プロローグ
またまた新しい小説になります!
『凄まじいデメリットに、不職業!?』を宜しくお願いします。
本日一話目!
夏になりかけの7月に入った頃。外からは蝉の鳴き声が聞こえてくる。
どこにでもあるような普通のマンションで、唸っている男がいた。その男こそが、主人公である藤宮圭吾なのだ。
「むむっ……、付けるべきか、付けないでそのまま行くか……」
圭吾はパソコンを前に唸っていた。パソコンの側にはキーボード、ペンタブが置いてある。圭吾はイラストレータとして仕事をこなして飯を食っている。歳は23歳で痩せ型のフツ面である。
(よし!付けるか!!)
圭吾は覚悟を決めたようにペンタブのペンを持ち、迷っていた箇所を描き足して行く。
「出来た!!」
目の前には猫耳の女の子と犬耳の女の子が戯れる絵があった。圭吾はアプリのカードゲームに出るキャラを描いていた。付け足すべきか迷った場所は、
「うむ、やはりこの尻尾は服の中に隠していないで出した方が可愛いな!」
尻尾。2人の女の子はメイド服を着ており、普通なら長いスカートの中に隠れてしまうのだが、圭吾はあえて出すことで可愛さを引き上げたのだ。
ーーーーといったように圭吾はアキバ系のイラストを描いて、仕事をしているので殆どは家の中に引きこもっていることが多い。
趣味はイラストを書くことと、ゲームをすることだ。
何故、仕事をしている所から始まったのかは、
「よし、イラストは送ったし、今日の仕事は終わりっと!午後丸々はゲームの時間に当てるとして…………そろそろだな?」
時計を見ると、もうすぐで12時になる。圭吾はパソコンの隣にある机に置いてあった物を手に持つ。
前持って、準備をしておいたゲーム機である『VRギア』。
世界では2050年代からVRギアが普及しており、値頃な値段で学生でも買える額になっている。
圭吾は三年前からやっており、今日から新しいゲームが始まるのを楽しみにしていたのだ。そのゲームとはーーーー
『ドリーム・フール・ワールド』
このゲームは英語で書かれておらず、カタカナでそう呼ばれている。意味は『夢が一杯の世界』だ。
なんてなファンタジックな意味だろう。とにかく、圭吾はβテスタに応募したことがあるが、残念ながら選ばれなかった。仕方がなく、製品版が出るまで待ち続けて、ようやく今日から始められるのだ。
「もぐもぐ……、確か、初めはヒューマン族しか選べないんだったな」
冷蔵庫に入れてあった冷たいサンドイッチを食べながら『VRギア』を被っている。
「……ごくん、ご馳走様。よし、あと数秒だな」
……3……2……1……0ッ!!
スイッチを押すと、慣れた感覚が起きる。意識が『VRギア』の中に吸い込まれて行くような感覚で一瞬が過ぎた後、
「お、白いな」
圭吾は瞑っていた眼を開けてみると、全てが白くて何もなかった。他のゲームではゲームの景色が移されている部屋だったが、今回は白いだけの世界で珍しいなと感じていた。
周りをチョロチョロと見ていた時、圭吾の前に1人の女性が現れた。
第一声は用意されていた言葉を流暢に発された。
「ようこそ。『ドリーム・フール・ワールド』へ」
次にどうぞ。