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01.物語の始まり_東洋の死神

俺TUEEEEな暗殺ギルドの主人公が世界とぶつかります


10000年前。


ほとんどが何も見えない真っ暗な空間。

いや、視界が悪いだけかもしれない。

その空間の中に俺はそこにいた。

意識がぼんやりして、ハッキリしてきたらそこにいることを自覚した。


自分の姿が全く見えない。

しかし、身体があるのはハッキリわかる。

動かそうとすれば動いている…気がする。


「俺は.......誰だ.......

ここは……どこ……だ」



そのとき、猛獣の雄叫びがすぐ近くで聞こえてきて全てが血に染った。


_______________________



時は流れて。

今から500年前の異世界。


ここは超科学都市【ラディソス】。

科学が発達した都市でどこの国にも属さず独立している。


ラディソス以外の国々は移動は馬車で、家はレンガや木材が基本。

しかし、ラディソスは魔力を動力源とする魔導車という乗り物があり、ガラスや金属でできた高層ビルが多く建っている。

しかし、その一方で貧富の差が激しい都市でもある。



「わわ! エリスお嬢様のおやつに作るリンゴが!」



まだ15歳ほどの犬耳の子供【ウェル・ベルク】がリンゴを落として慌てて拾おうと裏路地にやってきた。


ウェル・ベルク。

暗殺ギルド【ナハト】を壊滅させて2年後。

あるクエストのためにラディソスにやってきたのだ。


その路地裏にはフードを被った男立っていて、男はリンゴを拾ってウェルに渡した。



「気をつけろよ」



男は少年の頭を撫でながら優しく注意した。



「…うん!」



(誰だろう…なんか凄く強そうだったな)



そして、少年は去っていった。


フードを被った男の後ろから黒髪で猫耳の男がやってきた。



「何してる?ミーティングの時間だぞ」



ウェルのリンゴを拾った男もフードを取って振り返る。

その男も猫耳のようなものが頭にあり、銀髪で左目が青色、右目が緑色という特殊な目を持っている。



「あぁ、今行く」



彼の名前はユガレイ。

極悪人専門暗殺ギルド『グリムリペア』に所属するNo.4で『白銀のスナイパー』という二つ名を持つ。



「…どうした?」



「いや、あの子強そうだなぁって…」


_______________________



ユガレイと猫耳の男は都市を離れて、とある喫茶店にやってきた。



「あれからもう半年か...仕事には慣れたのか?」



猫耳の男の名前は『グアル・パルド』

グリムリペアのNo.5 である。

赤い瞳にメガネをかけて尻尾があり、胸元に三日月の刺青をして豹柄の黒いジャケットをきている。

グアルは基本的にユガレイと一緒に行動して任務をこなしている。



「そりゃぁもうすっかり!お陰様で」



クールなグアルに対して陽気でお気楽なテンションで話すユガレイ。

性格は間逆の凸凹コンビとギルド内でも言われている。



「しっかし、お前さんを見つけた時、全裸でぶっ倒れていたから驚いたぜ。追い剥ぎにでもあったのかと」



グアルと初めて出会ったときのユガレイはラディソスの路地裏で全裸で倒れていた。

助けた際にユガレイの身体能力の高さに目を付けてグリムリペアに誘ったのだった。



「いやぁー俺も覚えてねぇからなぁ。何がなんだかぁ」



ユガレイはそのとき以降の記憶。

つまり、グアルと出会ったときの半年よりも前の記憶がないので自分が誰でどこから来たのかがわからなかった。

しかし、お気楽な性格故にもう気にしていない。



「俺と同じ猫族かと思ったらハッキリ言って身体能力が違いすぎる。猫族の突然変異で生まれたのか、それとも未知の種族か.......気になるところだな」



この世界では人族、猫族、エルフ族、魔族、竜族、ドワーフ族、魚族、犬族など色んな種族がいて、グアルは猫族である。


しかし、ユガレイとは身体能力が違いすぎるし、なにより尻尾がないので猫族ではない。


さらにどの種族にも当てはまらない容姿をしているので突然変異か未知の種族かとグアルは予測している。



「そ・れ・よ・り! 前回の仕事の報酬と今回の仕事のミーティングしようぜ」



ユガレイは目を輝かせながら報酬の話を持ち出した。気持ち的にはミーティングは二の次。



「はいよ、お待ちかねの報酬はこれだ」



グアルはユガレイの目の前にシュークリームの山を持ってきた。



「待ってました!ガツガツ、う、うめぇー!!」



ユガレイは無邪気な子供のように夢中になってシュークリームにがっついた。



「全く...金よりシュークリームとは随分と変わったやつだな、残りは冷蔵庫に入れてあるぞ」



どうやらユガレイの仕事の報酬は全部シュークリームらしい。



「モゴモゴョゴョモゴモゴ」



ユガレイはリスのように口いっぱいにシュークリーム頬張りながら喋ろうとした。



「食いながら喋るな!わからん!」



「ごっくん」


ユガレイは幸せそうな顔でシュークリームを飲み込んだ。

グアルはユガレイがシュークリームを飲み込んで話せるようになったことを確認し、ミーティングを始めた。



「今回のターゲットには厄介なボディーガードを雇ったっていう情報が入った」



「どんなやつだ?」



「【東洋の死神】と呼ばれているやつだ。詳しくは情報がないが東の島国の凄腕の剣士らしい。だから接近での暗殺は成功率が低い」



「遠距離のやつらは他の仕事だからスナイパーである俺ということか」



「そうだ、遠距離での射殺。そこいらの防弾ガラスをも射抜く特別性の弾なら問題ないだろう。さらに距離1km離れての暗殺だ。これができるのはお前さんぐらいしかいない。合図をしたら放て」



