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13.トワルの過去

別小説【無能転生~冒険者パーティーを追放されたが、受け身で習得するチートスキルを悪役令嬢から授かったので英雄になれるみたいです〜ですがショタワンコにされました、ぴえん】と繋がる物語。



ジャブラの幹部、蛇刀・アングイス、ネクロマンサー・キマネ、ビーストアーマー・ガレオを倒したシエラ、トワル、グアル。


一息つけると思ったグアルたちであったがジャブラのギルドマスター。

フォルザトラの圧倒的な魔力によって押し潰される。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。



「私の部下を倒した実力は認めましょう。

しかし、上には上がいるのです」



自身の力を誇示するフォルザトラ。



「…く」



「…これは…かなりのピンチだね…」



身動きの取れないグアルとトワル。



「最も私と手合わせできるのは」



シュパ!


そこへシエラだけはその押し潰す魔法を抜け出して、フォルザトラの背後に回る。


ヒュン!!


ギン!!


刀で切ろうとするが何かに防がれて刃が通らない。

その瞬間、グアル達にかかっていた魔法は解除されたが全身を痛めて思うように動けない。



「そこのお嬢さんだけみたいだ」



シエラの斬撃を防いだフォルザトラは、シエラを何かの力で弾かれて後ろへ下がる。




「一体どんな魔法?

あなたに刀が触れる直前で止まってしまう」



確実に不意をついたはずなのに防がれたシエラは構えながら問いかける。



「これは私の固有魔法『ベクトル』

力の方向を与える魔法だ。

私の周辺の外側に力を与えれば、斥力のような力でお嬢さんの刀を遠ざけて、君たちの頭上に下方向の力を与えれば、重力で身体が動かないような現象を起こせる」



フォルザトラが喋っている時にシエラは攻撃を仕掛ける。



「滅魔流『魔空一閃』」


『魔空一閃』はシエラの飛ぶ斬撃。


ズババババ!!!


しかし、数発放った斬撃はフォルザトラを逸れて周りにある木々を切り倒した。



「飛び道具といえども関係ない。例え魔法でも私には届かない。剣を極めても魔に勝てないのは道理だ。そして、人族が私に勝てないのも道理だ。なぜなら私は魔族なのですから」



魔族。

それは、人族とは比べ物にならないほど魔力を持った一族。



グアル

「リアと…同じ…魔族だと」



そして、グリムリペアNo.2。

リア・スカーレットも魔族だ。


それを知ったグアルは手の打ちようがない事態だと気づく。



「特別にお嬢さんにはそこにいる若人たちの10倍力を与えてあげましょう。

跪きなさい『ベクトル ジバイシュ』」



『ベクトル ジバイシュ』はグアルたちを押し潰していた魔法。

シエラには更に10倍の力を与えて潰そうとする。




「くっ」



そして、倒れ込むシエラ。



「やっと動きを止められましたか。

最初のベクトルを抜け出した時は驚きましたがもう動けないようですね。さぁこのまま押し潰して差し上げましょう」



さらに、全員に『ベクトル ジバイシュ』を掛け始めて押し潰そうとするフォルザトラ。


しかし、



「…そうは…いかないよ…」




トワルは諦めていない。




時は遡り10年前



超科学都市『ラディソス』に暮らす当時40歳のトワル。


『ラディソス』では魔法と科学を組み合わせた技術で、帝国や大教会とは比べ物にならないほど発達をした近代都市。


魔法を動力とする魔導車があり、トワルの妻である当時40歳のファルマ・チースタ(トワルと結婚後アレニエ)が事故で危篤状態となってしまった。


そして、病院に駆けつけたトワルだったが…



「大変申し上げにくいのですが奥さんはもう…」




「そ、そんな、なんで…こんなことに!

