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Terror - テロル -  作者: 闇璃
4章
27/31

Ⅳ - Ⅵ




【万事屋ソール】




「……墓守たちは、知っていたの?」

 ロスを部屋に寝かせ、ロビーへ戻ってきたニトを横目に優は墓守へ問いかけた。質問を受けた墓守は表情を変えず、耳を揺らす。

 答えようとしない墓守に眉を潜めた優は、今度はニトへと視線を向ける。彼女と目が合うとビクリとニトの肩が跳ねた。

「ろ……ロスが龍だってことは……知ってた……」

「あなたたちは……記憶をなくす前のロスを知っているの?」

 優の質問に、今度は墓守がはいと返事をする。

「私とロス様はもう、100年以上の付き合いになりますからねぇ」

「……龍、か」

 懐かしそうに目を細める墓守に、腕を組みながら黙って聞いていたシャルムが口を開く。その呟きを聞いた墓守が今度は彼へと視線を向けた。

「でも、龍族って200年も前に滅んだはずじゃ……」

「そう言い伝えられていますね。確かに、“龍の国”は滅びました。ですが、龍族が滅んだ訳ではないと思いますよ。現にロス様は龍族ですが生きておられます」

 

 そう……龍の国は滅んだ。すべての世界の頂点に立つ存在の龍が住む国。その龍族が一夜にして全滅した事件は、3つの世界に広く言い伝えられていて知らない者はいないほどだ。








 時は200年前に遡る。







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