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06.最凶最悪の傭兵団アラク

別小説【受け身で習得するチートスキル~冒険者パーティーを追放されたが、ドM向けな魔法を悪役令嬢から授かったので英雄になれるみたいです〜ですがショタワンコにされました、ぴえん】と繋がる物語。



「ママーあいつの顔がわかったのか!」



ユガレイは子供のように聞いてきた。



「アタシの覗きスキルを甘く見ちゃダメよ、ユガレイちゃん」



ノイモは、おねぇ口調で子供をあやす様に話しかけた。

ノイモにとってユガレイは子供のような認識である。



「……それ以外何かあるか」



このメンツの中で最もまともなグアルが口を開いた。

既にツッコミに疲れた様子である。



「東洋の死神は読み通り、あの組織と関わりがあるみたいね。

と言ってもたまに手を貸すサポーターみたいなものだから深い関わりはないみたいだけど」


ノイモの情報によると追っている組織と関わりがあるみたいだが構成員の1人ではないらしい。



「最凶最悪の傭兵団【アラク】か」



グアルは追っている組織の名前を出した。



「せいかーい、ただ、不思議なのよね。

組織や傭兵団と名乗る割には人数が3人しかいないのよね」



ノイモは正解を言い当てたグアルに色目を使いながらテンションを上げた。

しかし、疑問点はあるらしい。



「東洋の死神の情報からヤツらに近づけるか?



「気が進まなかったけどすでにアタシのベイビーちゃんがアラクを尾行中よ」



イケメンな東洋の死神をずっと眺めていたいそうだったが仕方なくアラクの方に専念することにしたそうだ。



「さすがだな」



グアルはその心理に気づいていたがスルーした。



「それと、ここから西に大教会デウスの支部があるわ。

アタシそこの人たちと仲良くしているのよ。

よかったら紹介するわ。

力になってくれるかもよ」



大教会デウスは世界的に有名でそこの人間と仲良くしているそうだ。

実はある任務で契約を結ぶために動いている。



「デウスか……敵対している訳じゃないが神を信仰してる訳じゃないからな」



デウスなどの宗教が嫌いと言う訳では無いが合理主義のグアルは肌が合わないらしい。



「神様っておいしいの?」



子供のような好奇心で喋りだしたユガレイ。

無神論者とかそれ以前の問題のようだ。



「あら、ベイビーちゃん23号から連絡が入ったわ

……ぎゃあああああ!!!!」



突然、この世の終わりのようなすごい形相で叫び出したノイモ。



「!?どうした!」



普段からふざけてオネェジョークを言うノイモだが、これはマジなやつだとグアルは判断した。



「アタシの知り合いがいる教会がアラクに襲われている!

なんでええええええ!!」



どうやら西にある大教会デウスの支部が尾行中のアラクに襲われているそうだ。



「ママー西ってどっち?」



唐突に聞いてきたユガレイ。



「あっちよ」



ノイモは涙と鼻水と、その他液体まみれになりながら答えた。



「おい、お前さんまさか」



グアルはユガレイが何を考えているかわかったようだ。



「ママの友達がピンチなら助けに行かなくちゃ!」



ユガレイの言葉にグアルの予想は的中した。



「深追いするなと言われているだろうが!」



あくまで任務優先を考えるグアル。

それだけではなく、かなりの手練と聞いているから返り討ちに合う可能性があるのでグアルは止めようとする。



「それはリンキオウヘンである!」



「いや、お前さん、あんま意味わかってねえだろ」



よくわからないのに喋ることがあるユガレイ。

それに突っ込むグアル。



「お願い! 救えるなら救ってえええ!

