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番外編02.ユガレイVSキュリア

別小説【受け身で習得するチートスキル~冒険者パーティーを追放されたが、ドM向けな魔法を悪役令嬢から授かったので英雄になれるみたいです〜ですがショタワンコにされました、ぴえん】と繋がる物語。


「さて、今日はお前の処遇を決めるべく。

ボスに相談するからな」



グアル・パルド

数少ない猫族の1人でグリムリペアのNo.4。

黒髪、メガネの長身の青年。

影を操る『影法師』である。


グリムリペアは9人で構成されている少数の闇ギルドだ。


しかし、人数は少ないが一人一人が優秀であり、三大闇ギルドの一角として謳われている。


グアルはこれからユガレイをグリムリペアに引き込むかどうかをボスに相談するそうだ。


グアルとしては戦力になるから引き入れたいところ。




「ボス、ナニソレオイシイノ?」



ユガレイ。

銀髪で猫耳があり、右目が緑で、左目が青という珍しいオッドアイ。

グアルが仕事の帰りに拾ってきた。

好物はその時食べたシュークリーム。


記憶がないせいか言葉がカタコトになっている。



「俺たちグリムリペアのボスだ」



「グリムリペア? ナニソレオイシイノ?」



「お前の頭ん中は食い物しかないのか…」



わからない単語が出る度に食べ物の確認をするユガレイ。


身体能力は申し分ないが、頭の方が苦労しそうだと、頭を抱えるグアル。




それから数時間が経った。




ガチャッ



「久しぶり~」


つばの大きい帽子をかぶった少年がやってきた。

右目には魔法陣が書かれていて角と尻尾がある。


キュリア・ロザリオ。

グリムリペアのギルドマスターでギルド一の魔族であり、魔法と武道の達人である。



「妾も来たぞ。本日のおすすめの紅茶を用意するのじゃ」



リア・スカーレット。

個性的な赤と黒のドレスを着たオレンジ髪で頭に角がある少女。


グリムリペアのNo.2で空間女帝という2つ名を持つ。


少年、少女のなりだが実は2人とも289歳だ。



「よう! 元気かー!!」



ドナー・ボルト。

右目が眼帯で金の短髪と髭を生やしたグリムリペアのNo.3。

雷を纏う固有魔法を扱える。



「ボス…! リアとドナーも来たのか。

実はこいつのことで話があるんだ」



グアルはユガレイについて話を切り出した。

連絡はグリムリペアのNo.9 ノイモ・シーミーによって情報が行き渡るので前もって伝わっていた。



「このみすぼらしい奴が例のやつか?」



リアの言葉にユガレイはムッとして指を差した。

ユガレイは言葉があまりわからないが何となく悪意は分かるようだ。



「.......……ロリ」



ちゅどーん!!



