僕に補助線をくれないか
どうにもならなかった図形が
一線で ほどける
幾何の迷路を彷徨った末
空白に差す
一本の線
そこから流れ出す論理は
まるで
心の隘路に光を射すようで
解けたというより
通じた
それが嬉しかった
そんな補助線に出会いたい
なんでもなかった図形が
一線でうかびあがる
幾何の一本道を突き進む先
多面体に差す
一本の線
そこから流れ出す創造は
まるで
心の好奇に光を射すようで
解けたというより
見つけた
それが驚きだった
そんな補助線を探してる
どうにもならなかった人生が
一線で 見違える
前提すらわからない毎日に
ある角度から指す
一本の線
それが映しだす風景は
まるで
心の降着を光で溶かすように
その線は 君の声かもしれない
あるいは僕の選んだ直感かもしれない
内側から切り出された面に
光が射しはじめる
証明というより
実感だ
それが 生きていることだった
僕に補助線くれないか
お読みいただきありがとうございます。