ユガレイちゃん、グアルちゃん!」



ノイモは涙と鼻水と、その他液体まみれになりながら懇願した。



「……その友人だけだぞ、戦いは避ける」



あくまで友人を助けるだけにするグアル。

これが許容できるギリギリの範囲だと釘を指した。



「了解!」



_______________________



そして、こちらは西にある大教会デウスの支部。

教会は支部とはいえかなり広めの敷地だ。

しかし、アラクの襲撃でボロボロになっていた。



「ひょっひょっひょ、教会の守護獣がどれほどかと思えばこのざまか」



アラク構成員【多刀のパーシャ】


金髪の個性的な髪型に長いベロが特徴。

その背後には教会の守護獣【ミノタウロス】が数十本の剣で串刺しになっていた。


しかし、もう一体の守護獣がパーシャに襲いかかる



「ぐおおおおおおお!!!」



その瞬間、守護獣は首、胴、腕、足を切断された。



「またつまらぬものを切ってしまった」



やったのはアラク構成員【無刀のジン】。

手刀や脚で斬撃を繰り出す体術の達人だ。


銀髪でマスクをしている上に無口なので愛想がないと指摘されるのもしばしば。



「クハハ、ここの教会の支部は殲滅完了か。

ワシの出る幕もなかったな」



教会の人達を惨殺して、その死体の山に居座ってワインを口にしながら勝ち誇っているのはアラク首領【呪いのイワン】。


フードを被った老人で勝利をするとワインを飲む習慣がある。


今回はパーシャとジンのみで教会を殲滅したそうだ。



「さて、そろそろ本部の情報を探そうかのう

世界帝国の王様が欲しがっているからね」



イワンは、ある任務で教会に訪れていた。

それは大教会デウスの本部の情報を手に入れること。


そのために教会の人間を全員抹殺をしたという恐ろしく残忍な性格である。



「おや? まだ立てる子うさぎがいるのか」



一人殺し損ねていたシスターが立ち上がった。

金髪で長い髪をしたエルフ族のシスターだ。

しかも、彼女はノイモが言っていた友達である。



「こ、ここで無様に死に様を晒すつもりはありません

教会に仕える者として最後まで抗います!」



教会に仕える誇りと信念で立ち上がったシスター。



「そんな傷だからけで何を抗うって?

シスターさん」



パーシャは嘲笑うかのように聞いてきた。

その時、エルフのシスターは詠唱を始めた。



「冷気の精霊、凍れる息吹、氷槍にて邪を穿て!

【氷魔法グラスロンス】!」


中級氷魔法【グラスロンス】

4つの巨大な氷柱を作り出して攻撃する。

貫かれた者はすぐに全身が凍りつく。


しかし、パーシャの空飛ぶ剣で相殺された。



「浮いた武器の攻撃でオイラにかなうと思っているのかい?」



パーシャは剣を自在に操る魔法を使う。

それゆえ、どんな大型の魔物でも首を跳ねたり串刺しにしたりすることは容易い。



「くっ!」



エルフのシスターは魔力を使い果たして倒れた。



「力尽きたか.......では、トドメと行こうか!」



エルフのシスターの真上に襲いかかる一本の剣。

絶体絶命かと思われたが。



ドキューン!!

ガキーン!!



