6 .お嬢様のたくらみ
※ トルーデ視点
(短いです)
チッ…。(←トルーデの舌打ちの音)
基本的に禁止されている魔法、「魅了」を、初めてフランツ相手に発動してみたのだが
なぜ…なぜ…フランツにはかからないんだ?
《爺『お嬢様、伯爵家の令嬢たる者、舌打ちなどおやめ下さい。爺は、そんなふうにお育てした覚えはございません」》
「ハッ いまさら私に令嬢らしさとやらを説くか?爺」
姿の見えぬ爺に言葉を返す。
いやいや待て待て待て。フランツ、動揺はしているぞ!部分的に成功?
あ、ダメだ。「友達」ってブツブツ言ってる。
うーむ、友達のくくりに入れられるのは今は仕方ないのか……。
くっ……、ゆうべ、酔ったフランツをこの別邸に連れてきて、ずっと触りたかったその胸筋にちょっとだけ触れてもいいかなー?と、邪な考えを一瞬、抱いたことは認めよう!
だがその後に「いやダメだ、酔った意識のない男性の胸筋をこっそり触ろうとするなど、女がすたる」と思い直し
ゆうべはフランツの寝顔を見て満足するだけに留めたのだ…
(※注 トルーデは胸筋にタッチしたかっただけみたいです。2人は、なんにもしてない仲です)
ここはやはり正面突破=告白するしかないのだろうか??
《爺『お嬢様、もう少しお進みになったら、からめ手で色々出来ますが…』》
「そうだな」
まあいい。
これからじっくりと罠に囲い込んで…
フハハハハハハ……!
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少女だった頃のトルーデ、どーしてもモフりたくて、懐かない犬や猫に「魅了」を使う…。
結果は微妙。
人間相手だと、士官学校時代に女子学生同士で、(低出力で)試しあいをした経験はアリ。(禁止魔法だったため。うん、ある意味当時は真面目!)
又、向こうから勝手に好きになられて、知らぬ間にこっそりと相手からかけられた「魅了」魔法は、トルーデの防御力が高いために
ムダだったとさ。
トルーデさん凄い。
悪い顔になってます……
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