40話:海とお家でゲーム
「るい、入るぞ〜!」
「うん、入って大丈夫だよ」
海は僕が返事をしたのを聞いて部屋の扉を開けて中に入ってきた。
今日は土曜日だから久しぶりに僕の家でゲームをすることになったんだ。
海の所属しているサッカー部は朝に部活をして午後はオフみたい。朝早くから部活をするなんて本当大変だと思うよ…
「うぉっ…るい…それ…新しい服だよな…」
「う、うん…この前ショッピングモールに行ったときに後輩の胡桃ちゃんに買ってもらったんだ…」
「胡桃ちゃんが…?胡桃ちゃんはるいが女装すること知ってたんだな」
「いや…知ってたわけじゃないんだけどバレちゃったんだよね…胡桃ちゃんそういうの好きだから着せ替え人形みたいに服をたくさん着せられたんだよ。そのときにもらったやつかなこれは…」
今は胡桃ちゃんが選んでくれた赤色のカーディガンに白いズボンを履いている。白いパフスリーブブラウスに膝丈の黒いスカートの次にこの服の組み合わせが気に入っているんだよね。
「そ、その…あ〜…なんだ、えーっと…に、似合ってるぞ…その服装…」
「う、うん…ありがと…」
なんか海に褒められると他の人に褒められる感覚となんか違うんだよね…
心がムズムズするというか…う〜ん…なんて言えばいいんだろう…わかんない…!
そうだ…!こういう時はゲームで気分転換でもしよう!元々海が家に来たのは一緒にゲームをするためだしね!
「じゃあ…海ゲームやろうか…!」
「ん…?お、おう…なんか急だな。まぁいいぞ、それで何のゲームをするんだ?」
「この格闘ゲームだよ…!」
このゲームは基本的に相手を場外にしたら勝ちという格闘ゲームなんだよね。好きなキャラが選べてそのキャラ事に使える技が違うんだ。だから相性とかタイミングを考えて使うんだよね。
「あ〜…これか、いいぞ。でもるいってこれ確か苦手なゲームだったよな…?」
「前はね。配信外で雌黄にこのゲームをびっしりしごいてもらったから今の僕は前の僕とひと味もふた味も違うよ…!」
「…フラグとして受け取っていいか?それ」
「いや…!今回はフラグとかそういうのはないから!」
このゲームに関してはネタ抜きで結構上手くなってるんだよね。海相手でも大敗はしないと思うレベルには。
ゲームを始めてキャラを選択する画面になった。
僕が使うキャラは相手を取り込んで能力をコピー出来るやつだよ。海は剣と盾を持った勇者にしたみたい。海はいつも本気でやるときは勇者でくるから最初から本気モードだね…
僕も最初から本気でいかないと…!
ゲームがスタートして、まずは僕が海の能力
を吸収するために一気に近付いた。
「うぉっ…」
海は僕が一気に近付くのは予想してなかったみたいで少し驚いた様子で反撃が少し遅れた…
だから海の攻撃は簡単に避けれて僕は海の勇者を取り込んで勇者の能力を手に入れた…!
「まさか初めから突っ込んでくるとは…」
「前までのボクとは違うからね…!」
僕は弓矢を遠距離から互いに撃ち合って様子を見る…
しびれをきらした海はこちらに猛スピードで攻めてきた…
僕は海がそう来ると予想していたのでこのキャラの剣を構えて技をためる…
そして海が来た瞬間に技を開放したが…
「そんな遅い技当たらないぞ…!」
そう言って海は空中で一回転して僕の後ろに周り、ため技を使ってきた。
その技が直撃して僕は吹き飛んでしまう…
なんとか立て直そうと思ったけど、海は追撃で何回も吹き飛ばし結局場外になって僕が負けてしまった…
「やっぱり海は強いね…全然勝てないや」
「まぁそりゃあ家でめちゃくちゃやってるかなぁ…それにるいは昔に比べたら相当このゲーム上手くなってるぞ。前なんて戦闘になってすらいなかったからな」
「あのときは本当にゲームがダメダメだったからねぇ…本当雌黄様々だよ…!雌黄はゲーム教えるのがめちゃくちゃ上手いんだよね」
「あのキャラで…?」
「うん、さっきの最初に一気に近付くのも雌黄が考えたやつだしね」
「ほ〜ん…人は見かけによらないんだな…」