「!?」



パーシャの剣にエネルギー弾が当たり弾け飛んだ。



「あーあ、もうやるしかないみたいだな」



グアルとユガレイが到着した。

戦闘は避けると言っていたが状況が状況だったのでユガレイの狙撃を許可した。


もう戦うことは避けられないと頭を抱えるグアル。


そう、パーシャの剣を弾いたのはユガレイのエネルガンだ。



「でしょうねー」



してやったぜと言わんばかりのユガレイ。



「あそこにいるシスターさん連れておさらばできないだろうか」



状況の諦めとユガレイの態度の呆れで柄にもないジョークを飛ばすグアル。



「聞いてみよっかー。

すいませーん、そこの人と俺ら逃がしてくれませんかー?」



そのジョークに乗るユガレイ。

しかし、パーシャは無言で剣を真上から降らした。


その剣に、またエネルガンで弾き返した。



「だよねー、じゃ、逃げるの無理だから正当防衛だよねー」



ようやくユガレイの茶番が終わったようだ。



「自分から突っ込んでおいて正当防衛なんて成立しないだろ」



グアルの発言にまたもツッコミ。

いつものやり取りに戻った。



「何者だ」



イワンが不服そうな声で口を開いた。



「貴様らに情報を渡すとでも……」



それに対してグアルが返答したが



「グリムリペアNo.4 ユガレイ!」



「おい!!!!」



ユガレイはすぐに情報を流してしまったのですかさず怒鳴るグアル。




「クハハ、自ら情報を流すとは、思考が緩いようだな」



イワンは2人を馬鹿にするように嘲笑う。



「……えー?」



その時、ユガレイはグアルを凝視した。



「俺を見るな! お前さんだ!」



またまたすかさず突っ込むグアル。



「グリムリペアか、噂には聞いているがたった2人なら我々だけで十分だ。

パーシャ、ジン! 始末しろ」



イワンはパーシャとジンに抹殺命令を下した。



「御意」



ジンは手短に返事をする。



「了解だーリーダー」



パーシャはふざけたテンションで応じる。

2人は両極端な性格をしている。



「あの2人アールモールとは格が違うな

ユガレイが本気を出してリアたちにバレると面倒だ

久しぶりに俺も戦うしかないか」



ほぼ参謀で暗殺を主にするグアルは、ガチの戦闘をあまりしない。

ユガレイが本気を出すと派手に破壊する。


なので、ユガレイの負担を減らすためにグアルは戦いに参戦するとのこと。



「どうするー?」



子供のように聞いてくるユガレイ。



「接近戦のあいつは俺がやる。

お前さんは剣を飛ばしてるやつを頼む」



敵の戦闘スタイルをすぐに分析したグアルは、

遠距離タイプのパーシャをユガレイ、近距離タイプのジンを自分とした方が最も効率的とすぐに判断した。



「了解だーリーダー」



ユガレイはパーシャの真似をして挑発する。



「真似するなー! 四刀流【死乱剣】」



ヒュンヒュンヒュン!!


パーシャは4本の剣を操って、まるで4人の剣士が乱れ切りしているかのような斬撃をユガレイに繰り出した。



「参る、無刀流【羅刹】」



ズガガガガ!!!!


ジンは両手による高速の手刀で斬撃をグアルに放った。


しかしグアルは、ジンの2本の手刀を2本のダガーで防ぐ。



「簡単に避けたか、だがこうこなくっちゃな!

久しぶりに本気が出せそうだ」



ユガレイはパーシャの死乱剣を簡単に避け切った。

パーシャもエンジンがかかってきたようだ。



「なにする? なにする?」



ユガレイはワクワクしていた。



「十刀流【回蓮華】」



ヒュンヒュンヒュンヒュン!!!


十本の剣が刃先を外側にして円を作り回転した。

そして、そのままユガレイに向かって行った。

しかし、軽々と避けるユガレイ。



「おっと、それ剣の無駄遣いじゃない?」



すばしっこい自分には無意味だと挑発するユガレイ。


しかし、



「弾けろ」



ガキン!!


パーシャの声と当時に十本の剣が四方八方に飛ばされた。



ガガガガガ!!!!



「おっと危ない」



「うぉ!!」



パーシャはユガレイだけでなくグアルにも当てようとしていた。



「……ギロリ」



無口だが戦いを楽しむ戦闘狂のジンは、1体1の戦いに横槍を入れたパーシャを睨んだ。



「わりいわりい、つい遊んじまったぜ

まぁ、そんなんで仕留められる獲物ならたぎらねえだろ?」



反省の色のない謝罪をするパーシャであるが、このくらいの攻撃を避けられないような奴ならどうせつまらない戦いになるだろうと、ジンに言い放つ。



「こいつ、俺も狙ったのか」



パーシャの意図に気づいたグアル。



「よそみしなーい」



エネルガンを放つユガレイ。


ドキュンドキュンドキュン!!!!


ガキン、ガキン、ガキン!!


しかし、パーシャは浮遊する剣でエネルガンの攻撃を防いだ。



「簡単にはいかないぜ

何人もの剣士を葬ってきたオイラの浮遊魔法【スカイソード】は攻防一体の無敵の剣術だ!」



確かに剣を何本も扱う人物はそうはいない。

剣を持たずに防御と攻撃をできるのはかなり厄介な魔法だ。

しかもエネルガンの攻撃を防ぐ剣。

鋼鉄を超えるミスリルで作られているようだ。



「うーん」



何か違和感を覚えるユガレイ。



「まだ余裕で安心したぜ

一気に手数増やすからまだ死ぬんじゃねえぞ

五十刀流【血塗られの雨】」



ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!!!!!!!!!!!!!!!!



50本の剣がユガレイの頭上に降り注ぐ。




いっぽう、グアルとジンも激しい攻防が続いていた。



『無刀流【王蓮】』



ズガガガガ!!!!


無数の突き繰り出すジンとそれを両手に持ったダガーで防ぐグアル。


ドガーーーン!!!!


さらにジンは、かかと落としで地面を割った。


ヒュンヒュン!!


その大技の好きを見てグアルは後ろへ下がってダガーを投げた。


ガキンガキン!!!!


もちろんのこと容易に手刀で弾くジン。


しかし、ジンの目の前にはグアルの姿がいなくなった。


シュン!


グアルは法術【影移動】でジン後ろへ回り込みダガーを振りかざす。


ガキン!!!!


しかし、ジンに気づかれて手刀で弾かれる。



「ぐ!くそ!……これを防ぐのか!

