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9 .使用人たちとフランツ

ヤケ酒の次の日、別邸に連れてこられたフランツ。


トルーデの口添えで、仕事も住む場所も決まりました。(…囲い込み…?)


住む場所は、この別邸の離れ。変わり者の大叔父が建てた離れが、このだだっ広い屋敷の隅に建ってるんだそうで ────。


仕事は、ケストナー家関係の仕事をとりあえず臨時雇いで。


フランツ視点です。

 俺は、ケストナー家の別邸の庭にある離れに住まわせてもらうことになり、トルーデの口利きで臨時の仕事も決まった。


 頼りっぱなしだが、いずれここも出て自立したい。そして恩を返したい。


 明後日からだというので、今日は庭の空き地で剣の素振りと、軍でやってた鍛錬メニューをこなすことにした。


 身体を動かしてないと、どうにも、なまる。



 ◆



 素振り200回、筋トレメニューいくつか。走り込みは、ここじゃ無理だな。この先どこでやるか考えなきゃ。


 外の井戸で水を汲み、汗でぐっしょり濡れたシャツを脱いで、井戸の水を桶ごと頭からざばーーーっと、かぶった。

 軍から支給された迷彩柄のワークパンツは、このあと洗濯する予定だから水で濡れてもいいと思った。


 (井戸は、薬草に水をやる用なんだそうだ。この離れを作った大叔父さんが建設魔道技術士と力を合わせて掘ったらしい)


 タオルでざっと頭、頭を拭き、太陽を見上げて伸びをする。



 あー、いいとこだな〜〜 ここ!緑がいっぱいで空気までうまい!


 最高に気持ちいい!運動最高!鍛錬楽しい!筋トレ最高!

 筋肉は裏切らない!!!





 ふと視線を感じて、あたりを見渡すと


 少し離れたところに、別邸の使用人の方達が3人。茂みの陰に立ってこちらを見ていた。


 メイドさん2人と見習い執事さん。


 ここの離れに住まわせてもらうことになって、一応、全員に挨拶はさせてもらったんだけど、何か俺に用事でもあるのだろうか。


 あるいは何か注意とか。気付かないところで失敗してしまっただろうか……?俺。



 「あの……?」



 せっかく決まった住まい、なにか粗相があってはいけない。とにかく聞いてみよう。聞かなきゃ分からん。


 そう思って、使用人の方達に声をかけようとしたのだが


 「し、失礼致しました〜!」


 と、大声で言われたかと思ったら、顔を真っ赤にしたメイドの子が1人、その場から駆け出して屋敷のほうへ行ってしまった。


 それに続き、後の2人も追いかける。



 えっと。



 俺、なにかしたかな…?素振りして、カラダ動かしてただけなんだけど……。


 あ、いま上半身なにも着てなくて、ムサい男の裸なんつうお見苦しいものを見せてしまっただろうか?


 とりあえず、運動する場所については再考が必要かもしれんと思った。


 


お読みいただき、ありがとうございます。

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