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そうだ!車を買おう

日常系の話です。

読んでくださる方の日常や思いに少しでも重なるところがあれば幸いです。


かなり無精者の素人が書いています。

 車を買った。

 赤い小さな軽ワゴン。

「別に車がなくても困んないんだよね」

 アラフォー、独身、貯金なし。

 バリバリのキャリアウーマンにはなれなかったけど、給料はまあ、もらえてる。

『ならなんで買ったのさ』

 都会に出てきて驚いた、時刻表のいらない電車の数。私鉄?地下鉄?なんだそれ。国鉄にしか乗ったことないわ。ちなみに国鉄と言ってたのは両親。今はJRだってさすがに知ってる。JapanRailway。

「成人するまでに10回乗ったことないかも、ジャパンレイルウェイ。なんで日本人はこんなに横文字が好きなんだろうね」

『なにいってんの』

 このうるさいのはケイ。車を買ったら付いてきた。

「選べるオプションみたいなもんかな」

『違うわ』

 なんか付喪神的なヤツらしい。見た目は車の形したぬいぐるみ。赤色。ディ〇ニー映画のカー〇みたい。なかなか生意気な口を利く。

「車のオーナーは私、つまりケイの(あるじ)は私!…ええい、控えおろう」

『はいはい』

 冷たい(泣)。

 まあ、彼氏なし。結婚?なんかめんどくさそう。でも一人はいやだ。そんな女の孤独感が生み出した幻想かもしれない。

『ヤダよ、そんなヤバそうな存在。僕は僕。君は関係ないね』

 くすん(涙)

『で、ぼくを買った理由は?』

 そうそう、そうだった。

「さすが、ケイ。よく話を戻してくれた」

 短い(納車してまだ3日)付き合いのわりには脱線しがちな私への突っ込みが適格だ。

『はいはい』

 腕を組んでうんうんうなずく私にふよふよ浮くケイはあきれた返事。

 めげずに話して共感を得よう。そう共感してもらえるはずだ。

「そう車を買った理由は!」

『理由は?』

 


「運転できなきゃヤバイと思ったから!!」



『……えー』

ドヤ顔で胸を張る私に、ケイはやっぱり冷たかった…(涙)


「だ、だってさ、ほら。免許をとってずっとペーパー(ドライバー)じゃん」

『確かペーパー15年越だっけ』

ぐさっ

「ケ、ケイさん、年齢、バレるから、ね。その辺はちょいとオブラートに…」

『何のために?』

ざくっ

「お、お年頃なんですぅ」

『普段、「良い年齢の重ね方ができれば実年齢を隠したりする必要ないです」っていい顔してるのに?そもそも自分でアラフォーって言っているのに?ああ、そうか、あれも自分からアラフォーって言うことで気にしてませんってアピールしているだけなんだね』

 ぐさっ。

 端的にしか話さないくせに、主への口撃の時だけはしっかり話すのね…。


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