こいつ、俺より強い!」



思わぬ身体能力に焦るグアル。


そして、こちらはパーシャとユガレイ。

ユガレイは雨のように降り注ぐ50本の剣を余裕で交わした。



「ほう、50本の剣を無傷で交わすとはな」



パーシャは関心していた。

それもそのはず、パーシャはまだ本気では無いので余裕だった。



「うーん、やっぱおかしいな」



ユガレイは違和感を口にする。



「何が言いたい?」



さっきから何か考え事をしているようだったことに気づいていたパーシャは問いかけた。



「なんか剣操っているのはわかるんだけど、その操ってる剣が全然剣術って感じじゃないんだよねー。刃物を振り回してるだけっていうか」



操る剣の数が多いだけで1本1本が剣術と呼べるものではないと辛口の指摘をするユガレイ。



「ひょっひょっひょ、言ってくれるじゃねえか

だがそれがどうした?

オイラはこれで剣士を何人も葬ってきたんだぜ?

そうなると剣術と呼べないような剣で殺られた剣士はどうだっていうんだ?」



「お遊び」



ユガレイはさもその通りと言わんばかりに、こんな技で殺られた剣士たちをお遊びと言い放つ。



「ひょっひょっひょ、いいねーハッキリ言うねー」



意見が一致してテンションが上がるパーシャ。




「でも、東洋の死神には遠く及ばないんじゃないか?」



「あ?」



ユガレイが東洋の死神の名前を出したらパーシャの態度が変わった。



「もしかして、あそこのやつと二人がかりでも相手にならなかったとか」



ユガレイはジンとパーシャで2人がかりでも東洋の死神には遠く及ばないだろうと言い放つ。



「てめぇ、死にてぇみてえだな」



パーシャは怒り皺をいくつも作って目を血走らせた。

その通りであり、過去に2人がかりで東洋の死神に挑んだが全く歯が立たなかったという。



「あれ、図星?」



パーシャの図星を見抜いたユガレイ。



「御託はこれを防いでからにして貰おうか!

奥義百刀流【百煉獄】」



パーシャは100本の剣でユガレイの四方八方360度全てを囲んだ。



「あーららー、前も後ろも右も左も隙間なく全方位で狙われたー」



パーシャの100本の剣で逃げ道も防がれてさらに全方位同時攻撃されたら防ぐことも避けることもできない絶体絶命だと言うのに余裕のユガレイ。



「ちょろちょろと動き回るお前にはピッタリだろう。串刺しになれ!」



パーシャの100本の剣が全方位でユガレイに襲いかかる。



「リミッター1解除」



ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



ユガレイは全方位の剣を超高速で銃の柄や先、蹴りで、全て弾き落とした。

リミッター1解除により身体能力が大幅向上したからできる神業である。



「バ……バカな……あれを無傷で防いだのか……」



自らの全力すら無傷で防がれて驚愕するパーシャ。



「よーい…ドーン!!!!!」



ユガレイは超高速でパーシャの腹に膝蹴りした。



「ぐはぁ!!!!」



パーシャは飛ばされて教会の壁に勢いよく激突した。



「リミッター設定っと。

リミッター解除しても撃たなきゃ派手に破壊しない! 俺! あったまいいー!」



リミッター1解除したら1発でかなりの威力があるが身体能力向上だけに頼れば無駄に破壊しないことに気づいたようだ。


いっぽう、こちらはグアルとジンの攻防が続く。



「無刀流【嵐】」



ギュン!


ジンは回転しながらその勢いで手刀や蹴りで斬撃を繰り出す。



「法術【影槍】」



対するグアルは自分の影から複数の影の槍を飛ばして応戦する。


ガキンガキン!!!!


ジンは全て捌かれたがジンの攻撃の勢いが止まった。


するとグアルは自分の影に手を入れて、ジンの影に手だけを移動してダガーでジンの脚を刺そうとした。


シュバ!!!!


しかし、ジンは気づいて咄嗟にジャンプした。



「気づかれたか!」



この策も見抜かれて強さだけでなく頭の回転や戦闘の勘が鋭いのだろうと分析した。


しかし、のんびり分析している訳にもいかず、ジンはグアルに回転しながら遠心力を加えて手刀で切りかかる。



「無刀流【真】」



ズガン!!!!


その威力はグアルのダガーの刃の部分を手刀で切断してダガーの刃は宙に舞った。


シュ!


