第六話 友情
「・・・・・・・。」
私達は硬直していた。音色の前には涼子ちゃんが倒れている。無傷の音色は涼子ちゃんを見下ろしている。
「もう立てないっしょ??気済んだ??」
音色は含み笑いをしながら、そう吐き捨てると人混みの外に出た。
「ねっ・・・音色!!」
私とお兄ちゃんは音色を追いかけて人混みを離れた。
「ごめんな…俺のせいであんなことになっちまって…」
お兄ちゃんは音色の前まで行くと頭を下げた。
「…いいですよ。私は大丈夫ですから。」
音色はまた柔らかな笑顔を浮かべた。
「あ…ああ…」
その豹変ぶりにお兄ちゃんも驚いているようだった。
「あの…今日は帰ります!!またお邪魔していいですか??」
音色はそんなこと気にもとめてないように穏やかな口調だった。
しかし何か不思議な威圧感が彼女にはあったのだった。
「ああ。いつでも来てくれな。」
お兄ちゃんは笑顔で応えた。しかしお兄ちゃんの顔は微かにこわばっていたのだった。
それから音色はちょこちょこ集会に顔を出すようになった。
いつの間にか私と音色は何でも話し合える親友になっていった。しかしあれから音色に喧嘩を売る人は誰もいなかった。
そのうえ私のお兄ちゃんは音色に喧嘩の仕方のノウハウを教え込んだ。必要無いのに。
そして音色は普通の女の子ではなくなった。族の中でも異色な女として恐れられている。
「お…優子!!お前元気してんのか!!」
帰宅すると、もうすでにお兄ちゃんは帰って来ていた。
「おかえり!!」
私はお兄ちゃんに飛びついた。
「うお!!お前は相変わらずだな!!音色は元気してっか??」
私はニッコリと笑って頷く。
まあ私達はこんな感じで友達になったわけだけど。
音色と友達になれて本当に良かったって思ってるよ!!
これからも大親友でいようね!!音色!!
恐ろしく遅くなってしまいました…。申し訳ありません。。これからは頑張ってアップしていきますので、どうかよろしくお願いします。