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【完結】戦争から帰ったら妻は別の男に取られていましたが 上官だった美貌の伯爵令嬢と恋をする俺の話  作者: イヴェン


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34/47

34 .別の次元 境界


【帝国の青蛇】と呼ばれる帝国諜報特務庁の局長ウベルを追う中で、ウベルによる転移魔法で飛ばされたフランツの意識体はいま夢魔の次元に存在していた。


 それは帝国で独自進化を遂げた闇魔法の術者が辿り着いた、【夢魔が統べる世界】であった。


 彼岸と此岸のあわい、今の世界と別の世界とのあわいにも通じる世界。全ての世界の境界。




⌘⌘⌘


(ん………)フランツが『目覚めた』ところには、壁も天井もなく、深い霧が立ち込めたような空間のようだった。


 かろうじてゆかのようなものはあるらしいが、身体の感覚がヘンだ。身体に『重さ』がない。

 ふわふわ浮いているような、手のひらも、なにか現実じゃないような…??


 あのウベルという怪しい男を急遽尾行することになって(もうただ後追いするようなもんだったが) ──── あの時。あの男は立ち止まり振り返り、忌々しげに俺に向かってぼそりと呟いたんだ「…厄介な。転生者か」と。


 その後あの男が発した光がこちらに向かってきて…ものすごく眩しくて目を瞑ってそれで…

あれ?そこから記憶が無い ────…うーん、死んだのか?俺。どうなったんだろう。


 気がつくとあたりは霧のようなものが晴れ、屋外のような草っ原に変わっていた。ただし、空は濃い灰色と黒のままでどんよりとし、シン…とした無音で、生き物の気配など全く無いようだった。


(死後の世界ってこんな感じか…あれ、でもお花畑があるとか言わなかったっけ?そりゃ天国か)


 などと色々考えて少し歩いていたらすこし向こうに川のようなものが見えた。川面が光っている。


 (上空に、光を発するものなど無いのに。真っ暗な中で、低い草とその川だけがうっすらそれ自体で光るなんて、絶対この世じゃねえだろ)


 川は、大きかった。大河と呼んでもいいだろう。向こう岸がかすかに見えた。川のあちら側にも、低い草が生い茂っているようだ。ごうんごうんと、水が流れている。深さもかなりあるようだ。


(三途の川が出てきた…やっぱり俺は死んだんだ)


 

三途の川を渡る前はまだ死後の世界じゃなかったと思うんですが、なにせこちらの世界に転生してだいぶ経つもんで、そこらへんの記憶はすっかり薄れてしまっているようです。


フランツが今いるここにも何やらカラクリが。


お読みいただき、ありがとうございます。

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