28 .使用人たちはお嬢様が心配
公園から帰宅したトルーデを出迎えるメイド視点から描いた回です。
※ 短めです
「おかえりなさいませ」
「おかえりなさいませ お嬢様」
夕方、空が茜色に染まる頃、帰宅したトルーデを出迎えるオリガ達。
「あの、お嬢様…」
お二人の仲を応援する為とはいえ、お嬢様にウソを言ってしまった。そこは謝らねば。
「ーーー…ん?ああ、今日は楽しかった!教えてくれたオリガのお陰だ。ありがとう!アスレチックは人気すぎて出来なかったけど」
「っ…いえそんな」
ああっっ!うちのお嬢様、なんて広いお心なのっ!!オリガ感激!!!
常にあたしたち使用人にもお優しいけれど、そんなこと言って下さるなんて!!
伯爵令嬢が意地悪だなんて都市伝説よっ!!!うちのお嬢様が世界一!!
お嬢様はなんだか上機嫌。
良かった。ご気分は害されていないご様子。余計なお世話かと思ったけれど、毎週の休みにフランツ様と敷地内で剣の素振りと鍛錬ってのもどうかと思ったのよね。
(執事さんによると、それはそれでお二人は進展してないわけでもないみたいだけど)
3人でちょっと悪巧み…相談したってわけ。
「女神の鐘」は打てたのかしら?ーーー…まあ、なんていうかああいうものは「仕掛け」みたいなモンだけど、たとえ女神がさ、ほんの少しも関係してなくたって、ロマンチックでいいじゃない?
「いかがでした?公園は」
「うん、人ですごく賑わってた」
トルーデは、上着を脱ぎながら思い出し笑いをしてふふっと笑う。
「お茶をした店で、こう…やけにベタベタするカップルが隣になってな…」
「ベタベタ…」
「男が女の指を、こう…、あ、まあいいか」コホン
えええ〜そこまで言ったらもう言っちゃいましょうよ!ご無体なっ!お嬢様、続きをプリーズ!!
ロマンス小説大好きっ子私が後は勝手に脳内妄想で補完いたします!!!
うんうん、それはフランツ様にもいい刺激になったかもしれないわ…そのカップルGJ!どこのどなたか存じませんが!
そしておそらく女神の鐘は照れちゃってスルーしたのねお嬢様。女の勘。
「広々してて、天気は良かったし、ホントいい気分転換になったよ」
「それはようございました」
「懐かしい人にも会えたしな」
「まあ、どなたに?」
「戦時中に隊の上官だったお方だ」
トルーデは、エプシュタインの顔を思い浮かべた。タフで公正で有能なエプシュタインは、軍の中で、トルーデが目指す姿でもあった。
(大尉を、軍犯罪捜査局に持っていかれた時はなんともいえない気持ちだった。
しかし捕物の現場に行き合うとは…)
使用人達も皆、この規格外のお嬢様が大好きなのです…
読んでくださった方、ブクマしてくださった方、誠にありがとうございます!




