11.親衛隊の蜂
本日二話目!
今回だけ組んだパーティで蜂の巣へ入っていく。現れたモンスターは、全て蜂だったが、キラーホーネットを除けば、二種類のモンスターがいた。例えば……
リトルホーネット レベル5 (C)
キラーホーネット レベル10 (C)
リカバリーホーネット レベル3 (HC)
と言ったものだ。リトルホーネットは幼虫で白い芋虫のようなもので弱かった。攻撃が体当たりしかなくて、スピードも遅かった。
リカバリーホーネットは名前の通り、回復を使う蜂だった。しかも、HCランクだったので、【テイム】を使って使役しようと思ったが、全く成功はしなかった。
(あの時は運だったのか……?)
考えても、フォックをテイム成功させた理由が思いつかなかった。仕方がなく、【テイム】は諦めて、皆で倒した。
「またキラーホーネットとリカバリーホーネットだ!!先にリカバリーホーネットを倒すぞ!!」
またキラーホーネットとリカバリーホーネットのコンビが現れて、先にリカバリーホーネットを倒さないと回復されてしまう。
「【猛打の陣】!!」
ケイは【打蛇】と同様にレベル5から使えるようになった【猛打の陣】を使って、しばらくの間だけ皆をパワーアップさせる。【猛打の陣】の効果はこうなっている。
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【猛打の陣】 MP8
地面に鞭を打ち、音を鳴らすことで自分から半径20メートル以内にいる味方全員のSTR、INTを+10%させる。(効果制限は30秒)
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フォックと自分のだけの時は上昇する数値が微々たるものだから、あまり使ってこなかったが、今はパーティを組んでいて、皆は平均レベル10であり、ステータスも100を超えているからこの技が役に立つのだ。
「おらっ!」
タンクを務めるダンだが、敵の数が少ない時は片手剣で攻撃に回るのだ。攻撃も高いようで、体力バーがグゥンと減っている。
そのままアークとネビアがリカバリーホーネットを葬り去る。
「こっちも活躍しておかないとな。行くぞ!」
「ミュ!」
ケイはキラーホーネットの正面に立たないように気を付けてから鞭を当てていく。フォックも【鬼火】でキラーホーネットの身体を燃やしていく。
一体だけなら、ステータスが低いケイでも、問題なく倒せる。
「よし、次だ!」
「もういないわよ。ケイとフォックが片付けちゃったよ?」
「そうか、ケイも結構やるな!」
アーク達はケイのレベルを聞いて、まだレベル6だと驚いていたが、足手纏いになるどころか支援もしていて活躍している。
「ダメージは入らなかったから休みはいらないな?すぐに出発しよう」
「この巣は一本道みたいですね。たまにカーブがあって、少しだけ坂になっているから、螺旋道でボスは頂上にいそう」
「それは間違いないだろうな。蜂のボスと言えば……」
「あー、予測出来るわね。確実にアレがいそう……」
もしここにボスがいるなら、アレしか思いつかない。
「誰が相手だろうが、突き進むだけだ!!」
「あー、熱い熱い。ダンはいつも暑すぎるわよ」
「何!それが何処の悪いことだ!?やる気満々なのは良いことだろう!?」
「敵がいない時は少しぐらいテンションを下げなさいよ。疲れるだけだから」
いつもテンションが高いダンに、クールなネビア。ネビアはたまに暴走する時があるのだが、普段は冷静に状況を判断出来るぐらいにクールである。
正反対である2人なのだが、リーダーである忍者もどきのアークが間を取っているため、均等に釣り合っているのだ。それに、戦いになれば、さっきと違って息が合って、敵を葬り去っていく。
良いパーティだなと思ったケイだった。ケイは従魔の使役数が増えていくなら、パーティを組まずに従魔とゲームを楽しんで行くかもしれない。
先のことを考えていたら、今までの道と違って、大きな部屋に出た。ドームのような形をした部屋で、向こうには階段が見えていた。
「階段が見えるなら、向こうがボスの部屋である可能性が高いんたか……」
「ミュッ!!」
フォックが何かを嗅ぎ取り、吠えていた。床から三つの魔法陣が現れて、3体のモンスターが現れたのだ。
キラーホーネット レベル14 (C)
リカバリーホーネット レベル10 (HC)
ポインズホーネット レベル14 (HC)
一体だけ戦ったことがない蜂だが、名前から毒を使うことがわかる。ケイは毒を回復する薬を持っていないから、ポインズホーネットの攻撃を受けないようにしなければならない。
「まるでボスを守る親衛隊のようだな……」
「誰が敵だろうが、関係ねぇ!!」
ダンが先に動いた。まずリカバリーホーネットを狙うと決めており、片手剣が振り下ろされた。
もうすぐで剣が届くと思われた所にキラーホーネットとポインズホーネットが針を飛ばしてきた。
「ちっ!」
ポインズホーネットからの攻撃はヤバイと感じたからなのか、攻撃を中断して盾で針を防いだ。その間にリカバリーホーネットがダンから離れてしまったので、ダンも味方の方に跳んで下がった。
「1人で突っ込むな。先程のと違うようだ」
「あの蜂の針、紫色で毒々しいわ。掠っただけでもアウトかもしれない」
「なら、ポインズホーネットは遠距離攻撃が出来るフォックと支援をする俺で抑えよう。3人はあの2体を倒したら、こっちを手伝ってくれ」
「わかった。無理はするなよ!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
またダンが突っ込むが先程と違い、アークが側でチャンスを伺っていた。ネビアも強めの魔法を使うようで、脚を止めていた。
その間にケイとフォックはポインズホーネットに相対する。
「【打蛇】!」
鞭が蛇のように動き、ポインズホーネットの羽に当たる。攻撃が当たったことでタゲがケイに移る。
「ミュッ!」
「ギリッ!?」
ポインズホーネットがケイに向き合った瞬間を狙い、突進をしていた。ポインズホーネットがバランスを崩した隙に【鬼火】で攻撃しようとする。
だが、ポインズホーネットはバランスを崩していようが、毒針を撃ってきた。
「危ない!!」
ケイはすぐに鞭で針に当てたが、力が弱かったため、弾けなかったが少しだけズラすことに成功した。少しだけズラしてやれば、フォックは自力で躱せる。
「ミュッ!」
ケイの思っていた通り、フォックは【ステップ】も使ってギリギリ躱していた。そのままの勢いで針がまだ生えていないポインズホーネットに突進をした。
バランスを崩しているポインズホーネットに躱す術はなく、壁まで吹き飛ばされていた。だが、体力バーは十分の一しか減っていない。
フォックのSTRが低いのもあるが、ポインズホーネットはDEFが高いのだろう。
だから、ケイは無理をせずに時間を稼ぐことだけ考える。向こうで戦っているアーク達がキラーホーネットとリカバリーホーネットを倒してくるまで持ちこたえればいいだけなのだ。
「フォック、無理はせずに攻めるぞ。まだボス戦が残っているんだからな」
「ミュッ!!」
了解を返すように鳴くフォック。ケイは鞭を振り回し、フォックは【鬼火】を出して尻尾の先に止めておく。
そして、アーク達がキラーホーネット達を倒して、手助けに来たのはその五分後だった。
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