第七話 嬉しい一日
「高田!!音色ちゃん!!」
突然後ろから呼ばれた。この声はもしかして…
「越智…どうしたの??」
やっぱりエセ王子だ。気安く人の名前呼ぶんじゃねぇよ…。
「いやっ…あのさ今度の土曜日みんなで飯でも行かねぇ??」
みんな…私を入れるなよ。勝手に。絶対行かねぇ…。
「マジで!!みんなって…もしかして龍斗くんも一緒??」
私の横では嬉しそうに顔を輝かせる優子が聞く。
「うん!!龍斗が音色ちゃんとお近づきになりたいってさ!!俺は高田狙いね!!」
笑いながらロミオは言う…ってマジかよ!!龍斗くんが私を…
「やったじゃん音色!!もち行くでしょ!!」
私は黙る。うぅ…嫌だけど嬉しい。どうしたものか…。
「じゃぁオッケってことで!!」
ロミオは爽やかな笑顔と香りを残して去って行った。
「やっべぇ誘われちったよ!!何着て行くよ音色ぉ!!」
優子は少し赤くなった頬を手の平で冷ましながらはしゃぐ。
「え…行くんだ…」
少しパニック状態に陥りながらも私は冷静に答えた。
「当たり前じゃん!!今日は学校の帰りにショッピング決定だな!!」
一人で盛り上がる優子に思わず溜息がこぼれる。
ふと校舎に目をやると窓から下を覗いていた龍斗くんと目が合った。
龍斗くんは爽やかな笑みを浮かべるとヒラヒラと手を振る。
硬直してしまった私はひきつった笑顔で手を振り返した。
「………」
どうしよう!!龍斗くんと目が合って手まで…もう死んでもいいかもしれない!!
「ちょぉっと音色ぉ!!いい感じじゃん!!行くっしょ??ショッピング♪」
優子が私の肩を小突きながらニヤニヤ笑っている。
「う……」
黙り込む私に優子は不思議そうな視線を向けた。
「やっべぇ!!!!何着て行くよ????」
思わずテンションマックスになってしまった私は大喜びの優子と手を取り合った。
そうして私達は放課後も何故かハイテンションのままでショッピングに出かけた。
私達の楽しい時間は夜遅くまで続き、次の日恐ろしく疲れていることに気付くのだった。
ああああああああ〜…遅くなりました…。あの…申し訳ございません…。これからもよろしくお願いします…。