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【完結】戦争から帰ったら妻は別の男に取られていましたが 上官だった美貌の伯爵令嬢と恋をする俺の話  作者: イヴェン


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24 .ランナーズ・ハイ

フランツの日常の一部分を切り取った回です



 とある早朝。朝日は昇ったばかり。


 近くにある元・軍の教練場は今は王国の一般国民にも解放されている。

 中央に広い芝生スペースは楕円形で、その周りは走りやすいように固められていた。


(※ 陸上競技場っぽいです)


 先の戦争の時

 平民から徴兵されたニワカ兵士は、どこに行かされるか決まる前のわずかな期間、ここの軍事教練場で走り込みなどの鍛錬をさせられた。基礎体力の無い者も多かったからだ。


 割と体力の要る仕事もしていたフランツには、走ることも鍛錬もそんなに苦ではなかったが、時計屋だったという若い男などはヘロヘロになっていた。


 そんな想い出(?)の場所である元教練場を、フランツは走っていた。走り出してかれこれもう1時間以上になるだろうかーーー。

 

=====================


 《フランツ視点》

 

 (走る音)ザッザッザッザッザッザッザッザッザッ スー スー ハッハッ…

 ここの公園にはまだ人の姿も無い。こんな早朝に走りに来てるバカは俺ぐらいなもんだ。


 走る俺の意識はひどく澄んでいる。


 自分の足音と呼吸、息づかいだけが自分の心に響く。


 ドック…ドック…ドック… 心臓の鼓動、皮膚を撫でていく風、脚を前に出してただただ進む、走る自分。

 自分の中に響くそれらをすべて受け止めて走る。


 なぜだろう…ひとつひとつの音が妙にクッキリと感じる。身体は疲労している筈なのに、このままいつまでも走り続けられそうだ……。感じていた苦しさは何処へいった?

 ああ…こういうの、なんていうんだったかな確か「ランナーズハイ」とか言うんだっけ。


 ザッザッザッザッザッザッ


 俺は走る自分の世界にとらわれそうになる感覚に陥った。でも気持ちいい…最高の気分、かもしれない…


 ==================


 、と思っていたら自分以外の足音がする。あれ…誰か走ってる?カーブを曲がり、その人物の姿が見えた。長い髪を頭の上で無造作に団子状にまとめた運動着姿のトルーデだった。

 ニヤリと笑い、俺を追い抜いていく。競争してるわけじゃないのになー、と思っていたら、ペースを落として俺の隣に並ぶ。


 2人、その後30分ぐらい走っただろうか。


 爽快な気分だ。さっきトルーデが走りに「加わって」いなかったら、どこかに精神が行ってしまっていたかもしれないな、などとちょっと考える。あるわけないか、んなこと。


 街も目覚めてきたようで、遠くのざわめきがここの公園にも届く。


 「あー、走った走った~… 今日の朝メシもうまいだろうな-」

 俺がそう言うと


 トルーデがニッカリと笑った。いつもの王子様っぽい笑顔ではない。


 いたずらをした子供のような、屈託のない笑い。


 俺は不覚にもその笑顔にドキッとした。


 トルーデはどえらい美形で美人で、女性に言っていいか分からんけどなんつーかハンサムで…でもすごく可愛いんだよな。うん、可愛い。大事なことなので二度言いました。


 俺はその顔に見とれてしばし惚ける。そうしていたらトルーデが道を先に行ってしまった。


 「ちょ 待てよ…」


 つい、どっかで聞いて頭の隅にあった言葉が出ちまった。


 今沸き上がってきた感情が、どこから来たのか俺は戸惑う。

 屋敷への道を小走りに駆けてゆく。



 ================



フランツとトルーデの筋肉のビジュアルは、陸上選手をイメージしております。

トルーデは、身体強化の魔法で腕力増強も可。(本人は身体強化無しでも相当握力もありますが…)


お読みいただきありがとうございます!!

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