灰になるまで一緒にいようって誓ったのに…あんまりだ!」



病院看護師に奥さんであるファルマは、もう助からないと告げられて倒れ込むトワル。


しかし、



「ひっひっひ、お困りのようだね」



そこへラディソスの最高責任者ラルスが現れた。



「あ、あなたは?」



ボイスチェンジャーと仮面で声と顔がわからないからトワルが問いかけたが、ラルスを知らない人間はラディソスにはいない。



「私なら君の妻を助けられるかもしれないよ?」



危篤状態の妻を助けられると言うラルス。



「お願いします! どうか…僕の妻を…助けてください!」



縋るような想いで頼み込むトワル。




「ひっひっひ! 任せて任せて」



その助ける方法というのはラルスが行っている不老不死の人体実験であった。


そして、数日後。



「あぁ、良かった。あなたのお陰で妻の一命を取り留めた。ありがとうございます。本当にありがとうございます!」



もう助からないと言われたファルマの一命を取り留めたことに誠心誠意のお礼を言うトワル。



「ひっひっひ! 礼には及ばないさ…タダで人体実験をさせてくれたんだからね。

それよりいいのかい? 君も私の不老不死の人体実験を受けて?

君も奥さんも永遠に生きることになるのに」



人体実験はファルマだけでなくトワルも受けたようだ。



「このまま死なせるくらいなら不老不死になった方がマシです。それに愛する妻だけ不老不死にする訳にはいきませんから。これからは永遠と呼べる長い年月を共に生きる覚悟です」



いくらなんでも不老不死になるなんて、トワルは後先考えてないんじゃないの?

って思った方々も多いはず。

しかし、それを語るのはまた今度。



さらに数週間が経った。



「ば、バカな、なんだこれは…若返ってる…?」



自身のシワや肌荒れがなくなり若返っていることに気づくトワル。


そして、まだ目覚めないが病院で安静にしているファルマを確認したら明らかに若返っているのが分かった。


そして、トワルはラルスのところへ行き、問い詰める。



「ラルスさん! これはどういうことですか?

身体がどんどん若返ってる!」



不安と焦りを隠しきれないトワルに対してラルスは余裕な態度で返答する。



「ひっひっひ! お知らせありがとね。まぁデータを取っていたからもう知ってるけど」



病院で眠っているファルマに対しては常に管理し、トワルには虫型のロボットで常に監視していたラルス。



「ど、どういうことですか!?」



知っていて何も言わないことに怒りをみせるトワル。

しかし、ラルスは淡々と説明する。



「要するに不老不死の実験は失敗ということだ。

そして、その代償として身体がどんどん若返って最終的には胎児まで若返り死に至るようだ」




「そ、そんな」



「しかも奥さんの方が早く若返っているみたいだね。事故の代償かな?

さらに記憶までもどんどん過去に戻っているようだ。君と出会う前の姿まで若返ったら君のことを忘れるだろうね」



「僕の…ことを…忘れる…?」



「まぁ、どんなことが起こっても責任は問わないという契約をしたから恨まれる筋合いはないからね。こっちはデータが取れて満足満足。

ひっひっひ」



ラルスの不老不死の実験は失敗ということが発覚。

そして、その代償として身体がどんどん若返って最終的には胎児まで若返り死に至る。


しかも事故の代償のせいかファルマの方が早く若返っていて、さらに記憶も過去に戻り、トワルと出会う前の姿まで若返ったらトワルのことを忘れる。



その日はラディソスでは雨が降っていた。


まるでトワルの悲しみを表すかのように激しく降り注いでいる。


傘もささずにずぶ濡れになり途方に暮れるトワル。



「…僕はどうしたら…」



俯いて地面に座り込み、絶望の表情を浮かべるトワル。



「おやおや、お困りのようだね?」



その前に現れたのは、目や手、身体にハイテクな機械を装着した灰色の髪をした細身のおじいさんが現れた。

そのくせ、オシャレとはとても言えない縦柄の服と繋ぎに便所サンダルという奇妙な格好している。


そのおじいさんは、グリムリペアの悪魔の頭脳。

クレスト・キオールだった。



「…あ、あなたは?」



顔を上げるトワル。



「ワシと来るかい? 君たちの若返りを抑制できるかもしれないよ」

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


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