そして、ジンは鋭い刃物ともいえる手刀をグアルに向けた。



「お前は俺より弱い。

我が流派は素手で斬撃を放ち刃のように硬化する武術。

強き者を求めて俺はひたすら鍛錬を積んできた。

早くお前を殺してアイツと戦いたい」



ジンはグアルとの戦闘では不満で早くユガレイと戦いたい様子。



「そりゃどうも。期待に応えられなくて悪かったな」



グアルもジンには実力では勝てないと認識した。



「さらばだ」



ジンがグアルの首を手刀で切り落とそうとした瞬間。

ダガーの刃がジンの影に刺さった。


トン!



「ん!?」



その時、グアルのわずか数ミリのところでジンの手刀が止まった。



「法術【影縫い】」



その時、グアルは立ち上がった。



「貴様! 何をした!!」



ピクリとも動けなくなったジンはグアルに大声で怒鳴る。



「知っての通り俺は影を操る。

お前が切った俺のダガーの刃に俺の影をマーキングしておいたから、お前の影に刺さって動きを封じさせた」



グアルの法術【影縫い】は自分の影をマーキングしたダガーを相手の影に刺すことで動きを封じる技とグアルは解説した。



「そんな技も隠していたのか」



技を分析したつもりでいたジンにとって盲点とも言うべき戦術だった。



「お前さんが俺より強いとわかってから影縫いで動きを封じる算段を練っていた。

お前さんたちが教会をめちゃくちゃにしてくれたおかげで月の光で影ができる。

しかし、昼間ほど多くはない。

だからピンポイントで狙える場所、つまりここに誘い込んだのさ」



「何度か技を出したのもフェイクか」



「ご名答。

俺の能力は影を操ることと影で移動することだけだと思わせた上で、ピンチに見えるように短刀を切らせた。

実は切れやすいように細工したやつでね」



「追い込んでいたはずが逆に追い込まれていたのか」



全てフェイクの積み重ねでグアルを追い込んでいるつもりになっていたジンはワナから抜け出せないようになっていた。



「そういうことだ、そして悪かったな。

お前さんが本気を出す前に終止符を打たせて貰って」



ジンに油断させておいて本気を出す前にこの算段を成功させるつもりだったグアル。




「無念、俺は強者の元で死にたかった」



同じ死でも全力で戦い、自分より強い者に敗れて死ぬなら本望であるジンにとって、自分より弱いグアルに敗北することは無念でならないようだ。



「こんな決着で申し訳ないが俺は意地でも死ぬ訳にはいかないんでね。

ヤツらに復讐するまでは」



グアルにはグアルの生きる目的がある。

その目的のために死ぬわけにはいかない。


そして、グアルはダガーでジンの背中に刺した。


グサッ!



「ぐっ……」



ドサッ!



【影縫い】を解除したら倒れたジン。



「ちなみに、この短刀は猛毒が塗られててね。

傷口から入れば麻痺して動けなくなりどんな強者でも30分以内に死ぬ。

人族なら2分も持たないだろう」



ジンがピクリとも動けないのはダガーに塗られていた毒のせいだという。


なので、この【ポイズンダガー】をかすりでもすれば普通なら戦闘不能になる。



「おーいこっち終わったぞー」



ユガレイがグアルに向かって歩いてきた。

ユガレイはグアルより余裕そうだ。



「さて、あとはお前さん1人だがどうする?

言っとくけどユガレイはまだ本気出てないからな」



かなり状況が良くなってきたとみるグアルはイワンに降参させようとした。



「深追いするなと言われたけど大したことなかったなぁ」



実際にその通りだった。

深追いしても特にやられる要素はない。


ユガレイが本気を出せば恐らく3人まとめて倒せそうな感じだ。


何かがおかしい。



「ま、まさかあの2人が殺られるとは……

ああああああああぁぁぁ!!!!!

これはああああああああぁぁぁ!

呪いじゃあああああああああぁぁぁ!!

呪いじゃあああああああああぁぁぁ!!」



突然、イワンが呪いと叫び出した。



「な、何? どったの?」



「なんだ……急に呪いとか叫んで」



突然のことに困惑するユガレイとグアル。

しかし、そんなことはお構い無しに絶望した表情で呪いと叫び続けるイワン。



「呪いじゃあああああああああぁぁぁ

呪いじゃあああああああああぁぁぁ

呪いじゃあああああああああぁぁぁ」










「………………呪術【アナストロフィー】」



「面白かった!」


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と思ったら


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面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


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何卒よろしくお願いいたします。

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