表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】戦争から帰ったら妻は別の男に取られていましたが 上官だった美貌の伯爵令嬢と恋をする俺の話  作者: イヴェン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/47

23 .トルーデ、婚約破棄の過去

〜トルーデ、婚約破棄の過去〜


 ※ クズ婚約者による浮気胸クソ展開回です


(年齢についてはざっくりした感じでいきます。後で変更するかもしれません)


《トルーデ視点》

 

 皆さまごきげんよう。


 わたくし一応伯爵家の娘でございますが、ふだんはこの話し方は封印しておりますのでどうにも慣れませんわね。(舌を噛みそう…)ホホホ…


 少々、婚約破棄に至った昔話などを。


 あれはわたくしが10代半ばのこと。思い返してみればあれから随分と時間が経ちました。お相手の婚約者のかたも同年代の10代半ばの年代でしたか…。


 双方の家の「これでどうですか ちょうどいい釣り合いです」的に決められた、まあ、よくありがちな貴族間の婚約でございました。


◆◆◆


 手っ取り早く結論から申し上げると、婚約から半年も経たぬ間にその婚約関係は解消と相成りました。


 理由?

 彼は、婚約後に、わたくしの友人と浮気したのでございます。


 (後で知ったのですが我が家調べでは、少々「女性に手の早い」方だとは承知していたそうでございます。ですが向こうのご両親が、息子は制御するから!と、半ば強引に、婚約させれば息子も落ち着くのではないかという狙いがあったようです)


 ある時、婚約者の方と外出中に友人女性と道でバッタリ。わたくしは彼女を婚約者に紹介いたしました。


「ーー、まあ素敵な方とご婚約なさったのね、羨ましいわ」

「どうぞよろしく…」

 

 それから、どこをどうやってそうなったのか、おふたりは完全にデキ…コホン、身も心も愛し合う仲になられたようで。


 あのバ…いい加減に名前を出してあげましょうか…テオドルは、婚約者わたくしの友人に手を出したのでございます。


 後から釈明を聞いたところ、彼女(=わたくしの友人)が、あまりにも好みに合致していて我慢出来なかったんだとか…。隠れて付き合えば、バレなければいいと、安易に考えていたようでございます。

 そして、わたくしの友人もテオドルに夢中になってしまわれて。


 加えて…あれです、あのー、シチュエーションにも燃えてしまったらしいんですよ。じいの報告によると。


 禁断の関係。婚約者わたくしには内緒の関係。隠れれば隠れるほど燃え上がる逢瀬。


=============================


 婚約期間、わたくしとテオドルとの交流はございました。


 わたくしは、世間一般の婦女子が好むような趣味には興味が持てず、実は運動が大好き。

 一方テオドルは演劇鑑賞や音楽鑑賞が好き、……という趣味の大きな相違はございましたが。


 父曰く、そんなものはなんとでもなる!と。まあ、力技でなんとかしようとしたのですねお父様は。

 (女癖が悪い、という点にも目を瞑っていたお父様…)


 わたくしはわたくしで、特に好きな方もおらず、家同士のこの婚姻に従おうと思っておりました。


 熱烈な恋、運命の愛、または真実の愛、というものがどうやらこの世にあるらしいことは知っていても

 それは自分とは無縁、無関係だと思っていたのでございます。

  

 婚約者のテオドルとも、熱烈な思いは無くとも、良い関係を築けたらとは思っておりました。


 テオドルの容姿は…まあ、確か…ミーハーな女の子達が目が合えばポッとなるくらいには整っていたように記憶しております。


 でもわたくしには、あまりピンと来ず…?顔立ちが整っている人のその顔に、皆が皆、魅了される訳ではないのですわね、きっと。


 いずれ夫婦になる間柄なのですから、容姿云々より内面をこれからお互い知っていかねばと思っておりました。


 テオドルのほうはどうだったか、ですって?


 …こう申し上げるのもなんですが、あちらは要するにわたくしの顔に満足なさったようでございました。


「君って可愛いね」


 初めて両家の皆で顔を合わせた日。


 ふたりきりになった庭園の薔薇の花壇の前。


 わたくしより背の高いテオドルが、屈んで顔を寄せてきて急に甘やかな声でそう言いました。


 周囲から「後は若い2人で…」とかなんとか言われて「庭でも散歩してきなさい」と押し出されるようにされた後のことでございました。


 その後、いつでしたか…一度、テオドルから唇にキスをされたことはございます。


◆◆◆


 わたくしも、父に言われてしばらくは猫をかぶっておりました。

 

 趣味を、刺繍と生け花という大ウソに変え、運動好きは言うなとお父様から言われ。


 今思えば、お父様ももう少しわたくしに合う方を探して下されば良かったものを…。テオドルと共に演劇鑑賞や音楽会に一緒に行かなければならないのは、わたくしには苦行でしかありませんでした。


 なぜなら……長時間の観劇や音楽会など退屈で退屈で…その時間で運動したいではありませんか!!(熱弁)


 なぜ、せめて運動が好きな方の中から婚約者を選定してくださらなかったのでしょう。


《父:違う世界を知って欲しかった…》


 鍛錬を怠ると、筋肉は衰えるのです!高熱が出て一週間ほど寝ていなければならなかった時など、体重だけでなく筋肉まで痩せ細ってしまいましたの…。削げ落ちた脚の筋肉を見た時は落胆致しました…。


======================

 