「ブボバフェ!?」



ユガレイを中心に突然爆発が起きて倒れた。

これはリアの空間魔法『エクスプロージョン』。


指定した空間の空気を高速で圧縮させて、一気に解放することで爆発を起こす。




「何か言ったかのう、この下等生物が」



「…店の壁壊さないでくれよお姫さん」



リアの魔法で店に穴が空いてしまい文句を垂れるグアル。


そして、ユガレイの素性を詳しく説明した。



「なるほど…それならまずは僕がこの子の記憶を読み取ろう。記憶喪失でも僕の闇魔法なら大丈夫だから」



グアルがボスに相談する最大の理由がこれだ。

キュリアの闇魔法で相手の頭の中を読み取ってもらうというもの。


記憶がなくてもこれでユガレイの正体が分かるのだ。



「では、いくよ。

精神に潜む闇の力、深く深く奥底に眠る記憶の宮殿、引き寄せる大いなる力によって、我が元に姿を現せ。

闇魔法『ブレイン』」



闇魔法『ブレイン』

闇魔法の引力を使って脳に刻まれた記憶を引き出す魔法。

記憶喪失だとしても可能だ。




「...ダメみたいだ」



「嘘だろ!?」



キュリアの発言に驚愕するグアル。



「君と出会った辺りの記憶より昔の記憶がないみたいだ。まるでその時に産まれた赤ん坊のように…」



ユガレイの記憶は完全に存在しないと言い切るキュリア。



「…まぁ、なんにしても害がある訳でもないだろう。うちは人手不足だから戦力が欲しい」



キュリアで読み取れない記憶は存在しない。

何かの組織のスパイで記憶が消されていてもキュリアの闇魔法は絶対だ。



「そうだね。僕より強いとは思えないから仮に反旗を翻しても大丈夫だよ」



「妾も同感じゃ」



「ガッハッハッ! 俺もそう思うぞ!」



キュリア、リア、ドナーもかなりの実力者。

余程のことでない限り負けることはない。



「それじゃあ、この子の実力が見たいから庭に移動しようか」



「だ、そうだ。ユガレイ行くぞ」



「タベモノアル?」



話がよく分からなかったのか食べ物のことを聞くユガレイ。



「…ボスから一本取ったらシュークリームをやろう」



「ヤル!!!」



すぐに返事をするユガレイ。

そして、キュリアとユガレイの一騎打ちが始まる。




「さぁ、どこからでもかかっておいで。

僕に攻撃を当てることができたら君の勝ちだ」



「ワカッタ!!」



ギュン!!!



余裕のキュリアに猪突猛進に襲いかかるユガレイ。


しかし、



「ははは。動きが単調だよ」



ユガレイの動きに対して最小限の動きで受け流すキュリア。



「フオオオオオオ!!」



更にスピードを上げるユガレイ。

しかし、



「スピードは中々だけど…それ!」



キュリアはパンチしてきたユガレイの腕を掴み、その勢いを利用して投げ飛ばす。




「ウワアオ!!」



ユガレイは大の字で地面に叩きつけられた。



「やはり大したことないのう」



「ガッハッハッ! 若いんだからこれからだ!!」



ユガレイの実力はまだまだと言うリアとドナー。

戦力外通告をしようとしたその時。



「マダヤル!!」



立ち上がるユガレイ。



「受けて立つよ。何度でもかかっておいで」



余裕のキュリア。

しかし、ユガレイは先程よりも更にスピードが上がった。



「さっきより速いね。でも速いだけじゃ僕には通用しないよ。…それ!」



またユガレイを投げ飛ばそうとするキュリア。

しかし、



「え?」



ユガレイは投げ飛ばされたかと思われたが、体制を変えてその力を利用し、キュリアにカウンターを仕掛ける。



「これは驚いた」



ユガレイはたった1回の対戦でキュリアの武術に対処したのだった。

更に攻撃を仕掛けるユガレイだったが。



「そう来るならこれはどうかな?」



キュリアの関節極めで動けなくなるユガレイ。



「.....ウ、ウゴケナイ......。」



これで勝負あったかと思われたが



「シューーーークーーーリーーーームーーー!!!!!」



ユガレイは力任せでキュリアの関節極めを解き、更に投げ飛ばした。



「おっとっと.......これは凄いね」



キュリアは問題なく着地したが、その瞬間ユガレイは突進してくる。


しかし、



ズドン



「…グ、ハァ…」




ユガレイの攻撃に合わせて溝落ちに重い正拳突きをカウンターするキュリア。

そして、ユガレイは気絶した。



「いや~ゴメンゴメン!

思わず力が入っちゃった」



予想以上の実力に手加減が出来なくなったキュリア。

その光景にドナー、リア、グアルも驚いていた。



「最初は速さだけかと思ったがまさかこんな早く成長するとはのう。まぁ、どのみち妾たちには遠く及ばないがのう」



「ボスの武術は超一流だ。

一部とはいえそれに対処する才能と、ボスの極めを力任せで振りほどく怪力は使える」



かなりの働きを期待しているグアル。



「でも、このままじゃまだ任務には参加できないね。

僕が武術を仕込んでグアルが勉強や身の回りのお世話をするでどうだろうか?

これだけ飲み込みが早ければすぐに強くなるよ」



これによりキュリアはユガレイに修行させるべく、暫くの間山に籠るのであった。


しかし、その修行はあまりにも過酷で…


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


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