今は貯めて置くといいんじゃないか?効果が高い程に交換が必要な数が増えるからな。中ボスや大ボスとなれば、手に入る数も増えるぞ」
どうやら、小ボスは〈スキル原石〉2個であり、中ボスや大ボスになると増えるらしい。
「あと、大ボスは先行報酬があって、一番目に大ボスを倒したら、加護が入っているガチャのチケットを貰えるぞ。他に手に入る方法があるみたいだが、それはまだわかっていない」
「……へ?ガチャのチケットって?」
「あ?知らねぇのか?まさか、掲示板は見ない口か?」
「恥ずかしながら、そうです……」
アーク達は呆れながらも、仕方が無いなというように教えてくれた。
初めに引いたガチャは、一回っきりではなくて、冒険中に手に入れたガチャのチケットによって、別の加護を手に入れることが出来るのだ。
そのガチャのチケットを手に入れるのが難しくて、誰でも手に入ることはない。さらに、このゲームは課金制ではないから、ゲーム内で手に入れるしかないのだ。
そのガチャのチケットを手に入れる方法は今、一つだけなのだ。他に手に入る方法はあるみたいだが、β時代の時では見つけられなかったという。
因みに、β時代の期間は2ヶ月だけでガチャのチケットを探すよりも攻略に力を入れていたので、見つからなかったのは仕方が無いだろう。
因みに、ガチャが出来る場所はどの街にもある訓練場だという。
「へぇ、成る程……」
「それに、俺達は隠れボスがそのガチャのチケットを持っているのでは?と思ったが、今回はただのイベントボスで、小ボスだったからある意味、外れだったわけさ」
「普通なら、このことは誰にも秘密だが、ケイは一緒に戦った仲だから特別だぞ。他の人には秘密な?」
「言わないでねっ!隠れボスと言われるぐらいだから倒されたら、他の小ボス、中ボス、大ボスみたいに復活はしないかもしれないから!」
三人の話は推測でしかない話だが、その可能性も考えているから隠れボスのことを広めては欲しくないのだ。
ケイは了解と伝えた。情報は独占したいのはケイにもわかるからだ。
「あ、ステータスも確認しないとな」
大量の蜂を倒したのだから、レベルが上がってもおかしくはないはず。確認したら、こうなっていた。
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ステータス
名前 ケイ
種族 人間族
職業 モンスターテイマー
レベル 6→9
HP 55/55
MP 75/75
STR 50
DEF 50
AGI 45
DEX 45
INT 45
MDF 45
LUK 45
所持金 1350ゼニ
〈装備〉
武器 皮の鞭 STR+5
頭防備 なし
体防備 皮の鎧 DEF+5
腕防備 なし
脚防備 皮の靴
アクセサリー
その一 なし
そのニ なし
その三 なし
称号
従魔
・フォック レベル12 (HC)
・空き
加護
・金龍の加護(SR)
スキル
【テイム】・【召喚】・【鞭術】・【魔力の涙】・【ステップ】
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ステータス
名前 フォック
種族 フレイムフォックス (HC)
レベル 7→12
HP 121/121
MP 158/158
STR 46
DEF 26
AGI 108
INT 104
MDF 37
〈装備〉
アクセサリー
その一 紅晶のネックレス INT+3
その二
スキル
【鬼火】・【ステップ】・【嗅覚感知】
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ケイのステータスは相変わらずだが、フォックのステータスが物凄く上がったことに喜んだ。
(よし、今度は俺の装備をなんとかしないと……あ、訓練場を見てみるのもいいかな?)
ケイは訓練場があるのを知らなかった。サイトを少しだけみたが、訓練場のことまでは目が行かなかったようだ。
「ここでお別れかな?」
「えー、もう終わりなの?パーティに入ってよ!」
ネビアはケイをパーティに入れようと考えていたみたいだが、ケイはそれを断った。
「なんでなの!?」
「アークとダンは理由がわかったみたいだけど、モンスターテイマーはモンスターと一緒に戦う時、パーティの一枠が喰われるんだ」
「あ……」
ようやくネビアも気付いた。モンスターテイマーはモンスターもパーティ一員として扱われるため、六人体制で組むとケイはモンスターを召喚出来ず、反対にアーク達も三人だけでこの先を進んでいくわけでもなく、六人体制で攻略を考えるならステータスが低いケイやパーティの枠を喰われるモンスターよりも職業を持ち、様々なスキルを扱えるプレイヤーの方がやりやすいのだ。
「すまないな」
「いや、こちらのことを考えてくれたんだろう。パーティは組めなかったが、レイドとして挑む時は宜しくできるかな?」
「それなら、構わないよ」
体力が多い大ボスだけは2パーティが組むレイド体制は認められている。
アーク達とフレンド交換してから、別れたのだった。ネビアはフォックに触りたかったが、また叩かれてソッポを向かれたので、諦めてトボトボと歩いて行ったが……
「俺達は少しレベル上げをしてから、街に帰ろうか」
「ミュ!」
ケイとフォックはすぐに街へ帰らず、『喰虫の森』でレベル上げでモンスターと戦っていく。
ドロップ品のことですが、どれだけ活躍したかで素材の質がかわります。ケイの場合はフォックも活躍していたので、Rの素材を手に入れたのです。ちなみに、ネビアもRの素材を手に入れています。
あとは、フォックも参加したからケイは二人分のドロップ品を手に入れたというのはないです。
注意はそれぐらいですね。




