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ハヤトが逝く  作者: 砂流
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無事、初依頼達成しました

2013.6.23 表記、登場人物名等修正

帰路、疑問に思ったことを3人に尋ねてみた。


「スキルって、どうやったらレベルがあがるんだ?」


冒険者のレベルは、討伐したポイントによってあがることは知っているが、スキルはどうやるんだっけ?以前やったことのあるRPGでは、確かスキルの書ってのがたまにドロップして、それをスキルに張り付けることであがったような気がするが…。

「スキルレベルってのは、魔力量の比例するであります。ハヤト様の魔力量は確か17…今日の討伐で4つあがってますから、今は21でありますよ。一般人の魔力量が30から50ですから、その半分ってとこであります。魔力量は魔物を狩っていけば蓄積されるから、頑張るであります!」


「頑張れって、お前たちが狩ってしまったんじゃねぇか。だったら、俺が狩る分、残しとけっつうの!」


「あら、そんなの早い者勝ちに決まってるじゃな~い。」


「早い者勝ち?そうなのか?リオン。」


「いや、パーティを組んでる目的によるが、今回はハヤトに経験を積ませるためのパーティなわけだから…」


「聞いてないわね。私は、彼に借金があるから、とっとと返したいだけだし。」


「うん、確かに借金返済まで働いてもらうとは言った。言ったよ?けど、限度ってもんがあるでしょうがっ!トパの火力はオーバーキルなんだよ。」


「それは私も認めるわ。何たって、魔力61000、たかだか2ケタの魔力した持たない誰かさんのレベルにあわせるって、無理ぃ~」


「ふん、たかだか61000程度でしゃしゃり出てきたわけでありますか?私、88000、もうちょいでカンストでありますが?」


「ぐっ、確かにエルム殿の魔力は驚異だわね。でも、私だって本気でレベ上げすれば、1か月で追い抜くわよ?」


「1か月ですって?やってみるでありますよ!せいぜい廃人になりませぬようにね。」


不毛な言い争いだが、言わんとすることはわかった。要するに、討伐依頼をこなしていけばいいわけだ。絶対防御もきっと、10になれば全ての物理・魔法攻撃に耐えられるはず。3次元コピペも、ゆくゆくは、好きな料理、好きな車、好きな女…ニヒヒヒヒ…


あ、また余計なこと考えた。声に出てた?3人の視線が冷たい…。と、ともかく、今回の討伐証明にもなる魂石が膨大な量になり、リヤカーでもと思ったのだがコピペできず、やむなく一人用の台車は出せたので、これを4台とミカン箱を8つ、これに魂石を詰め込んで来た道をゴロゴロと台車を押しながら、『ある日森の中』の一同が一列縦隊で引き返す姿は、きっとすれ違う人々に奇異と憐憫の情を与えたに違いない…。


……………


ギルドに到着したのは午後3時。まだこの時間は依頼に出ている冒険者が大半で、ホールも閑散としている。代表者の俺が依頼完了報告書を記入し、それぞれのギルドカードと共に提出する。今回はパーティとしての依頼達成のため、ポイントも報酬も4等分することとした。2匹ほど不満げな顔をしていたがそこは新たに覚えたスキル、華麗なるスルーで。


というわけで、俺は一日にして、Eランクへと上昇した。Dランクまでは誰でも割と簡単にあがるらしい。DからCとなると、よほどの熟練者でも1か月、普通は半年から1年かけてあがるらしい。さらに、CからBとなると5年、Aになれるのは冒険者の内の0.2%程度らしい。その上にSランクというのがあるらしいが、これは名誉職みたいなもんだろう。


依頼達成報酬は、薬草採集が8000ドン、ゴキゴリー10匹討伐が3000ドンで、3回分だから9000ドン、合計17000ドンだった。依頼外の魂石はギルド内の購買所で買い取ってもらえ、こちらはゴキゴリーが1個200ドン、マダラウォルフが1000ドンで合計すると40600ドンの収入。依頼達成報酬とあわせて57600ドン、一人当たり14400ドンの収入だ。なかなか悪くない。


「てことは、これで私の借金はチャラね、自由だわね?」


「おい、あと5000ドンほど足りねぇだろうが!てか、今日の収入、全部、借金返済にあてていいんだな?」


「あ!それはない!えっとー、とりあえず今日は3000ドンだけ返すってことで、だんな、よろしく、えへへ。」


そう言うと分配した報酬の中から3000ドン分の硬貨を俺に押し付け、そそくさと出て行こうとするエルフっ娘…の襟首を捕まえた。


「どこに行くのかなぁ?まさか、競犬場なんてこたぁないよな?」


「は、離せっ!今ならまだ最終レースに間に合う!今日のシンガリドルフはねらい目なんだ!これにつぎ込まずして何につぎ込む!」


「やめとけやめとけ。とりあえず、お前は1年間、競犬禁止な。」


「な、なんでお前に指図されなきゃならんのだ!」


「そりゃ、パーティのリーダーとして、メンバーの私生活管理は大事な仕事だし、今朝遅刻したペナルティもあるぞ?どうしても行くってなら、エルムの呪縛をかわしてから行くんだな。エルム遠慮いらんぞ、縛りあげろ!」


「了解であります。エルフっ娘、覚悟はよろしいでありますかっ!」


「だ、だんなぁ、そんな殺生なぁ。後生でありんす、今宵、今宵のほんの1レースだけ見逃しとうせ」


「どこの花魁だよ、お前は。ま、それはともかく、今日は俺の目出度い冒険者デビューだ。みんなでパーッと飯でも行こうぜ。もち、俺のおごりだ!」


「おー、いいねいいね。汗かいたあとの小豆酒…たまんねぇんだよな。」


「食べるであります!力いっぱい食べるであります!行きましょう、さぁ行きましょう!」


ふと思い出した…今日の昼食を…あのペースで食われたら…たぶん、今日の報酬だけじゃ足りんな。言ってから後悔する、まぁいっかー、今日だけな!


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