「了解」



その夜、ユガレイは高層ビルで待機。


今回はラディソスの上層部の人族。

悪徳商法によって多くの人々を騙して成り上がった企業で反感する者や都合の悪い人間は暗殺者を雇って消してきた。


法で裁けない代わりにグリムリペアが暗殺を実行する。

それがグリムリペアの使命だ。


ユガレイの任務は、そのターゲットがいるビルとは違う高層ビルからライフルによる射撃だ。


ターゲットがいるビルの窓は魔法障壁によって物理攻撃を防ぐ特殊な防弾ガラスになっている。

しかし、グリムリペアに所属する天才発明家によって作られた特別性の弾なら簡単に貫通するという算段だ。


そして、これも発明家によって作られた雷魔法を利用したトランシーバーでグアルからユガレイに合図が送られた。



「グッバイ」



その時、ユガレイはライフルの引き金を引いた。



バン!!!



弾は確実にターゲットに向かってまっすぐ飛んでいき防弾ガラスを簡単に突き破った。



バリーン!!!!



ヒュン!



ズバン!!!!



しかし、ターゲットの近くにいた東洋の死神は、高速で移動し、ユガレイの弾を真っ二つにした。


狙撃による暗殺は失敗した。



「あーららー」



「どうした?」



別の場所で待機しているグアルからトランシーバーで応答した。



「俺の銃弾真っ二つにされた、ドクロの仮面に異国の鎧。あれが東洋の死神か?」



東洋の死神はドクロの仮面に『鎖ノ(さのくに)』の鎧を装備して『鎖ノ国』特有の剣『刀』を四本腰に携えた容姿をしている。



「噂以上だなぁ、第2の作戦を実行するぞ」



常に慎重に作戦を立てるグアルは失敗した時どう動くかも計画の内だった。



「それがよぉ」



「どうした?」



物凄いスピードでユガレイに向かってくる人影があった。



「あと5秒でお客さんが来るんだわ。VIPルームへご案内してくるぜ」



1km離れたところから建物を転々と飛んで東洋の死神がユガレイの所にやってきた。


東洋の死神は両手持った二本の刀を振り下ろして斬りかかる。


ズガン!!


しかし、ユガレイはバク転で避けた。


避けたユガレイに対して追い討ちをかけるかのごとく東洋の死神は更に斬撃を繰り返した。


ズバン!


そして、ユガレイのライフルが真っ二つに切られる。


東洋の死神がその隙に刀を振り下ろしてトドメをさそうとした。


ガキン!!!


しかし、ユガレイは懐に仕込んでいた二丁拳銃で刀を受け止めた。




「どうよ、簡単には切れねぇだろ」



「.......」



ユガレイの二丁拳銃『エネルガン』は特殊な金属で作られているので刀を防ぐことができる攻防一体の武器である。


ギン!!


ユガレイは刀を振りほどいてエネルガンの引き金を引くとエネルギーの光線が発射された。


ドシュドシュ!!


キンキン!!


東洋の死神は刀で受け流しながら、更に衝撃を繰り出す。


ズガガガガ!!!!


乱射するエネルガンと二刀の刀による激しい近接戦闘が始まった。


その激しい戦闘の僅かな隙をつくように。


ゲシ!!



「!!?」


ユガレイは東洋の死神の腹に蹴りを入れてビルから突き落とした。


ユガレイは落下する東洋の死神にエネルガンを向けてトドメをさそうとした。


しかし、高層ビルから落下する東洋の死神は刀を納めて二刀で居合ぬきの構えをして剣技を放つ


【絶技 双龍牙斬】


その瞬間ビルは無数の斬撃で細切れになってユガレイの足場を崩して狙いが逸れた。



「おっとっと! やるねー…。

【リミッター1解除】」


ユガレイは崩れた足場でなんとか体制を整えて東洋の死神に再びエネルガンを向けた。


そして、東洋の死神も次の技を繰り出そうと刀を収めて構えた。



「【唸れ…焔】!」



一触即発の瞬間に崩れ落ちるビルの破片が月明かりに反射して影ができる。


ヒュン!


その影からグアルが現れてユガレイを引っ張った



「おぉわっと!」



ユガレイと東洋の死神は決着がつかないまま影の中に入り姿を消した。


_______________________



翌日の朝

グアルの喫茶店にて。



「随分と派手にやったな」



東洋の死神が予想外の実力だったとはいえ少しピリピリしてユガレイに話しかけた。



「俺のせいじゃねぇぞ!」



「いいや、負けず嫌いなお前さんの事だから

もう少ししたら【アレ】を使っていただろ」



ピリピリしていた要因はユガレイはがアレを使おうとしていたかららしい。



一方ラディソスのある場所では



「取り逃したな」



「.......」



フードを被った老人は元ナハトNo6。

呪いの【イワン】だ。


イワンが東洋の死神に話しかけてきたが東洋の死神は無言だった。



「建物を細切れにしたのは宜しくないが【妖刀の力】を解放しなかっただけでも良しとしよう」



ユガレイと東洋の死神。

因縁が始まった。



_______________________



「回り出したな…運命の歯車が…」


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。

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