 ある時彼が、護衛は無しで出掛けたい、二人っきりで…と強く言うので、(自分で自分の身を守れるわたくしは)了承致しました。


 その後、わたくし達の乗った馬車が暴漢の襲撃を受け、わたくし達2人は馬車から無理矢理引きずり出されてしまったのでございます。


 ですが、その暴漢は滅法弱かったのでございますよ、奥さん!!![←誰に言ってるんじゃ]


 わたくしが素手で暴漢を、コテンパンにのしてしまってから、ーーーーー、そこで自分の過ちに気付いたのでございます。


 あ、これ、ヤバい、やっちまったな!と。…あら失礼。


 あの時のテオドルの顔は忘れられません……青ざめて、魔物でも見るような目でわたくしを見ておりました。


「なんで…なんで…っ…」


 暴漢を倒し拘束した後、


 テオドルは足を挫いたのか腰が抜けたのか、立てなくなっており地べたに座り込んでおりました。

 仕方がないので

 わたくしが婚約者をよいせっと荷物のように肩に抱え上げて、馬車に乗せて差し上げました。


 テオドルは長身でしたが、ひょろっとした体型ということもあり”持てない”重さではございませんでした。まあ観劇と音楽鑑賞が趣味の人ですからね。


================


 わたくしはその時、外出用のドレスの下にこっそりトラウザーズを履いていたのです。暴漢の制圧も蹴りも問題ございませんでした。護衛なしで、というテオドルの提案を聞いて、念のために。まさか本当に役立つとは思いませんでしたが。


◆◆◆

 

 暴漢に襲われたのは、郊外の人気ひとけのない道でございました。


 誰も通らないような道ですから、わたくしに担ぎ上げられても体面を気になさる必要もない筈です。


 でも、馬車に彼を「降ろした」後、彼はこちらを睨みつけてきました。はて…わたくし達を襲ってきた乱暴者を制し、動けない彼を運んだわたくしが、なぜ睨まれなければならないのでしょう?


 感謝されこそすれ、睨まれる覚えなどございません。


=================


 ああ、あれですか。か弱い女性が好まれるというアレ。

 全く…なぜに男性は、女性にあれほど「弱さ」を求めるのでしょうか?


 女性が力持ちで、重いものを持ち上げることが出来ても、それがなんだというのです?あれしきでドン引きされても。

 

 女性が逞しくて、何が悪いんです?それぞれ個人が備えた特性は、性別に備わっているのではございません。

 個人それぞれが持つものなのです。わたくしはそう考えております。


 刺繍や生け花は、全然好きではないのに、女性というだけでそれを強要されることは、わたくしにとって大きな苦痛でございました。


 それまでも、自宅で好きで鍛え…運動は、しておりました。お祖父様と叔父様という良い教師がおりましたので。


 決め付けられるのには、本当にウンザリいたします。


◆◆◆


 さて、この出来事が滑稽だったのは、この暴漢が、テオドルが仕込んだ芝居の演者だったということでございます。


 ええ、ええ、バカバカしいことに、雇った暴漢をやっつけて、華麗にわたくしを守って、俺スゲエエエ!カッコいいでしょ!俺!ってひと芝居打ってから、盛り上がって、わたくしと最後まで事を致したかったんだそうで。


 ね?実にバカでございましょう?付ける薬もない程のバカな男です。


 わたくしの友人と付き合っておきながら、わたくしとも婚前に関係を持ちたかったんですって。


 雇われた暴漢が洗いざらい吐きました。(お父様が吐かせました)


 あら、じゃああの襲撃の後テオドルがわたくしを睨みつけていたのは、「自分が腰が抜けて女に抱えられプライドが傷付いた」わけでもなく、わたくしが力持ちなことにドン引きしたわけでもなく、わたくしの拳にビビったわけでもなく、自分の目論見もくろみが台無しになったからだったのですね。…ん?全部かしら??


 全く……仮にも、婚約者であれば、わたくしの日常を調査すれば、鍛錬が本当の趣味だということなど 容易に調べが付くでしょうに。


 あちらの家には、隠密業務を担う者がいないのでしょうか?


 テオドルは、わたくしの顔しか見ていないかったのでしょうね。


 その後判明したのは、結婚を迫る浮気相手がうっとうしくなり


 じゃあ、わたくしと既成事実を作ってしまおう、そしてそれを盾に浮気相手を切る、というもうひとつの下衆ゲスな狙いもあったんだそうで。


 ハーーーー…どこまでもバカでクズな元婚約者でございました。


 ケストナー家から婚約破棄を申し入れ、相手方は平謝りに謝り、慰謝料も支払って頂きました。


 ところが、その後、テオドルが、あることないことないことないこと噂を撒きはじめたのです。


 女らしさの欠片かけらもないから、こっちから婚約破棄してやったんだ、とか


 魔物のようにゴツい女だ、とか、色々。(褒め言葉かしら?)


 まあ、それに激怒したお父様が正式に相手方に抗議を申し入れて、再びガッポリ迷惑料をふんだくっておりましたが。

 

 あら失礼、言葉が悪い…ホホホホホホホ…


================


 士官学校に入る前の出来事を、久々に思い出しました。懐かしいわぁ〜…テオドルの残念エピソード。あの男を倒したのはスカッといたしましたね。そこいらの中途半端なゴロツキだったからまだ未熟だったわたくしでも対応出来たのでしょうけれど。(わたくしは今も未熟ですが。)ちなみに後でお祖父様たちにコッテリ怒られました…。



婚約破棄→ただしトルーデ側からの!という顛末でございました。


お読みいただいた方々、ポイントを入れて下さった方々、ブクマして下さった方々、ありがとうございます!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